外科医は、患者の病気やケガに対する処置をする専門家で、主に身体の外側から治療を行う医師です。専門とする領域によって診療科が異なり、脳神経外科、食道外科、泌尿器外科、心臓血管外科などに細分化されます。
外科医の仕事は、多くのスキルや知識が求められ、決して楽な仕事とはいえないため、適性があるかどうかも重要です。本記事では、外科医になるために必要な適性、向いている人の特徴などについて、外科医の仕事内容や働き方をふまえて紹介していきます。
外科医は患者の病気やケガに対して、身体の外側から治療を行います。その中で、外科医に共通している仕事内容は主に以下の3つです。
以下、それぞれの仕事内容について詳しく解説していきます。
治療や手術の前に行われる診察や検査は、外科医の重要な仕事です。まず、診察を通して患者本人や家族から気になる症状について聞き取り、患者の状態を把握します。その後、必要に応じてX線やMRI、CTなどの検査を行い、診断結果を出すという流れです。
診察や検査の結果として出た症状に対して、手術を実施するかどうか、どのような治療を行うべきかを判断します。患者の体力や症状によっては、手術自体ができない場合もあるので、正確な診断や検査が求められます。
診察や検査の後は、手術や治療の計画を立て、患者や家族に説明します。外科医と聞くと、手術をイメージすることが多いかもしれませんが、手術までに行う診察や検査も外科医の重要な仕事の一つです。
外科医の手術や処置は、簡易的なものから大がかりなものまで幅広く、内容もさまざまです。例えば、比較的簡易なものの例としては、患部の洗浄や切開、縫合といった処置があります。大がかりなものは、複数の医師や看護師とチームを組み、数時間にわたって行う大きな手術などです。
具体的な手術内容としては、以下のような処置が挙げられます。
手術後の経過観察や処置、リハビリなども欠かせません。必要に応じて手術箇所の回復状況を確認し、術後の合併症がないかをチェックします。患者の状態に合わせて適切な指示を出すのも外科医の役目です。基本的に、外科医は患者に対して最初から最後まで寄り添う仕事であるといえるでしょう。
外科医は、診察や検査、手術以外に学術的な業務もこなします。医療業界では、常に新しい知識や技術が求められ、意識的に情報をキャッチする必要があるからです。
学術面での業務には、以下のようなものがあります。
外科医は、日々の業務に励みながらも常に新しい情報やスキルを身につけなくてはならない仕事といえるでしょう。
ここからは、外科医の働き方の特徴について紹介していきます。外科医の働き方の特徴は、主に以下の2つです。
以下、それぞれの特徴について詳しく解説していきます。
外科医の働き方として課題となっているのが、ハードワークであることです。ハードワークになってしまう原因として、以下の3つが考えられます。
外科医は、緊急搬送や入院患者の急変時などの対応も業務の一環です。さらに、昨今の医療技術の進歩によって、通常の手術ではできない処置が可能になってきています。難易度が高い手術の場合、手術時間も長くなる傾向にあるようです。
また、外科医は日々の業務に加えて、上記で述べた学術的業務も行いながらスキルや知識をアップデートさせなくてはなりません。このような長時間の手術や不規則な働き方により、ハードワークになりやすい職業といえるでしょう。
外科医は通常の診療に加え、勤務時間外や夜間に対応するオンコール業務や宿直も多く、比較的長時間働いていることが特徴です。また外科医の平均的な週あたりの労働時間は、他の診療科と比べても長い傾向にあります。
このようなハードワークに加えて、患者の命に直接関わる責任が重いため、外科医の基本給は比較的高い水準にあります。しかし、給与に対する満足度が高いわけではないという実情も見られます。
特に、一定の年収に達するまで満足度が低い傾向があり、給与の高さが外科医のモチベーション維持に寄与する場合もあるでしょう。
ここからは、外科医の適性や向いている人の特徴について紹介します。外科医の適性と向いている人の特徴は、主に以下の7つです。
以下、それぞれの特徴について解説していきます。
外科医は、患者とのコミュニケーションが欠かせません。なぜなら、患者やその家族とのコミュニケーションなしでは、状態を正確に把握し的確な診断結果を下すことができないからです。
さらに、手術の説明やリハビリのサポート、術後の経過観察などは相手の心身の状態に合わせて、寄り添いながら行わなくてはなりません。人と向き合う仕事である以上、コミュニケーション能力は間違いなく求められる力といえるでしょう。
外科医は責任を持って手術をやり抜く必要があり、高い集中力を求められます。手術内容によっては、難易度が高く長丁場になることもあります。どのような場面でも集中力を高く保つことは、外科医にとって重要な力の一つです。
人の命に直結する外科医という仕事は、感じるプレッシャーも非常に大きなものです。少しのミスや気の緩みでもその影響は大きく、常に緊張感を保つ必要があります。そのため、プレッシャーに耐えられる精神力が必要といえるでしょう。
外科医は、難易度の高い手術や治療を求められます。さらに、担当する患者の数も多いため、同僚との連携やチームワークが大切です。近年は、看護師や薬剤師などの医療従事者と共同で取り組むチーム医療が重要視されています。このように、外科医にとってチームワークを大切にできるかどうかは、適性の一つといえるでしょう。
外科医は、人の命と向き合いケガや病気を治す仕事であるため、「患者の命を助けたい」「症状を緩和させたい」といった想いがあるかどうかも、適性の一つといえるでしょう。実際、病気やケガから回復した人の姿、感謝の言葉、笑顔などにやりがいを感じる外科医も多いようです。
医学は日々進歩しており、学会で発表される情報や最新の動向を把握しておかなくてはなりません。また、外科医は知識だけでなく、手技の向上にも取り組む必要があります。日々の忙しさの中で、新しい知識や確かなスキルを身につけようとする向上心があるかどうかも外科医にとっては重要です。
そもそも、医師になるには大学で6年間学び、医師免許取得後に臨床研修を2年間こなさなくてはいけません。キャリアをスタートするまでに多くの時間を費やし、実際に働き始めれば、プレッシャーやハードワークに耐えることも必要になります。外科医として働くには、相当の忍耐力が必要といえるでしょう。
外科医への転職を考える上で注意しておきたいことは、以下のような点です。
外科医特有の注意点に加えて、転職活動全般にいえる注意点も紹介していきます。
転職活動を有利に進めるために、転職サイトや転職エージェントの活用は必須といえます。転職サイトや転職エージェントを活用するメリットは以下のとおりです。
外科医への転職となると、勉強と仕事を両立させながらの転職活動になります。面接や書類の準備に十分な時間をかけるのは難しいため、専門的なサポートを受けられる転職サイトや転職エージェントの活用がおすすめです。
自身のキャリアをまとめておけば、転職活動をスムーズに進められます。
以下のような課題に取り組むためには、自身のキャリアをしっかりと把握しておくことが重要です。
自身のこれまでを振り返ることは、自己理解につながるため、それまで気付いていなかった転職の理由や動機にも気付くことができます。それにより、高いモチベーションで転職活動に臨めるでしょう。
転職活動をするにあたり、将来的な目標や転職の軸がなければ、転職後のミスマッチが生まれる可能性があります。今後築いていきたいキャリアを明確にし、将来的にどのような外科医になりたいのかを具体的にイメージしておきましょう。
転職時は複数の病院を比較検討して勤務先を決めることをおすすめします。経営状態や院内の医師の数、労働条件など、外科医として重視したい点を中心に確認しましょう。
例えば、候補の病院の情報を表にまとめ、自分の希望する条件にどの程度マッチしているかを点数化すると客観的に比較できます。あくまでも転職の目的や希望を点数の基準にすることが大切です。
転職先を決める際には、現場を見学して院内の雰囲気や設備を確かめましょう。同じ外科医でも、現場によって待遇や働き方は大きく異なります。実際に現場で働く人の姿をみて話を聞くことで、自分が働くイメージをもつことができます。
また先述したように、外科医はチームでの動きがとても大切になるため、人間関係も確認しておきたいところです。自分の目指すキャリアや働き方にとって、その現場がマッチするかどうかを確かめておくと、転職後のミスマッチを防ぎやすくなります。
今回は、外科医の適性と向いている人の特徴について、外科医の働き方や転職する際の注意点などもあわせて紹介しました。外科医は、人の命に関わる仕事であり、やりがいのある仕事です。しかし、仕事内容や職業の特性上、ハードワークになりやすいことや時間外労働の多さも課題となっています。外科医への転職を検討している方は、今回紹介した外科医の適性を自分と照らし合わせながら考えてみてください。
また、外科医への転職には医師専用の転職サイトの活用がおすすめです。MRTでは、医師の常勤求人やスポットや定期非常勤などのアルバイト求人を多数掲載しています。希望する診療科やエリアで求人検索することが可能です。自身のキャリアに対する目標や理想の働き方に合わせて、求人を探してみましょう。