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モンスターペイシェントとは?特徴と対応方法について解説

更新日: 2023/03/27
モンスターペイシェントとは?特徴と対応方法について解説

医師をはじめとした多くの医療従事者を悩ませるモンスターペイシェントの特徴や対応方法について解説します。誰もが遭遇する可能性があるモンスターペイシェントへの理解を深め、万が一のときに備えておきましょう。

近年、医療現場で問題となっていることのひとつが、モンスターペイシェントです。理不尽なモンスターペイシェントに出会ってしまうと、医師もその他の医療従事者も精神的に疲弊してしまいます。また暴力を振るってくるケースもあるため、身体的にもリスクがあります。

そこで本記事ではモンスターペイシェントの特徴、対応方法、応召義務とモンスターペイシェントの関係をまとめました。今はモンスターペイシェントに悩まされていないという方も、適切な対応方法を知っておきましょう。

 

モンスターペイシェントとは?

モンスターペイシェントとは医師や看護師、医療事務などをはじめとした医療従事者や医療機関に対して、理不尽なクレームや要望、暴言、暴力行為などをぶつけてくる患者のことです。患者だけでなくその家族がモンスターペイシェント化するケースもあります。

長期にわたってモンスターペイシェントに対応するとなると、大きなストレスを感じて精神的に疲弊してしまう人も多いです。その結果、離職してしまう人も少なくありません。

またモンスターペイシェントの対応に多くの時間を割くことになると、貴重な時間が無駄になります。本来やるべき業務に専念できず、ほかの患者に影響が出てしまうこともあるでしょう。

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モンスターペイシェントの特徴

患者やその家族が病気や怪我への不安から、感情的に取り乱してしまうことはよくあります。そのため「モンスターペイシェントかもしれない」と思っても、判断が難しいケースもあるかもしれません。まずはモンスターペイシェントの特徴を理解しておきましょう。

モンスターペイシェントの可能性がある人は、以下のような特徴があります。

理不尽なクレームをつける

モンスターペイシェントの代表的な特徴のひとつが、理不尽なクレームです。必要な治療を行っているのに「やぶ医者!」と文句をつけられる、院内でのルールを守るようお願いしたら「勝手に決めたルールには従わない」と怒鳴るなど、こちらに問題がないにもかかわらず、理不尽なクレームをつけてくることがあります。

ただ、クレーム自体が悪いというわけではありません。日本ではクレームは苦情という意味で使われますが、医療従事者や医療機関側に落ち度があった場合、正当な主張である可能性もあります。正当な主張であれば、その意見を真摯に受け止めることが、問題点を改善することにつながります。

理不尽なクレームなのか、正当な主張なのかの見極めは重要です。

無理な要求をしてくる

「他の患者より優先して欲しい」「診察なしで薬だけ欲しい」など、無理な要求をしてくるのもモンスターペイシェントの特徴です。断って納得してくれればいいですが、怒鳴ったり暴れたりするケースも少なくありません。感情的ではなかったとしても、頻繁に顔を合わせる患者から延々と無理な要求が続くと「またか……」と精神的に疲れてしまうでしょう。

明らかに誰が聞いても無理な要求でも、モンスターペイシェントは自分の要求が正当なものであると信じ込んでいるため、話が噛み合いません。

脅迫してくる

理不尽なクレームに十分な対応をしなかったり、無理な要求を断ったりすると院長や理事長などの上の立場の人に訴えると脅迫してくるのも、モンスターペイシェントの特徴です。また、「弁護士を呼ぶ」「私は地元で力を持っている」「役所に報告する」などと脅してくることもあります。

暴言を吐く

何かにつけ怒鳴ったり、耳を塞ぎたくなるような暴言を吐くのもモンスターペイシェントの特徴です。大きな声で暴言を吐くため、責められている人はもちろん、周りも嫌な思いをします。他の患者にも影響が出てしまうでしょう。

セクハラをする

女性医師や看護師などに対して、セクハラをするのもモンスターペイシェントの特徴です。執拗に性的な言葉を投げつけてくる、性的な関係を迫る、体を触るなどのセクハラを行うモンスターペイシェントは少なくありません。また、患者自身の裸を見せてきたり、卑猥な画像や動画を見せてくるのもセクハラの一部です。

暴力を振るう

医師、看護師、その他の医療従事者に対して暴力を振るうのは、モンスターペイシェントの最も悪質な特徴です。暴力を振るう背景はさまざまで、回避できる場合も多いですが、突然激しく感情的になり手に負えなくなってしまうこともあります。無防備になった瞬間を狙って暴力を振るってくることもあるでしょう。トラブルが原因となり、恨みを募らせて起きてしまった傷害事件や殺害事件も実際にあります。

人に対してだけでなく、医療機器や院内設備などを破壊するのも暴力行為のひとつです。

治療費を支払わない

クレームに対応しなかった、要求を飲まなかったということを盾にして、治療費を支払わないのもモンスターペイシェントの特徴です。適切な治療を行っているにもかかわらず、自分の意に沿わない対応をされたからと支払いを拒否します。クレームや要求はないものの、さまざまな理由で治療費を踏み倒そうとしてくる人もモンスターペイシェントに該当します。

 

患者がモンスターペイシェント化する原因

モンスターペイシェント化してしまう原因を理解しておくことは、モンスターペイシェントによるトラブルやストレスを未然に防ぐことにつながります。原因は人それぞれ異なりますので一概には言えませんが、例えばどのような原因があるのか知っておきましょう。

患者側の原因

医療従事者は、患者の病気や怪我が完治するように努めますが、残念ながら必ず完治するわけではありません。しかし、医療は万能であると信じ込んでいる人の場合、思うような結果が得られないと「裏切られた」と感じてモンスターペイシェント化するケースがあります。

日本では、お客様は神様という風潮が浸透している傾向があるため、「患者である自分は常に優遇されるべき」と考えている人も少なくありません。思ったような対応をしてもらえなかったとき、蔑ろにされたと感じてモンスターペイシェント化する人もいます。

モンスターペイシェント化しやすい人は、何らかの強いストレスを抱えており、それを誰かにぶつけることで鬱憤を晴らすことが癖になっている場合も多いです。こういった人の場合、病院以外の場所でもモンスター化している可能性もあります。

医療従事者・医療機関側の原因

患者側の問題でモンスターペイシェント化するケースは多く、医療従事者や医療機関側に落ち度がないケースも多いです。ただし医療従事者や医療機関の対応が、モンスターペイシェントを生み出すきっかけになっている可能性もあります。

患者やその家族は病気や怪我で大きな不安を抱えているため、親身になって対応することが大切です。「患者の話を適当に聞き流す」「患者に十分な説明をしていない」「高圧的な態度で接する」などの行為は、医療従事者や医療機関に対する不満や不信感を増大させ、患者やその家族をモンスター化させてしまいます。

 

応召義務とモンスターペイシェントの関係

医師法では「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」と定められており、これを応召義務といいます。(※)この法律があるため、正当な理由なしには患者の診察や診療を拒否できません。拒否した場合、訴訟に発展する可能性があるため、モンスターペイシェントに黙って耐えている人は非常に多いです。

モンスターペイシェントの言動により信頼関係が崩壊した場合は、診察や治療を拒否する正当な事由に該当するとして、裁判で認められたケースはあります。ただ、正当な事由かどうかを判断するのは簡単ではなく、それが医療従事者や医療機関を悩ませる原因ともなっています。

※出典:厚生労働省「医師の応召義務について」.

https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000357058.pdf

 

モンスターペイシェントの対応方法

モンスターペイシェントによってトラブルが発生した場合、適切な対応をすることが大切です。正しい対応方法を押さえておきましょう。

話に耳を傾ける

モンスターペイシェントの話であっても、しっかり耳を傾けましょう。理不尽なクレームや無理な要求は聞き流してしまいたくなるかもしれませんが、適当に対応するとさらに悪化する可能性が高いです。適当に流すのではなく、相手の話をしっかりと聞きましょう。

1人で対応しない

1人で対応すると認識の違いが生まれて、さらに大きなトラブルに発展する可能性があります。関係者が事実を正確に把握するためにも、1人で対応せず複数人で対応しましょう。複数人で対応すれば、精神的なストレスも軽減されます。万が一暴力行為があった場合も未然に防ぎやすくなります。ただし対応窓口は1つにして、話の行き違いを防ぎましょう。

断るべきことはきっぱりと断る

モンスターペイシェントに対応するのがストレスだからといって、不当なクレームや要求を受け入れるのはNGです。不当な要求を受け入れるとさらにエスカレートしてしまいます。噂が回れば、ほかの患者がモンスターペイシェント化する原因にもなります。寄り添う姿勢は持ちつつも、断るべきことはきちんと断り、特別扱いはしないでください。

対応方針を共有しておく

モンスターペイシェントは、被害に遭っている人だけで対応できるものではありません。誰が被害を受けているとしても、関係者が一丸となって対応する必要があります。どのように対応するか院内で方針を明確にしておきましょう。

ハラスメント研修を実施する企業や医療機関は増えています。従事者同士のハラスメント予防や、ハラスメントを受けた際の対応方法・院内の方針を共有する場として活用がされています。

弁護士と連携を取れる体制を整える

かなり悪質なモンスターペイシェントの場合、院内で対応できない可能性もあります。そこで、対応が難しい場合は弁護士と連携を取れるよう体制を整えておきましょう。いつまでも院内で対応しようとすると、業務にも支障が出ますし、ほかの患者が離れる原因にもなってしまいます。

 

モンスターペイシェントには毅然とした対応を

モンスターペイシェントはできる限り避けたいですが、さまざまな人と接する以上、避けられないこともあります。万が一に備えて、どのように対応するか考え、院内でも方針を固めておくことが大切です。不当な行為を繰り返すモンスターペイシェントに対しては、話をしっかり聞きつつも、毅然とした対応を心がけましょう

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