医長の年収や年収を左右する要素などを紹介

医長の年収や、医長の年収を左右する要素について紹介します。医師全体の平均年収や、医長になる年齢の平均年収とも比較しています。医師としてのキャリアプランを考えている方や、転職を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

医師としてのキャリアプランを考えるうえで、「医長になると年収はどのくらいになるのだろう？」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

本記事では医長の年収について解説します。医長の年収を左右する要素も紹介するため、今後のキャリアを考えるうえでご参考になれば幸いです。

医長とは？

医長は医師の役職のひとつで、各診療科の主任医師のことです。診療科のリーダーとして、ほかの医師をまとめます。医療施設によっても異なりますが、一般的な病院における序列は以下のようになっています。

理事長・理事
院長・副院長
部長・副部長
医長
医員

このように医長は、医員から昇進する最初のステップです。医師が医長になるまでの平均勤務年数は約10年といわれていて、40代半ば頃に昇進する人が多いようです。

ちなみに大学病院の場合は、以下のような序列になっています。

院長
教授
准教授
講師
助教
助手
医員

医長の年収

医長の年収相場は1,000万円以上だといわれています。ただし、同じ医長という役職であっても、働く医療施設・診療科によって年収は異なるようです。厚生労働省が実施した令和3年度賃金基本構造統計調査によると、年齢別の医師の平均年収は以下のようになっています。（※）

25〜29歳	407.8万円
30〜34歳	599.5万円
35〜39歳	811.0万円
40〜44歳	969.1万円
45〜49歳	1,125.7万円
50〜54歳	1,325.1万円
55〜59歳	1,217.5万円
60〜64歳	1,308.0万円
65〜69歳	1,308.9万円
70歳〜	1,283.8万円

年齢別平均年収と比較すると、医長の平均年収1,000万円以上は、40～44歳の平均年収969.1万円と45～49歳の平均年収1,125.7万円のちょうど中間くらいに当たります。医長になれば年齢から見て平均程度の年収が得られると考えられるでしょう。

ちなみに医師全体の平均年収は病院の規模ごとに以下のとおりになっています。（※）

10～99人規模の病院：1,273.3万円
100～999人規模の病院：1,045.3万円
1,000人以上の規模の病院：1,243.2万円

医長の年収は病院の規模によっては医師全体の平均を下回っていますが、100～999人規模の病院であればおおよそ平均と同じくらいの収入だといえます。

※出典：e-stat.「令和３年賃金構造基本統計調査」.https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001164106&tclass2=000001164107&tclass3=000001164111&tclass4val=0

医長として年収を左右する要素

医長の年収は働く医療施設や診療科目によって差が生まれます。医長として年収アップを目指すために、医長の年収を左右する要素を紹介します。

人数の少ない診療科を選ぶ

医長の年収を大きく左右する要素のひとつは、診療科目です。人数が多い診療科よりも、人数の少ない診療科のほうが医長の年収が高い傾向があります。

同じ病院でも診療科によって医師の数は異なり、人気があるといわれる皮膚科や眼科などは人数が多いようです。一方、人数が少ない診療科は、人手不足に陥っているケースも少なくありません。病院側は人数が少ない診療科の年収を高めに設定して人材を集めようとするため、人数が少ない診療科のほうが年収が高くなる傾向があります。

また、人数が多い診療科は必然的にライバルも多くなるため、医長に昇進するには時間がかかってしまうこともあります。

医師の平均年収が高い地方での転職を目指す

一般的な職種は地方より都市部のほうが年収が高い傾向がありますが、医長を含め、医師の平均年収は都市部よりも地方のほうが高いケースが多いです。この要因には、都市部よりも地方のほうが人手が足りていないこと、医師一人当たりの負担が地方のほうが大きいこと、地方では医師の高齢化が進んでいることなどが挙げられます。

医長としてはもちろん、医師としてこの先高い年収を目指したいのであれば、地方の病院で働くことも選択肢として考えてみるとよいでしょう。