整形外科医は緊急対応や当直などがあり、激務になりやすいため年収の水準は高いとされています。しかし仕事内容と給与が見合っていないと感じる方も多いようです。もし現在の年収に不満がある場合は、転職やアルバイトなどで年収アップを図ることをおすすめします。
本記事では整形外科医の年収の相場と満足度、整形外科医の年収を左右する条件、転職時に確認すべきポイントを解説します。
労働政策研究・研修機構が2012年に発表した「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、整形外科の平均年収は1,289.9万円です。(※)
主な診療科の内、最も年収が高いのは脳神経外科の1,480.3万円、一方、最も低いのは眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科の1,078.7万円です。整形外科の年収は調査対象の中でも上位に位置しています。
同調査では、整形外科医の年収金額ごとの割合も調査しています。結果は以下のとおりです。(※)
主たる勤務先の年収 | 割合 |
300万円未満 | 4.2% |
300~500万円 | 3.8% |
500~700万円 | 2.5% |
700~1,000万円 | 12.7% |
1,000~1,500万円 | 34.7% |
1,500~2,000万円 | 33.1% |
2,000万円以上 | 8.9% |
年収1,000万円以上の整形外科医が76.7%を占めるものの、年収2,000万円以上の医師は8.9%と、他の診療科よりも比較的低い割合です。そのためさらに収入を得たいと考えている場合は、転職やアルバイトなどを検討する必要があるでしょう。
同調査では、整形外科医の賃金・給料に対する満足度も発表しており、結果は以下のとおりです。(※)
整形外科の場合、有床病院では当直やオンコールもあり激務になりやすい傾向にあります。また医師不足の病院も多く、仕事量や責任に対して年収が釣り合わないと感じる方も多くいるものと考えられます。
整形外科医の平均年収は1,289.9万円と紹介しましたが、勤務先や雇用形態、専門医資格の有無によっても異なります。また医師の場合、年齢と年収は比例して上がるため、若い整形外科医のほうが賃金は低くなってしまいがちです。
ここでは整形外科医の年収が変わる5つの要因について紹介します。
一般的に、医師の年収は年代が上がるにつれて上昇します。また、50代以降は大学教授や医科長などの役職が付き、手当なども増えることから年収は一段と上がる傾向にあります。これは整形外科医の年収にも当てはまるため、年齢が上がり、臨床経験を積んだ医師ほど年収も増えやすくなります。
大学医局や公的病院よりも、民間病院に勤務したほうが年収は高い傾向です。とはいえ民間病院の年収は医院の経営状況により異なります。また保険診療に縛られない医療の提供ができることから、勤務医よりも開業医のほうが年収は高い傾向があります。中にはアルバイトを掛け持ちなどで、年収を上げる方もいるようです。
医師の年収は勤務地によっても異なります。政令指定都市、23区で勤務する医師とそれ以外の地域で勤務する医師で比較すると政令指定都市、23区以外で勤務する医師の方が平均年収は高い結果でした。医師不足に悩む過疎地域では、給与水準も高く、好待遇で転職できることもあります。(※)
専門医資格を保有している医師は、高い医療スキルが期待できるため、給与面で優遇されやすいでしょう。また、民間病院では専門医資格の保持が役職に就く条件になっていることもあります。
医師の雇用形態は常勤かアルバイト(非常勤・スポット)の2種類です。時給換算ではアルバイトのほうが給与がいいため、常勤勤務のみかアルバイトを掛け持ちするかによっても年収は異なります。年収を上げたいと考える整形外科医は、休診日にスポットなどのアルバイトを入れることも一つの手段です。
整形外科医は腰痛や骨折などの治療のほか、運動器官に障害が生じたときのリハビリなども行います。患者は高齢者から子どもまでさまざまです。なお、有床病院か否かにより仕事内容や年収が異なるため、求人を見る際は業務の範囲も確認しましょう。
整形外科医は、スポーツ中の靭帯の断絶、転倒による骨折など、骨・靭帯・筋肉・運動神経の怪我に対する治療が主な仕事です。股関節の病気などで慢性化した症状に対しては、人工股関節置換術(THA)のような高度な治療を施し回復を促すこともあります。
入院をともなう手術は、総合病院などの大病院で対応することになるでしょう。有床病院では重症患者の治療を夜間救急で対応するケースもあります。
鎮痛治療とはヘルニアや腰痛、手足のしびれなど、慢性化した痛みを緩和するための治療です。鎮痛治療の方法は患者の状況により異なり、コルセットなどの装具による治療やステロイド注射、鎮痛剤の処方などさまざまです。手術を伴わない、または日帰り手術で済む鎮痛治療は、無床病院でも行われます。
リハビリテーション治療は運動機能の改善を目的とし、交通事故後や手術後、また鎮痛治療の一環としても行われます。リハビリテーションは理学療法士と連携して進め、患者の状態に合わせた改善計画を立てていきます。
整形外科医が転職を考える際は、まず業務内容をよく確認しましょう。落ち着いて仕事がしたい医師は当直やオンコールのないクリニックに転職するのがおすすめです。
同じ整形外科でも、スポーツ専門や関節リウマチ専門など専門領域が異なります。転職の際は自身の得意分野を活かせる、またはスキルを身に付けたい領域を選ぶとよいでしょう。
落ち着いて働きたいという方には、当直やオンコールのない無床クリニックへの転職がおすすめです。ただし小規模のクリニックの場合、医師の人数が限られていて休みが取りづらい可能性もあります。休みもしっかり取りたい場合は、複数人の医師が在籍するクリニックのほうが安心です。
整形外科の中には、手術の件数に応じたインセンティブや専門医資格への手当などが支給されるケースもあります。その他にも退職金規定は整っているかなど、どのような手当があるか一通り確認しましょう。
20代~30代の若手医師で専門医資格が未取得であれば、専門医資格が取得できる医院もおすすめです。資格を取得しておくと、その後また転職する際にも有利になります。専門医研修中の年収目安は求人票や説明会などで公表されるものを確認してみましょう。
整形外科医の年収水準は他の診療科と比べて高いものの、満足していない医師が多いことがわかりました。もし現在の年収に不満があるなら、好待遇の病院に転職したり、アルバイトを掛け持ちしたりするのもおすすめです。
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