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【2026年最新】医師の働き方改革から2年、医師の働き方はどう変わった?上限規制とアルバイト制限の現状を解説

更新日: 2026/06/30
【2026年最新】医師の働き方改革から2年、医師の働き方はどう変わった?上限規制とアルバイト制限の現状を解説

2024年4月より、医師にも時間外労働の上限規制が本格的に適用されました。2021年の医療法等改正法の成立を経て整備されたこの制度は、施行から2年が経過した2026年現在、すべての医療機関において実運用フェーズに入っています。
医師の働き方改革の概要や、法改正によるアルバイト(外勤)への影響を正しく理解し、自身のキャリアやライフスタイルに合わせた働き方を選択する必要があります。
本記事では、現在進行形で進む医師の働き方改革の全体像から、医療機関の具体的な取り組み、そして医師の先生方が抱く「バイト制限」などの疑問点について、最新の状況に基づきわかりやすく解説します。

▼医師の働き方改革の現状についてはこちらの記事でも解説しています。
【令和8年最新】医師の働き方改革で現場はどう変わった?年収維持の秘訣と副業の「新ルール」も徹底解説

 

働き方改革関連法の施行により、医師の働き方も新フェーズへ

2019年に成立した働き方改革関連法は、日本の労働環境を劇的に変えました。医師についてはその特殊性から5年間の猶予が与えられていましたが、2024年4月1日からは上限規制の適用が開始されています。
働き方改革の主要な柱は以下の6つです。

  • 時間外労働の上限規制(医師は2024年度より適用)
  • 勤務間インターバル制度の導入(B・C水準は義務化)
  • 労働時間の適正な把握の義務付け(ICカード・ビーコン等の活用)
  • 年5日の年次有給休暇の取得義務化
  • フレックスタイム制の制度拡充
  • 高度プロフェッショナル制度の新設

これまで医師は、緊急対応や応召義務といった特殊性を理由に上限規制の適用が猶予されてきましたが、現在は適切な健康確保措置を設けた上での上限管理が「義務」となっています。(※)

業種 上限規制の適用
一般の業種 2019年4月より適用済み
自動車運転業務 2024年4月より適用(年960時間)
建設事業 2024年4月より適用
医師 2024年4月より適用(原則年960時間)

※出典:厚生労働省「働き方改革関連法等について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html

医師の働き方改革が推進された背景

医師の働き方改革が必要とされた背景には、長年続いてきた日本の医療供給体制の限界がありました。厚生労働省の調査に基づくと、主な背景は以下の3点です。

深刻な長時間労働の常態化

かつては病院常勤医の約4割が年960時間超、約1割が年1,860時間超の時間外・休日労働を行っていました。特に救急、産婦人科、外科や若手医師にその傾向が顕著でした。

労務管理の不透明さ

36協定の未締結や、客観的な時間管理(打刻)が行われず「自己研鑽」という名目でのサービス残業が常態化している医療機関が散見されました。

業務の医師一極集中

患者への病状説明、バイタル測定、診断書作成といった、必ずしも医師でなくても可能な業務が医師に集中し、疲弊を招いていました。
現在は、これらの課題を解決し、医師が長く健康に働き続けられる環境をつくることが、医療の質を担保するために不可欠であると考えられています。

また、時間外労働の上限を取り決める36協定が未締結だったり、労働時間を客観的に把握する仕組みがなかったりと、労務管理が不十分な医療機関も存在しました。働き方改革関連法の成立をきっかけとして、医師が長く健康に働きつづけられる環境づくりが求められています。

※出典:厚生労働省「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案の閣議決定について」
https://www.mhlw.go.jp/content/10802000/000737490.pdf

医療法等改正法の概要

医師の働き方改革を推進するために制定された法律が、「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(医療法等改正法)」です。

医療法等改正法の目的は、2024年4月1日の時間外労働の上限規制の適用開始に向けて、医療機関の取り組みを支援する措置を講じる点にあります。

“良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進する観点から、医師の働き方改革、各医療関係職種の専門性の活用、地域の実情に応じた医療提供体制の確保を進めるため、長時間労働の医師に対し医療機関が講ずべき健康確保措置等の整備や地域医療構想の実現に向けた医療機関の取組に対する支援の強化等の措置を講ずる。”
[引用]厚生労働省:良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案の閣議決定について
https://www.mhlw.go.jp/content/10802000/000737490.pdf

医療法等改正法と現在の支援措置

医師の働き方改革を支える法的根拠が「医療法等改正法」です。この法律は単に規制を設けるだけでなく、長時間労働が避けられない医療機関への支援措置も含んでいます。

具体的には、以下の取り組みが全国の病院で実施されています。

医師労働時間短縮計画の作成

長時間労働が発生する医療機関には、その短縮に向けた具体的な計画作成が義務付けられています。

特定労務管理対象機関の指定

地域医療の確保等の観点から、やむを得ず高い上限時間(年1,860時間)を適用する「B水準」「C水準」の医療機関を都道府県知事が指定しています。

健康確保措置の徹底

面接指導、連続勤務時間制限、勤務間インターバル規制等の実施により、過労から医師を守る措置が講じられています。

出典:厚生労働省.「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案の閣議決定について」
https://www.mhlw.go.jp/content/10802000/000737490.pdf

医師の働き方改革の対象者

この制度の対象は、病院、診療所、介護老人保健施設などで勤務する「医業に従事する医師」です。

2026年現在、臨床現場で患者の診察にあたる医師は、非常勤(アルバイト)も含めてすべてこの規制の対象となります。

一方で、企業の健康管理を行う産業医や、検診センター等で「医業」に直接従事しない形態の場合は、一般労働者と同様の規制が適用されます。

出典:厚生労働省「医師の働き方改革に関する FAQ」
https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/information/explanation

医師の働き方改革の3つのポイント

医師の働き方改革のポイントは3つあります。

  1. 時間外労働の上限規制
  2. 医師の健康確保措置の義務化
  3. タスク・シフティングの導入

特にタスク・シフティングは、医療業界の働き方改革ならではのポイントです。
2024年4月1日に適用された時間外労働の上限規制や、健康確保措置の義務化に対応するため、医師の働き方改革の要点を確認しておきましょう。

時間外労働の上限規制

2024年4月1日より、病院で働く医師にも時間外労働の上限規制が適用されています。医師の時間外労働時間の上限は、原則として年960時間、月100時間未満です。

しかし医療機関で果たす役割や業務の種類によっては、時間外労働の上限規制に対応するのが難しい場合があります。例えば医師が替えの効かない専門治療に従事しているケースや、緊急性の高い救急医療に従事しているケースです。

そこで、厚生労働省はABCの3つの基準(ABC基準)を設け、それぞれに時間外労働の上限規制や健康確保措置を適用しています。

医療機関に適用する水準
年の上限時間 面接指導 休息時間の確保
A(一般労働者と同程度) 960時間 義務 努力義務
B(救急医療等) 1,860時間 義務 義務
連携B(医師を派遣する病院) 1,860時間 義務 義務
C-1(臨床・専門研修) 1,860時間 義務 義務
C-2(高度技能の修得研修) 1,860時間 義務 義務

例えば救急医療などに携わる医師の場合、時間外労働の上限は1,860時間です。医師の働き方改革に取り組む前に、医療機関はABCの内どの基準が適用されるか確認する必要があります。また医師の労働時間を適正に把握し、時間外労働時間が超過していないかチェックする仕組みも必要です。

出典:厚生労働省「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案の閣議決定について」
https://www.mhlw.go.jp/content/10802000/000737490.pdf

①医師の健康確保措置の義務化

時間外労働の上限規制とセットになるのが、医師の健康確保措置の義務化です。健康確保措置は、医師の健康状態の面接指導と、十分な休息時間の確保の2点に分けられます。

  • 面接指導: 健康状態を医師がチェック
  • 休息時間の確保: 連続勤務時間制限と勤務間インターバル規制(または代償休息)

厚生労働省によると、勤務間インターバル制度は「終業時刻から次の始業時刻の間に、一定時間以上の休息時間(インターバル時間)を確保する仕組み」を指します。
一方、休憩時間中にやむを得ず仕事をした場合に付与されるのが「代償休息」です。代償休息は、原則として従事した労働時間と同じ時間の休憩時間が与えられます。

出典:厚生労働省「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案の閣議決定について」
https://www.mhlw.go.jp/content/10802000/000737490.pdf
厚生労働省「医師の働き方改革に関する FAQ」
https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/information/explanation

②タスク・シフティングの導入

タスク・シフティングとは、医師に一極集中していた業務を分散し、他の医療従事者との役割分担を推進する仕組みを指します。
例えば診療放射線技師や臨床検査技師のような専門性の高い職種の業務範囲を拡大し、医師の負担を軽減するなどが挙げられます。

【RI検査の事例】
担当者:改正前(医師、看護師)→ 改正後(診療放射線技師)

【超音波検査の事例】
担当者:改正前(医師、看護師、臨床検査技師)→ 改正後(臨床検査技師)

上記の例のとおり、医療従事者の業務範囲を見直すことで医師の業務負担を削減し、時間外労働時間の削減につながります。その他、臨床工学技士や救急救命士へのタスク・シフトも推奨されています。

出典:厚生労働省「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案の閣議決定について」
https://www.mhlw.go.jp/content/10802000/000737490.pdf

【2026年最新】医師の働き方改革・運用の現状

制度施行から2年が経過した2026年(令和8年)現在、医療現場では「上限規制」を遵守しながら、いかに効率的な体制を築くかが焦点となっています。現場の医師が直面している最新の現状を解説します。

「宿日直許可」の取得拡大とアルバイトへの影響

現在、多くの医療機関がアルバイト医師を確保するために、労働基準監督署から「宿日直許可」を取得しています。

現状のメリット:
宿日直許可を得た当直勤務は、原則として労働時間にカウントされません。そのため、本業で残業時間が上限に近い先生でも、許可のある施設での「寝当直」であれば、上限規制を気にせずアルバイト代を維持することが可能です。

注意点:
令和7年度の最新調査では、許可がない状態での当直(通常の救急対応等)を「宿日直」として扱い、後に是正勧告を受ける事例も報告されています。求人を選ぶ際は「宿日直許可の有無」が非常に重要な指標となっています。

副業・兼業先との「労働時間通算」の厳格化

2026年現在、自己申告に基づく副業・兼業先の労働時間管理はより厳格化されています。

現状:
多くの病院で、外勤先での勤務時間を月ごとに「副業・兼業報告書」等で提出することが義務付けられています。本業(常勤先)の病院は、この合算時間が月100時間未満(休日労働含む)に収まっているかを厳しくチェックしています。

医師への影響:
バイトの入れすぎによって本業の勤務を制限せざるを得ないケースも出てきており、「短時間で高単価」なスポット求人や、移動効率の良い案件へのニーズがこれまで以上に高まっています。

令和7年度診療報酬改定と働き方改革

2024年度(令和6年度)および2025年度(令和7年度)の診療報酬改定を経て、働き方改革への取り組みは医療機関の経営に直結しています。

現状:
「地域包括医療病棟」の新設や「医師事務作業補助体制加算」の拡充により、医師をサポートする人員(クラーク等)の配置が進んでいる病院が増えつつあります。

医師のメリット:
タスク・シフティングが先行して進んでいる病院では、書類作成や事務作業が軽減され、時間外労働の削減とQOLの向上が両立しつつあります。

出典:全日本病院協会「2025年度 医師の働き方改革に関する状況調査」
https://www.ajha.or.jp/topics/4byou/pdf/250918_2.pdf
いきいき働く医療機関サポートWeb(厚生労働省):制度解説資料
https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/information/explanation

今後のアルバイト選びはどうする?

方改革制度を熟知した求人サイト」の活用が不可欠です。

私たちMRTでは、単に求人を紹介するだけでなく、各医療機関が「宿日直許可」を得ているか、タスク・シフティングがどの程度進んでいるかといった、医師の皆様が本当に知りたい情報も収集しています。

「あと何時間バイトができるか不安」「効率よく働ける外勤先を探している」という先生は、ぜひMRTへご相談ください。最新の法規制を遵守しつつ、先生のライフスタイルに最適な働き方をご提案いたします。

医師の働き方改革に関するQ&A(最新版)

自己申告による労働時間管理は可能ですか?

原則としてタイムカード等の「客観的な方法」が必要です。自己申告は、客観的記録との乖離を確認する手段等として限定的に併用されます。

副業・兼業の労働時間は通算すべきですか?

はい、通算して管理する必要があります。医師は自身の健康管理のため、アルバイト先での労働時間を本業の病院へ報告する義務があります。

出典:厚生労働省「医師の働き方改革に関する好事例」
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000611812.pdf

宿日直許可のあるアルバイトのメリットは?

宿日直許可のある勤務は「労働時間」として計算されないため、自身の時間外労働枠を消費せずにアルバイト報酬を得ることができます。

医師の働き方改革のポイントや法改正の内容を確認しよう

2024年に始まった医師の働き方改革は、2026年現在、医療現場に定着しつつあります。時間外労働の上限規制は、医師の健康を守るための大切な一歩ですが、同時に適切な求人選びがこれまで以上に重要になっています。

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