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診療科/業務内容

研究医の年収は?臨床医との年収や労働時間の違いを解説

更新日: 2023/04/25
研究医の年収は?臨床医との年収や労働時間の違いを解説
研究医の平均年収は713.6万円と、臨床医よりも平均年収が低い傾向があります。年収を上げるにはアルバイトを並行して行う方法があります。この記事では研究医の年収や仕事内容、臨床医との違いについて解説します。

研究医と臨床医とでは業務内容や年収、労働時間に違いがあります。それぞれ医療において重要な役割を担う存在です。

この記事では研究医の年収や仕事内容、臨床医との違いについて解説します。

研究医の年収は約714万円

厚生労働省による職業情報提供サイト『job tag』によれば、研究医の平均年収は713.6万円です。(※)国税庁『令和3年分 民間給与実態統計調査』で発表されている給与所得者の平均給与443万円と比較すると、平均給与を約270万円上回っていることがわかります。(※)同じく国税庁『令和3年分 民間給与実態統計調査』によれば、年収が700万超という人の割合は全体の14.3%であることから、一般的にみると研究医の年収は高い位置にあると言えます。

※出典:厚生労働省 job tag.「医学研究者」.
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/390(入手日付2023-02-28).
※出典:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」.
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2021/pdf/002.pdf,(入手日付2023-02-28).

研究医は基礎研究医と臨床研究医に分かれます。

基礎研究医の仕事

基礎研究医の主な仕事内容は、大学の医学部や研究機関で基礎研究を行なうことです。基礎研究は次のような分野に分けられます。

  • 解剖学
  • 生理学
  • 生化学
  • 薬理学
  • 病理学
  • 免疫学
  • 微生物学
  • 衛生学

具体的にどのような仕事を行なうかはそれぞれの分野によって異なりますが、医学の知識だけではなく、物理や化学といった幅広い領域の知識も持ち合わせておくことが求められます。

働く場所は大学の医学部や研究機関に限りません。民間の製薬会社での医薬品、化粧品の開発や国家公務員である厚生労働省技官として勤務するケースもあります。

臨床研究医の仕事

基礎研究医は上述のように、大学や研究機関、民間の製薬会社などで研究や医薬品の開発に携わります。一方、臨床研究医は医療機関で診療に携わりながら研究を進めます。臨床研究医は新薬がどれだけ効果があるかを測定したり新たな治療法を考案したりと、新しい医療技術の実用化を目指すことが仕事です。

研究医のやりがい

研究医のやりがいとして挙げられるのが、研究によって病気や症状の原因を解明することが多くの患者さんの助けになるという点です。それまで治療が難しいとされていた病気や症状に対して有効な治療方法や医薬品を新たに開発するということが、やりがいにつながるでしょう。

研究医と臨床医の違い

研究医に対して臨床医は、病院やクリニックなどの臨床の最前線で医療に携わります。臨床医は開業医としてクリニックを開設して、地域に密着して医療を提供するというキャリアも選択可能です。

研究医と臨床医は働き方や仕事の内容以外にも年収や労働時間などにも違いがあります。

研究医と臨床医の年収の違い

臨床医は外科、内科など診療科ごとに年収が異なります。独立行政法人 労働政策研究・研修機構『勤務医の就労実態と意識に関する調査』の発表では、臨床医の診療科別の平均年収と年収の割合は次のとおりです。(※)

診療科 300万円未満(%) 300~500万円未満(%) 500~700万円未満(%) 700~1,000万円未満(%) 1,000~1,500万円未満(%) 1,500~2,000万円未満(%) 2,000万円以上(%) 500万円以上計(%) 1,000万円以上計(%) 平均年収(万円)
脳神経外科 1 3.9 2.9 10.7 21.4 40.8 19.4 4.9 81.6 1,480.3
産科・婦人科 0.8 2.3 5.4 13.8 27.7 29.2 20.8 3.1 77.7 1,466.3
外科 2.1 2.4 4.7 11.8 27.9 39.1 12.1 4.5 79.1 1,374.2
麻酔科 0.8 1.6 5.5 16.4 36.7 25 14.1 2.4 75.8 1,335.2
整形外科 4.2 3.8 2.5 12.7 34.7 33.1 8.9 8 76.7 1,289.9
呼吸器科・消化器科・循環器科 2.6 3.3 6.6 10.9 39.8 29.6 7.2 5.9 76.6 1,267.2
内科 3.5 7.1 7.4 13.5 29.2 28.4 10.9 10.6 68.5 1,247.4
精神科 1.8 4.1 7.3 18.3 33 24.8 10.6 5.9 68.4 1,230.2
小児科 2.4 7.7 5.9 14.8 33.1 28.4 7.7 10.1 69.2 1,220.5
救急科 0 6.3 12.5 18.8 21.9 25 15.6 6.3 62.5 1,215.3
その他 1 3.9 8.7 17.5 36.9 29.1 2.9 4.9 68.9 1,171.5
放射線科 5.3 6.3 11.6 16.8 33.7 22.1 4.2 11.6 60 1,103.3
眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 2.6 8.3 12.5 17.3 33.2 22 4.2 10.9 59.4 1,078.7

全診療科のなかでも、脳神経外科は平均年収が1,480.3万円と最も多い結果でした。研究医の平均年収である713.6万円と比較すると倍以上の平均年収です。また全診療科のなかでも平均年収が最も低かった眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科でも1,078.7万円と、研究医よりも約360万円以上高い結果です。

※出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」.
https://www.jil.go.jp/institute/research/2012/documents/0102.pdf,(入手日付2023-02-28).

勤務地別の年収

臨床医は勤務地によっても年収が異なります。特に東京23区、政令指定都市かどうかで約100万円の差が生まれています。独立行政法人 労働政策研究・研修機構『勤務医の就労実態と意識に関する調査』によれば、東京23区、政令指定都市の医師の平均年収が1,137.3万円だったのに対して、それ以外の地域の医師の平均年収は1,314.7万円でした。(※)

一方、研究医も地域によって差はありますが、令和4年では政令指定都市を擁する神奈川県の平均年収は803.4万円と全国平均703/9万円よりも約100万円高くなっています。(※)

※出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」.
https://www.jil.go.jp/institute/research/2012/documents/0102.pdf,(入手日付2023-02-28).
※出典:厚生労働省 job tag.「医学研究者」.
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/390(入手日付2023-02-28).

年齢別の年収

勤務医の年齢別の年収は次のとおりです。(※)

年齢 300万円未満(%) 300~500万円未満(%) 500~700万円未満(%) 700~1,000万円未満(%) 1,000~1,500万円未満(%) 1,500~2,000万円未満(%) 2,000万円以上(%) 500万円以上計(%) 1,000万円以上計(%) 平均年収(万円)
20歳代 7.5 31.3 26.3 23.8 10 1.3 0 38.8 11.3 599
30歳代 4.4 10.5 12.8 21.2 36.4 12.5 2.1 14.9 51 967.8
40歳代 1.8 2 5 13.4 34 33.3 10.4 3.8 77.7 1,326.6
50歳代 1.2 0.4 2.2 7.9 26.5 44 17.7 1.6 88.2 1,527.8
60歳代以上 2 4.7 0.7 5.3 31.3 38 18 6.7 87.3 1,486.6

臨床医は20歳代から徐々に平均年収が増加して、ピークは50歳代の1,527.8万円です。研究医の平均年齢である41.3歳は、臨床医であれば1,326.6万円の年収に達する可能性があるといえます。(※)

※出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」.
https://www.jil.go.jp/institute/research/2012/documents/0102.pdf,(入手日付2023-02-28).
※出典:厚生労働省 job tag.「医学研究者」.
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/390(入手日付2023-02-28).

研究医と臨床医の労働時間の違い

厚生労働省の発表によれば、研究医の平均労働時間は月間で164時間でした。週休2日で月に22日働くと仮定すると、1日の労働時間は7.4時間で週37時間労働です。(※)

一方、『勤務医の就労実態と意識に関する調査』で発表されている臨床医の診療科別の1週間あたりの平均労働時間と割合は次のとおりです。(※)

診療科 20時間未満(%) 20~40時間未満(%) 40~50時間未満(%) 50~60時間未満(%) 60~70時間未満(%) 70~80時間未満(%) 80時間以上(%) 60時間以上(%) 平均時間(時間)
救急科 5.6 8.3 25 19.4 16.7 13.9 11.1 41.7 54
脳神経外科 4.9 6.6 24.6 23.8 21.3 10.7 8.2 40.2 53.3
外科 10.5 2.8 19.5 24.1 22.3 11.3 9.5 43.1 52.5
小児科 5.4 10.2 15.6 29.3 24.9 8.3 6.3 39.5 52
産科・婦人科 11 5.5 27.6 22.1 17.9 7.6 8.3 33.8 49.4
呼吸器科・消化器科・循環器科 11.3 7 20.8 27.2 16.7 8.9 8.1 33.7 49.4
整形外科 12.6 9.8 25.6 23.2 17.5 7 4.2 28.8 46.8
放射線科 7.9 7 37.7 29.8 10.5 4.4 2.6 17.5 46.1
その他 9.7 7.3 35.5 28.2 11.3 5.6 2.4 19.4 46
麻酔科 8.5 13.1 32.7 23.5 15 2.6 4.6 22.2 45.8
眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 13.8 9.5 32.1 24.1 12.1 4.6 3.8 20.5 44.3
内科 15 13.7 28.4 21.3 12.5 5.2 3.9 21.6 43.4
精神科 16.9 25.8 29.2 15.8 9.2 1.9 1.2 12.3 38.4

1週間あたりの労働時間平均が最長だったのは救急科で54時間、最短だったのは精神科で38.4時間でした。想定される研究医の1週間あたりの労働時間は前述のとおり約37時間のため、研究医はどの勤務医よりも労働時間が短い傾向があるといえます。

精神科は労働時間が研究医よりも約1時間長いですが、平均年収は1,230.2万円と年収では約500万円も上回っています。

※出典:厚生労働省 job tag.「医学研究者」.
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/390(入手日付2023-02-28).※出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」.
https://www.jil.go.jp/institute/research/2012/documents/0102.pdf,(入手日付2023-02-28).

研究医はアルバイトで収入を確保できる

研究医は臨床医と比較すると平均年収が低い傾向です。そのため、研究医のなかにはアルバイトを行なっているケースがあります。『勤務医の就労実態と意識に関する調査』によれば、複数の勤務先でアルバイトをしている医師の主たる勤務先での平均年収と年収の割合は次のとおりです。(※)

勤務形態 40万円未満(%) 40~50万円未満(%) 50~100万円未満(%) 100~150万円未満(%) 150万円以上(%) 平均月額(万円)
アルバイト 46.6 11.8 20.6 0 0 32.7

厚生労働省『毎月勤労統計調査 令和2年3月分結果確報』で発表された、パートタイムの平均月収9万7,201円と比較すると医師のアルバイトがいかに高額で収入確保につながるかがわかります。(※)

※出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」.
https://www.jil.go.jp/institute/research/2012/documents/0102.pdf,(入手日付2023-02-28).
※出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和2年3月分結果確報」.
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r02/0203r/0203r.html,(入手日付2023-02-28).

キャリアチェンジという考え方もある

収入面に着目した場合、研究医から臨床医へキャリアチェンジするという考え方もあります。ただし、臨床医は研究医よりも労働時間が長い傾向があり、診療科によっては約10時間労働時間が延びる可能性も考えられるでしょう。そのため、研究医としてのやりがいやワーク・ライフ・バランスも考慮したうえで、キャリアチェンジを図ることが大切です。

収入を確保して研究医として活躍しよう

研究医は医学の知識だけでなく、さまざまな知識を用いて新たな治療法や医薬品の開発に携わります。そのため、研究成果が実を結べば多くの患者さんの助けになります。一方で年収が臨床医よりも低くなってしまうという点がネックです。年収に不満がある場合は、医師の資格を活かしたアルバイトやキャリアチェンジといった選択肢もあります。

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