エリアを選択

北海道・東北
関東
北陸
甲信越
東海
近畿
中国・四国
九州・沖縄

科目を選択

診療科/業務内容

精神科でおすすめの後期研修とは?知っておきたい制度についても解説

更新日: 2025/05/30
精神科でおすすめの後期研修とは?知っておきたい制度についても解説
初期研修の後は、より専門的な研修を受ける後期研修が待っています。後期研修は今後のキャリアにも大きく影響してくるため、研修先は慎重に選ぶ必要があります。本記事では、精神科での後期研修の選び方について、知っておきたい制度と併せて詳しく解説します。

精神科医として働く場合、初期研修を終えたのち、専攻医として後期研修を受け精神保健指定医や精神科専門医の取得を目指します。後期研修は初期研修よりも期間が長いため、今後のキャリアを踏まえて研修先を慎重に選ぶことが大切です。
本記事では、精神科における後期研修の選び方について、知っておきたい制度と併せて詳しく解説します。

 

精神科医の需要

日本では精神疾患の患者が非常に多く、特に近年はうつ病やストレス関連の疾患を抱える外来患者が増加していることから、精神科医の需要は高まっていると言えます。

令和7年1月に公表された厚生労働省「精神保健医療福祉の現状等について」によると、精神疾患を有する総患者数は、外来患者が約576.4万人・入院患者は26.6万人いることが分かりました。外来患者の主な疾患分類は、気分[感情]障害(うつ病・双極性障害など)・神経症性障害・ストレス関連障害・身体表現性障害となっており、入院患者の主な疾患分類は、統合失調症および関連障害が最多となっています。

年齢別でみると、外来は65歳未満の患者が多いのに対し、入院は65歳以上が多いということもわかりました。これは、働き世代のメンタルヘルス需要がある一方、高齢化により外来で対応しきれず入院という形をとる高齢者が増加しているのが背景のようです。

また、国立精神・神経医療研究センターが全国の精神病床を有する医療機関を対象に、在院患者数や退院者数を調査した「630調査」によると、精神病床の長期入院者(1年以上)は依然として多く、入院の長期化が課題となっています。

以上のことから、精神科は若年層から高齢者まで患者数が多く、かつ長期的な治療が必要な領域であることから、精神科医の需要は非常に高いと言えます。

 

精神科医として働く際に確認したい必要な資格について

精神科医として働くことを目指す際、資格をどこまで取得するかが重要となってきます。精神科医の資格としては、大きなもので精神保険指定医および精神科専門医の2つが挙げられます。

精神保健指定医とは

精神保健指定医とは、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づき、厚生労働大臣が指定する精神科医の資格です。精神障害のある患者に対して、医療保護入院や措置入院の判断を行う権限を持ち、患者の人権を守りながら適切な治療を提供する役割を担います。

精神保健指定医は、精神科医としての専門性を高める重要な資格の一つです。資格を取得することでできることが増えるため、実際に働いた際の待遇に差がつきやすい傾向にあります。また、働き先によっても診療報酬にわずかながら差があるとされています。

精神科専門医とは

一方、精神科専門医は、精神保健指定医とは異なり、日本精神神経学会が認定する民間資格でベテランの精神科医の中でも取得していない方が多い資格です。

多剤処方でも減算されないといった違いしかなく、診療報酬が異なることはありません。

精神保健指定医と精神科専門医はどっちをとればいい?

精神科専門医は精神科医の専門性を高めるための資格であるのに対して、精神保健指定医は精神保健福祉法に基づく法的資格です。

これらを踏まえると、精神科医としてのキャリアを築く場合は、少なくとも精神保健指定医の資格は取得しておいた方が良いでしょう。産業医やメディア、講演・学会活動といったセルフブランディングが重要な仕事を目指す場合は、精神科専門医の取得が必要です。

 

後期研修を選ぶ際に知っておきたい「新専門医制度」について

精神科に限らず、医師としてキャリアを積んでいくために有効なのが、専門医資格です。専門医制度は従来の制度の問題点を踏まえ、2018年に新制度が始まりました。

従来の制度では、それぞれの診療科を専門とする学会が独自の基準で専門医と認定しており、しかし認定の基準が各学会によって異なるため、医師の質を担保できないという問題がありました。新専門医制度では、日本専門医機構を第三者機関として設立し、専門医になるために必要な専門研修プログラムの認定を行うことで、基準の標準化を図っています。

新専門医制度とは?

新専門医制度に基づいて作成した専門研修プログラムは、基本領域およびサブスペシャルティ領域の2段階で構成されているのが特徴です。

次の段階であるサブスペシャルティ領域で専門医としての資格を得るには、前段階である基本領域で先に専門医の資格取得を目指さなければいけません。なお、サブスペシャルティ領域には24の診療科がありますが、その中に精神科は含まれていません。

新専門医制度についてはこちらで詳しく解説しております。
https://medrt.com/doctor/contents/3268

シーリング制度について

医師の質の担保を目的として始まった新専門医制度では、これまで抱えていた問題を解消できた一方で、新たな課題も生じています。課題の一つが専門研修プログラムに応じられる病院の減少です。

新専門医制度は、従来の専門医認定と比べると認定基準が厳しくなったことで、専門研修プログラムに応じられる病院が少なくなり、その分一部の診療科や地域に人が集中しました。これまで地域や診療科によって医師の偏りが懸念されてきましたが、ますます助長される可能性が考えられます。

新たに生じたこの課題を解決すべく定められたのが、シーリング制度です。シーリング制度は、都道府県や診療科によって、採用する医師の人数に上限を設けた制度です。
シーリング制度は、2020年から実施が始まり、精神科を含む13の診療科に採用する医師の人数に上限が設けられています。制度の内容は、極端に採用数を制限するものではありません。
採用数の一部を連携プログラムとして、研修の半分以上を上限が設けられていない都道府県で行います。さらに、連携プログラムの上限5%を、研修の半分以上を医師が極端に足りていない地域で実施します。

実施から数年経ったシーリング制度ですが、今の段階では変更はありません。
ただし、日本専門医機構が定めた各都道府県や診療科における医師の必要数は、必ずしも実際の現場に基づいていないとされています。そのため、近年ではシーリング制度の見直しも検討されています。

 

精神科の後期研修では適切な専門研修プログラムを選ぶことが大切

初期研修を受けてから2年間のローテーションが終わると、3年目からは専攻医(後期研修医)となり、大学医局や病院医局などに入るのが一般的です。

一方で、初期研修が終わった段階で直接就職したり、独自のキャリアを選んだりと、近年ではその後の道を自由に選ぶケースも珍しくありません。

どういった道を選ぶかは人それぞれの判断によりますが、精神科医として患者から信頼される診察力を身に付けるには、何よりも経験が重要です。精神科医として堅実にキャリアを積んでいきたい場合は、専攻医(後期研修医)としてより高度な医療知識。技術を身に着けることがおすすめです。

専攻医になるには、初期研修を受けて2年間のローテーションを終えたのち、日本専門医機構が定める病院が実施する専門研修プラグラムに応募し、合格することが必要です。
専門研修プログラムの期間は、およそ3〜5年です。初期研修よりも研修期間は長くなるため、今後のキャリアやライフプランを十分に考えた上で選ぶ必要があります。

適切な専門研修プログラムを選ぶポイント

専門研修プログラムの選択は、今後の医師人生を大きく左右する要素の一つです。十分に検討した上で応募先を選びましょう。もし、今の段階で自分の将来のビジョンがある程度はっきりしているのであれば、今後経験を積みたい分野についての症例がある病院を探すと良いでしょう。

また、参考にしたい先輩医師がその病院に勤務しているか、研修を終えた後の就職先をどこにするかについても確認することもおすすめです。
加えて、病院の規模や給与、専攻医の募集人数など、その他自分が気になるこだわりの条件についても併せて確認しましょう。

専門研修プログラムを受けるまでの流れ

専門研修プログラムを実際に受けるまでの流れをご紹介します。締め切りなどの注意事項もあるため、事前に大まかな流れを把握しておきましょう。

1.専攻医として登録する

専門研修プログラムを受けるには、まず日本専門医機構で専攻医として登録する必要があります。専攻医としての登録は、日本専門医機構の公式サイト、あるいは希望している専攻の学会の公式サイトから行えます。
登録するには、専攻医の基本情報となる以下の項目の入力が必要です。

  • 自分の名前
  • 生まれ年
  • 性別
  • 医籍登録番号および登録年
  • すでに修了した臨床研修プログラムおよび修了した年月日
  • 自分のメールアドレス
  • 今希望する専攻の診療領域

2.研修プログラムを選ぶ

専攻医としての登録が完了したら、自分がこれから受ける研修プログラムを選びます。専攻医登録サイトでは、さまざまな研修プログラムが詳細に掲載されているため、よく確認した上で研修先を選びましょう。

また、研修プログラムを選ぶ際は、シーリング制度についても確認が必要です。精神科はシーリング制度の対象に含まれているため、制度について詳しく確認しておくことをおすすめします。

3.一次募集に応募する

専攻医として登録してから研修プログラムの応募が締め切られるまで、2週間あります。2週間で、研修プログラムの確認や研修先の見学は済ませましょう。その中で、一次募集を決めます。
専攻医の研修プログラムは、複数応募が認められていません。加えて、第三者が間に入ってマッチングを行ってくれた初期研修とは異なり、専攻医は自分で応募先を決めます。

4.面接を受ける

応募すると、それぞれの研修プログラムを担当する責任者から案内が届くため、それに従い面接などを受けます。

5.結果の通知を受け取る

面接などを済ますと、選考が実施され、その後応募先から結果の通知が届きます。

もし合格したのであれば、選考の結果として採用通知を受け取れます。併せて受け取った指示に従い、研修の準備をしましょう。
募集に落ちてしまった場合、諦めず二次募集に応募します。二次募集の内容も、一次募集とは変わりません。

 

精神科医の4つの働き方

精神科の後期研修について考える際、あらかじめ確認しておきたいのが働き方の実情です。実際に精神科医として働く場合、以下4つの働き方が考えられます。

  • 外来:クリニックで外来患者を診療する
  • 入院管理:病院で入院している患者の治療管理を行う
  • 往診:患者のもとへこちら側から伺い診療する
  • 産業医:企業でメンタル疾患の社員対応などを行う

外来

精神科の入院管理は、患者の安全を確保しながら適切な治療を提供するために、多職種が連携して行う重要な業務です。患者の状態を評価し入院の必要性を判断したり、看護師、精神保健福祉ど協力し、患者ごとの治療方針を決定します。

患者の行動を観察し、必要に応じて行動制限を行うこともある為、患者の権利を尊重しながら適切な医療を提供するために、慎重な対応が求められる分野といえます。

往診

精神科の産業医は、企業内で従業員のメンタルヘルスを支援し、職場環境の改善に貢献する役割を担います。精神疾患による休職者の復職支援を行い、スムーズな職場復帰をサポートしたり、必要に応じてストレス対策やメンタルヘルスの重要性について、従業員向けの研修や講習を実施します。
特に、ストレス管理や精神疾患の予防に関する助言を行うことが重要です。

 

精神科医は後期研修の研修先を慎重に探すことが重要

ストレス社会といわれる現代において、精神科医が求められるフィールドは以前よりも広くなっています。求められている職業だからこそ、自分の働き方についても慎重に考えなければいけません。

特に、初期研修を終えた後に受ける後期研修は、今後のキャリアに大きく影響する重要な選択です。研修先となる病院に、自分にとって参考になる先輩医師はいるか、これから学びたい分野の症例があるかなど、細かく調べましょう。研修先が一次募集で決まらなかったとしても、諦める必要はありません。くじけず、再度調べ直して二次募集に挑みましょう。

MRTは、常勤求人に限らず、定期非常勤やスポットといったアルバイト求人も紹介しております。精神科の求人も多数掲載されており、専攻医の先生方もMRTを通して多く活躍されております。ご勤務をお探しの際は、是非ご活用くださいませ。

医師の転職(常勤)求人を探す 

医師のアルバイト・スポットバイト求人を探す

<医師アルバイト・転職(常勤)求人はこちら>

医師のアルバイト・スポットバイト求人一覧
医師のアルバイト・バイト(定期非常勤)求人一覧
医師の転職(常勤)求人一覧

<MRTアプリ「MRTWORK」>

「お気に入り機能」「求人閲覧履歴」「地図検索」など、WEBよりも医師アルバイト求人検索が簡単に!
ダウンロードはこちら

<LINEで医師アルバイト・転職(常勤)求人を受け取る>

MRT公式LINEでは最新の医師アルバイト(スポット/定期非常勤)求人と転職(常勤)求人を配信中!
友だち追加はこちら

最新記事

会員登録(無料)ログイン