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【座談会】医局に所属しない選択肢はあり?非医局医師3名が語るメリット・デメリットとキャリア形成のポイント(前編)

更新日: 2026/03/27
【座談会】医局に所属しない選択肢はあり?非医局医師3名が語るメリット・デメリットとキャリア形成のポイント(前編)

医局。医師としてのキャリアを考える中で、一度は意識し、向き合う存在ではないでしょうか。どの診療科に進むかと同じように、医局に所属するかどうか、どの医局を選ぶかは医師人生を大きく左右する選択のひとつです。

今回は、そうした選択の中で、「医局に所属しない」という道を選び、キャリアを築いてきた医師3名にお集まりいただきました。ご参加いただいたのは、専門医制度開始世代、臨床研修医制度開始世代など、それぞれ制度の大きな転換期に決断をされた、異なる3世代の先生方です。

前編は、医局に所属しない選択をした理由や実際の働き方について、座談会形式でお届けします。

参加者紹介
fax:医師10年目の男性医師。精神科。初期研修終了後、医局には入らず、九州の精神科単科病院に入職。資格を取得後、別の病院に転職し、現在はメンタルクリニックで勤務。
資格:精神科専門医、精神保健指定医。
じぇす:医師14年目の女性医師。消化器内科。関東の総合病院で勤務医として勤務。
東北の研修病院で5年間働いた後、6年目で大学院に入学し、入局。大学院卒後、医師10~12年目の3年間、関連病院で勤務し、脱局。13年目から現在の病院で勤務。
資格:認定内科医、消化器病学会指導医、消化器内視鏡学会専門医。
S.Dai:医師20年目の男性医師。消化器内科。初期・後期研修を経て、内科一般の公立病院で勤務。その後、急性期病院で専門医を取得し、現在は東京の病院勤務。大学病院、医局には全く関わらずに過ごしてきた。
資格:内科認定医・専門医、消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医、プライマリーケア学会認定医。

 

なぜ医局に所属しない道を選んだのか?

――まずは、先生方が入局しない選択をされた理由、経緯を教えてください。

fax:私の地域では、2年間の初期研修後、入局という流れが大多数でした。学生時代は内科を希望していたので、初期研修後はどこかの内科に入局かなと漠然と考えていました。
ところが初期研修で色々な科を回るうちに学生時代のイメージと実際は異なることを実感しました。

学生時代に内科で興味を持った疾患は、時間をかけて治療方針を検討するような慢性疾患でした。しかし、研修先の市中病院では急性疾患が主で緊急の対応が多く、自分が経験したい症例は実臨床では出会う機会が非常に少ないものであると分かりました。

そのようなこともあり進路で悩む中、精神科単科病院での1ヶ月間の精神科研修がありました。そこで精神科臨床に特に興味を持ったことと、そこで勤務されていた先生の勧誘もあり、直接その病院に就職する流れになりました。ちょうど新専門医制度が始まった年で、精神科単科病院が基幹病院となっている専門医プログラムに入りました。

私の地域では精神科の大きな単科病院がいくつかあり、症例数や資格の取りやすさなど、大学病院よりも有利な点が多かったことからも入局しないことを選びました。

研修同期でも入局しなかったのは自分だけだったので迷いはありましたが、母校の入局説明会の雰囲気があまりよくなかったことや、研修した単科病院の雰囲気がよく、そこの先輩医師達と一緒に働きたいと感じたことが決め手となりました。

 

――じぇす先生は脱局されていますがどのような経緯があったのでしょうか?

じぇす:私の大学のメジャー科では、研修病院で3~4年働いて臨床能力を身につけた後に入局するのが一般的でした。入局するとすぐに関連病院のバイト(半日〜1日が主)に回されるので、消化器内科であれば内視鏡などの実務ができないと話にならないという点が大きいかと思います。

私が医師になった頃の母校の帰学率(大学院、医局に戻ってくる割合)は6~7割ほどと言われていました。

私は医局には興味はなく、大学院に入りたかったんですよね。田舎の病院で研修をしたおかげでたくさん内視鏡をさせてもらいましたが、自分に学が無さすぎました。そしていざ大学院に入ってみると、最初の書類に「入局の書類」が紛れ込んでおり、説明は特にありませんでした。

大学院=入局であることは先輩達に事前に説明を受けていましたが、流石に心の中で笑いが止まりませんでした。「断ったら干されるのでは」と思い黙ってサインしました。
大学院生活は辛いことも多々ありましたが、楽しかったです。もう1回はやりたくないですが。

私は医局、というか医局に関連した諸先輩方、同輩、後輩達が好きでしたので、なんとなくそのまま御礼奉公して、どこか田舎の病院で科長になるのだと思っていました。
ただ、院卒後の赴任先でトラブルがあって、医局を離れたいなと思った次第です。かなり苦労したので、「疲れました、辞めさせてください」と言っても咎められることはありませんでした。

 

ーー医局を離れることに不安はありませんでしたか?

当時は医師12年目で、自身の取得したい消化器病専門医、消化器内視鏡専門医は取得済みでした。専門医、医学博士のキャリア形成過程も含めて一般的な経過であり、社会的信用性については不安はありませんでした。
消化器内視鏡医として十分という意味ではなく、給与に見合う仕事はできる、という意味での実臨床での実力、客観的な資格、経歴も含めて大きな不安はありませんでした。

 

ーーS.Dai先生はなぜ入局しなかったのですか?

S.Dai:私は臨床研修医制度がはじまり2年目の代です。大学病院離れが、目立つ年代だったと思います。大学病院以外の初期研修が選択できるようになりましたが、一つ上の代では、まだまだ大学病院を選択する人が半数以上でした。
自分達の代は、せっかく外の病院に行けるのだから、行かないともったいないという気運が高く、8割が大学以外を選択しました。
ただ、この時はまだ全般的には初期研修は外の病院でも、その後は大学医局という選択を考えている人が多かった印象です。

自分自身は、基本的に総合診療ができつつ、専門一つという目標で、総合診療を中心に考えていたので、大学病院・医局ではなかなか難しいのかな、と考えておりました。
ただ、臨床研修医制度ができる前の時は大学医局にいかないこと自体がとても稀なことであったので、どうしたものかとも思っていました。

そんな折、この制度が始まったことで、大学医局に関わらなくてもやっていける道ができて、自分にとっては選択肢が広がりました。
そもそも、大学医局の雰囲気が好きではなかったのもあったので、この制度ができたことは、自分にとってはよかったです。

 

医局に所属しない働き方とは?

――次は、医局に所属しない働き方について、具体的にお聞きできればと思います。じぇす先生は、医局に所属しない環境で働いてみて、どんな変化がありましたか?

じぇす一番大きな変化は教授の顔色をうかがわなくてよくなったことですね。医局を辞めた理由でもあります。
お世話になった医局には感謝をしていますし、教授に文句を言いたい訳ではありません。ただ、「教授は研究者として優れていても、管理職として優れているわけではないのだな」という当たり前のことを感じました。
もう少し一般的な話にも触れると、医局員、非医局員の違いでもある「非常勤バイト」の環境が変わりました。

私の医局時代の非常勤バイトの多くは医局から割り振られましたが、民間業者で募集している案件より給与や条件がよかったです。融通も効きますしね。
一方で、今の関東の病院で若手に聞いてみると、「研究日に割り当てられたバイトの割が悪い」という辛い話もありますので、医局によりそれぞれのようです。

あとは人間関係ですかね。医局で派遣された先の病院では、1学年でも違えばどちらが先輩後輩であるかはっきりしていました。部活みたいな感じと言えばいいでしょうか。息苦しいものではありませんが、苦手な人は苦手かも知れません。
今の職場(非医局)でも先輩後輩はありますが、出自がまちまちの集団ですので、いい意味で少しドライであったり、後輩相手にも対応が気持ち丁寧になったりします。

 

ーーS.Dai先生は医局に入らない働き方についてどのように感じましたか?

S.Dai医局に行った人たちと比べると自由な感じがしました。

私は後期研修も、まだ専門に行く気はなく、内科以外の経験もできるところを自分で探し、専門医を取る為の急性期病院も、自分で探しました。
自分で一から探す負担はありますが、その分自由度は高く選択肢も多かったように感じます。

あとは、後期研修医としている自分と、各科の医員としている同期とでは、病院内の立ち位置が違っていましたね。

医局に行った人たちは、外部の市中病院に派遣で行ったとき、その専門科の一員として、活動していました。
医師年数は一緒でも、医局派遣で来ているだけで、スタッフ扱いされていたので、はじめはどう対応したらよいか困っていた同期もいました。

一方後期研修の自分は、あくまで研修だった扱いなので、自由な感じでしたね。

自分の場合は、内科以外のローテーションの時でも、内視鏡の練習をさせてもらったりしていました。自由な分、自分から動く必要はありますが。
医局派遣の人は、とりあえず自分の領域を最低限こなしていくというのに必死だったと思います。

 

ーーfax先生はいかがでしょうか?

fax精神科だけでなく慢性疾患や経過が長い疾患を扱う科では共通していることかもしれませんが、数か月、年単位で治療、経過を見ていく必要があることも多い中、医局に所属してしまうと、特に若手の内は半年~1年で異動となることが多いため、一貫した治療が経験しづらい部分があるのではと感じました。

私がいた病院では、医局派遣の先生は少数派ということや、1年で異動になってしまうことなどから、特に年度末にかけてあまり入院患者を振ってもらえないなど不利な点が見られました。
私は専攻医という立場ではありましたが、その病院の一員として1人の患者さんを長期に渡り治療していく前提で指導を受けました。大変ではありましたが、その分成長できたのではと感じます。

ただ、当初のイメージと違ったのは、待遇は医局から派遣先の病院に対して年次によってこの金額を、と要請があったみたいで、一律決まっていたみたいでした。そのため同年次の私たちより給与が高いことが分かり、「仕事量は少ないのに」と若干もやもやした記憶があります。

プライベート面では、強制的な異動がないことで、突然の転居や年収の変動などを心配せず家族と過ごすことができたのもよかったかなと思います。
もちろん、若いうちに色んな土地での生活を経験するという人生もそれはそれで楽しいと思いますが、子供のことを考えると、学校なども含めてある程度同じ土地で生活できる方がいいのかなと個人的には考えていたので。

 

医局に所属していない医師はどうやって勤務先を探す?

――これまで複数の病院で勤務されてきた先生方は、どのようにして就職先を探しましたか?

S.Dai:専門医目的も兼ねての出戻りは、内情がわかっている初期研修先のところに就職したため、転職エージェントは使わずにやりました。その後の転職を2回しましたが、その時はエージェントを使って紹介してもらいました。専門医も取ったし、急性期の仕事量が、諸事情で難しくなってきていたので、仕事条件のすり合わせも必要だったためです。時代的にも、転職サイトが多く出始めてきた時期ですね。

エージェントを使って良かった点は、自分の希望条件(仕事内容や休み、勤務時間など)にそって、自分の知らない病院の情報もまとめて入手できるところが一番でしたね。
希望の病院があれば、そこの情報も教えてくれたりもしました。
また病院だけでなく、クリニックなど、自分では具体的に考えてなかった選択肢を提供してくれることもあります。

当時は、病院を変えるにも自分で直接交渉するか、医師の知り合いのつてを使うぐらいしかない状況だったと思います。
医局であれば、人数も医局関連でも選択肢があると思いますが、医局に属してない自分にとっては、エージェント利用はありがたい存在でした。

じぇす:私は東北の医局を抜けて、エージェント経由で関東の病院に就職しました。全く縁のない土地の転職だったのもありますが、労働条件・面接日程や書類など、働きながら複数の医療機関と交渉するのは大変だと感じたためです。内視鏡の経験を積みたかったですし、人間関係の騒音には懲り懲りでしたので、内視鏡件数も消化器内科医師数も多い病院を探して就職しました。

fax:私はやはり医局がない分、非常勤バイトのつてが全くなかったので、最初は当直バイトを探すためにエージェントを利用しました。急に予定が合わなくなった際も代わりの医師の派遣も含めてエージェントが病院とのやり取りをしてくれたので助かりました。
その後、資格取得してから常勤の転職でも利用しました。現在のクリニックは以前勤めていた先生からのお誘いで転職しました。

 

前編まとめ

前編では、医局に所属しない選択をした理由や経緯、非医局医師の実際の働き方についてお話しいただきました。
非医局医師は医局人事による異動がない分、同じ病院で経験を積める一方、就職先選びや情報収集を自ら行う必要がある点が、特徴として挙げられました。
後編では、こうした働き方のメリット・デメリットや、キャリア形成における現実について具体的に掘り下げていきます。

▼後編はこちら
【座談会】医局に所属しない選択肢はあり?非医局医師3名が語るメリット・デメリットとキャリア形成のポイント(後編)

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