一般的に転職の回数が多ければ面接の際に悪い印象をもたれる可能性があります。しかし医師は他の職業と比べて、転職回数が比較的多いと言われており、転職回数が多いからといって、面接官に悪い印象を与えるとは限らないようです。
本記事では、医師の転職回数の傾向と転職回数が多い医師の印象、医師の転職理由や転職を検討したほうがよい医師の特徴について解説します。
令和2年の医師・歯科医師・薬剤師統計によると、医師の平均年齢は病院に従事する医師が45.1歳、診療所に従事する医師が60.2歳と発表されています。(※)一般労働者の平均年齢は43.4歳(※)なので医師の平均年齢は比較的高く、医師として長く働き続ける人が多いことがわかります。また、医師が病院を移ったり開業したりするのはごく一般的なことで、医師が転職する機会は少なくありません。
医師の場合、一部の都心部を除いて慢性的に人材が不足しているため、転職先に困らないのも転職回数が多くなる一因です。また、スポット求人などの医師のアルバイトも豊富なため、万が一再就職先が見つからない状態で退職しても生活に困る心配はほぼないでしょう。
売り手市場が続いているため、待遇などに不満があったりスキルアップを目指したい場合でも、一般労働者以上に新しい転職先は見つけやすいでしょう。
※厚生労働省.「令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」.https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/20/dl/R02_kekka-1.pdf,(参照日時2023-02-17)
※厚生労働省.「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」.https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/dl/13.pdf,(参照日時2023-02-17)
外来診療や稀な症例の手術などを行う一方、臨床データを集めて学会での発表なども行うのが大学病院勤務の医師の仕事です。
講師や准教授、教授などの序列型で賃金が決定するものの、給料や手当は優遇されています。大学病院の場合、上昇志向が強ければ見合ったポジションにつけたり最新の研究が行えることがあるため、一度も転職せずに定年を迎える医師も少なくありません。
しかし、複雑な人間関係や人事異動での頻繁な転勤、激務で拘束時間が長いなどの理由から医局を抜けて民間病院に転職する医師もいます。
民間病院は地域密着型の医療の提供が目的となるため、大規模な手術などは行わない一方、医師には臨機応変な対応力と現場経験が求められます。また、非営利ではあるものの法人経営のため、病院により待遇や給与が大きく異なる点も特徴です。
民間病院の場合、転勤や異動がない点がメリットです。しかし、医師がより良い待遇の病院に移ることや経験を積んで開業することもあるため、転職回数は多い傾向にあります。
転職を考える要因は個人により異なりますが医師の場合、一般的には以下が代表的な理由として挙げられます。
先述のとおり、医師の転職は珍しくないとされています。会社員の場合、転職回数が多いと長続きしない、忍耐力がないなど、採用側の印象が悪いことがありますが、医師であれば当てはまりません。
理由として医師は売り手市場が続いており、転職回数の多寡のみで不利に働くとはいいづらいためです。また、医師は職業上、多くの症例を経験するために転職を選ぶこともあります。民間病院であれば、採用側も医師の転職回数の多さは承知しているでしょう。
そのため、医師の採用時は転職回数の多さよりも専門医などの資格はあるか、転職によりどのような経験を積んだかなど、スキルや経験のほうが重要視される傾向にあります。
転職回数を重視する病院の面接であれば、転職をした理由を明確にしておきましょう。例えば、スキルアップのためなどのポジティブな理由や、家族の介護や出産などのやむを得ない理由があれば納得されやすくなるでしょう。
とはいえ、医師の転職回数が以下のように極端に多い場合、採用側が警戒する恐れがあります。
医師の転職回数が多いのは一般的とはいえ、短期間のうちに転職されると病院側の採用コストを圧迫する結果となります。もちろん、経験を積んで長く勤めてほしいと考える病院も多いでしょう。
そのため、あまりにも転職回数が多いと採用しても長く勤めてもらえないのではないかと採用側の不安要素となってしまい、採用を見送られる可能性は否めません。
転職回数が極端に多い医師は、転職理由が明確であることが望ましいです。また、転職回数の多さをごまかさずに、それぞれポジティブな理由をつけられるとよいでしょう。
医師の転職回数が多いからといって、転職で不利になることはほぼありません。しかし、転職を繰り返すと退職金が少なくなったり自身のキャリアをまとめる手間がかかったりするため、それぞれ事前に対策をしておくとよいでしょう。
医師は給与水準が高く設定されているため、退職金はそれほど高額ではありません。なお、民間病院よりも大学病院のほうが退職金制度は整っており、民間病院ではそもそも退職金規定がないケースもあります。
退職金は在籍した年数により金額が決定します。そのため、転職を繰り返していると、退職金が極端に少なくなる恐れがあるため注意しましょう。
再就職時は勤務先の退職金規定を確認するだけでなく、資産運用などにより自分で老後資金の準備を進めるのも大切です。
履歴書や職務経歴書は転職回数が多ければ、それだけ記入する内容も多くなります。特に、過去の勤務内容などは時間がたつにつれ記憶も曖昧になりがちです。
転職が多い医師は、それぞれの病院の入社・退職年月日、勤務内容をまとめておくと転職時の書類作成がスムーズに進みます。
医師は転職回数が多くても不利になりづらいとはいえ、無計画に転職するのはおすすめできません。ただし、以下の状況に該当する医師は、転職を前向きに検討したほうがよいでしょう。
特に心身に影響が出ている場合、一度仕事から離れて健康を取り戻す方が大切です。また、開業などの将来のキャリアプランが明確であれば、スキルアップのためにも転職を活用しましょう。
特に業務内容や給与などは転職前の確認により、就職後の不一致の防止に役立ちます。専門外の患者の対応は必要か、オンコールはあるか、事務業務は効率化されているかなどを確認すればどの程度業務が多忙か判断できるでしょう。
医師の場合、転職回数が多いからといって採用時の印象が必ずしも悪くなるとは限りません。そのため、キャリアプランやライフプランを見据えた上で、転職しやすい環境を活用し、給与アップやスキルアップに繋げるのがおすすめです。
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