オンライン資格確認とは?メリットや罰則を紹介

目次
- オンライン資格確認とは?
- 「経済財政運営と改革の基本方針 2022」の概要
- オンライン資格確認の流れ
- オンライン資格確認の導入時の「やむを得ない事情」の例
- オンライン資格確認を導入しなかった場合の罰則
- オンライン資格確認導入でできる2つのこと
- 1. 受付業務が便利に
- 2. データに基づいた診療が可能に
- オンライン資格確認の3つのメリット
- 1. 資格過誤によるレセプト返戻の作業削減
- 2. 来院・来局前に事前確認できる一括照会
- 3. 診察券としての利用
- オンライン資格確認の仕組みを知り、2023年4月までに運用イメージを確認しよう
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オンライン資格確認は、マイナンバーカードを活用し患者の医療保険などの資格情報を読み取る仕組みです。2023年4月より、一部の病院を除いてオンライン資格確認の導入が義務化されます。オンライン資格確認の概要を知り、運用方法を確認しましょう。
2023年4月より、オンライン資格確認(マイナンバーカードの保険証利用)の導入が原則として義務化されます。
オンライン資格確認を導入すれば、窓口の受付業務が簡略化され業務効率化につながります。またマイナンバーカードを用いて診療情報を読み取り、データに基づいた医療を実現可能です。
本記事では、オンライン資格確認のポイント、オンライン資格確認の導入で変わること、オンライン資格確認を導入するメリットをわかりやすく解説します。
オンライン資格確認とは?
2022年6月7日に「経済財政運営と改革の基本方針 2022」が閣議決定され、オンライン資格確認の導入が原則義務化されました。そのため、2023年4月より一部の医療機関を除いてオンライン資格確認の導入が原則として義務化されます。
オンライン資格確認は、2021年10月に運用がスタートした仕組みです。マイナンバーカードを保険証として利用することで、患者が加入している医療保険などの資格情報をオンラインで確認できるようになります。
ここでは「経済財政運営と改革の基本方針 2022」の概要、オンライン資格確認の流れ、オンライン資格確認を導入しなかった場合の罰則を簡単に解説いたします。
「経済財政運営と改革の基本方針 2022」の概要
オンライン資格確認は、マイナンバーカードを保険証として利用し、窓口業務を簡略化する仕組みです。
2022年6月7日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針 2022」では、マイナンバーカードの普及および利用を推進し、健康保険証の原則廃止を目指しています。「経済財政運営と改革の基本方針 2022」のポイントは3つあります。
- 2023年4月よりオンライン資格確認の原則義務化
- 2024年度中をめどに健康保険証の原則廃止
- スマートフォンに対応したオンライン資格確認の仕組みの検討
政府はオンライン資格確認を導入する目的を「診療時における確実な本人確認と保険資格確認を可能とし、医療保険事務の効率化や患者の利便性の向上等を図るため」としています。(※)
また、オンライン資格確認の導入義務化を推進するため、保険医療機関および保険医療養担当規則(療担規則)の改正が行われました。
※出典:厚生労働省.「『経済財政運営と改革の基本方針2022』『新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画』及び『規制改革実施計画』等について(保険局関係)」 https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000977520.pdf
オンライン資格確認の流れ
オンライン資格確認の導入によって、受付窓口での手続きはどのように変わるのでしょうか。オンライン資格確認の流れは以下のとおりです。確認してみましょう。
- 患者がマイナンバーカードを提示し、受付窓口のカードリーダーに置く
- 顔認証付きカードリーダーか、職員の目視によって本人確認を行う
- マイナンバーカードのICチップに格納された電子証明書を読み取る
- オンライン資格確認などシステムを通じて、患者の資格情報(加入している医療保険など)や診療情報を取得する
患者の資格情報や診療情報は、政府が提供するマイナポータルからいつでも確認できます。
なおオンライン資格確認はマイナンバーカードで行うことが推奨されていますが、従来どおり健康保険証や処方箋でも資格情報を確認できます。ただし、特定健診情報などの一部情報は、マイナンバーカードでしか確認できないことに注意が必要です。
オンライン資格確認の導入時の「やむを得ない事情」の例
前述のとおり、オンライン資格確認は2023年4月より原則義務化されます。ただし、中央社会保険医療協議会(中医協)により、やむを得ない事情がある場合は期限付きの経過措置が認められています。
以下の表は、オンライン資格確認の導入時に想定される「やむを得ない事情」の例をまとめたものです。(※)
やむを得ない事情 | 経過措置の期限 |
2023年2月末までにベンダーとの契約締結が完了したが、導入に必要なシステム整備が未完了の場合 | システム整備が完了する日まで (遅くとも2023年9月末まで) |
オンライン資格確認等システムに接続可能な光回線のネットワーク環境が整備されていない場合 | 光回線のネットワークが整備されてから6カ月後まで |
改築工事を行っており、臨時施設で医療を提供している場合 | 改築工事が完了するまで 臨時施設が終了するまで |
例えばオンライン資格確認の導入に必要なシステム整備が完了していない場合や、光回線のネットワーク環境が整備されていない場合、最大6カ月間の時間的猶予が与えられます。
※出典:厚生労働省.「令和5年4月からオンライン資格確認導入が原則として義務付けられます」 https://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/post-21.html
オンライン資格確認を導入しなかった場合の罰則
2023年4月までにオンライン資格確認を導入しなかった場合、罰則は科されるのでしょうか。厚生労働省が作成したQ&Aでは、オンライン資格確認を導入しなかった場合は、療担規則違反となるものの、罰則は個別具体的に判断すると説明しています。(※)
”オンライン資格確認の導入を原則義務とすることについては、保険医療機関及び保険医療養担当規則(いわゆる療担規則)等において規定されており、令和5年4月1日より施行されます。療担規則は保険医療機関・薬局の責務を規定するものですので、遵守されていない場合には、まずは、地方厚生(支)局による懇切丁寧な指導などが行われることとなりますが、具体的には個別事案ごとに適宜判断することとなります。”
厚生労働省:令和5年4月からオンライン資格確認導入が原則として義務付けられますhttps://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/post-21.html
ただし、地方厚生局による指導が行われるため、早い段階からオンライン資格確認の導入に向けて取り組むことが大切です。
※ 厚生労働省.「令和5年4月からオンライン資格確認導入が原則として義務付けられます」 https://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/post-21.html
オンライン資格確認導入でできる2つのこと
マイナンバーカードによるオンライン資格確認を導入することで、医療現場はどのように変化するのでしょうか。
厚生労働省のパンフレットでは、オンライン資格確認導入でできることとして、「受付業務が便利に」「データに基づいた診療が可能に」の2点を挙げています。(※)
※出典:厚生労働省.「オンライン資格確認導入でできること」https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/000912435.pdf
1. 受付業務が便利に
オンライン資格確認の導入により、患者の健康保険証の資格をその場で確認できるようになります。
従来の手順では、患者の健康保険証を受け取り保険者番号や生年月日などをレセプトコンピューターに入力する手間がかかりました。繁忙期で受付窓口が混雑すると、患者を待合スペースで待たせてしまうケースもあり、患者の不満の原因のひとつとなっていました。
オンライン資格確認を導入すれば、マイナンバーカードのICチップを読み取るだけで資格確認が完了するため、受付業務がもっと便利になります。
2. データに基づいた診療が可能に
オンライン資格確認を導入することで、データに基づいた診療を実現できます。
マイナンバーカードで確認できるのは、患者の保険資格だけではありません。オンライン資格確認などシステムをとおして、患者の診療情報、薬剤情報、特定健診などの情報をその場で把握できるのです。(※)
薬剤情報の閲覧 | レセプト(医科・歯科・調剤・DPC)から抽出し、3年間分の薬剤情報が閲覧可能 |
特定健診等情報の閲覧 | 令和2年度分から順次登録された5年間分の情報が閲覧可能 |
ほかの医療機関を受信した患者の診療情報も取得できるため、治療や診断に生かすことができます。ただし、これは閲覧に同意があった場合のみです。
また、必要な情報をオンライン資格確認をとおして取得することにより、患者の問診の際の負担を軽減できます。
※出典:厚生労働省.「オンライン資格確認導入でできること」https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/000912435.pdf
オンライン資格確認の3つのメリット
厚生労働省は、医療機関がオンライン資格確認を導入するメリットを3つ挙げています。(※)
- 資格過誤によるレセプト返戻の作業削減
- 来院・来局前に事前確認できる一括照会
- 診察券としての利用
オンライン資格確認を導入し、患者の資格情報とレセプトコンピューターを連携することで窓口業務を効率化できます。患者が来院する前に保険資格を確認したり、マイナンバーカードを診察券として利用したりできるため、患者側の利便性も高まります。
※出典:厚生労働省「オンライン資格確認の導入で事務コストの削減とより良い医療の提供を~データヘルスの基盤として~」https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/000663427.pdf
1. 資格過誤によるレセプト返戻の作業削減
オンライン資格確認の導入により、レセプト返戻を減らすことができます。レセプト返戻とは、患者の資格情報が明らかでないままレセプトを請求してしまい、再申請が求められることを指します。
レセプト返戻が発生した場合、レセプト請求をやり直す手間がかかるだけでなく、再申請できなかった場合に未収金が生じる可能性があります。オンライン資格確認を導入すれば、患者の保険資格をその場で把握できるため、資格過誤によるレセプト返戻の発生リスクを軽減できます。
2. 来院・来局前に事前確認できる一括照会
オンライン資格確認を導入すれば、患者が来院・来局する前に資格情報を一括照会することも可能です。予約を行った患者の保険者番号などを確認し、一括照会を行うことで、来院予定の患者が保険資格を喪失していないかどうかを事前に確認できます。
3. 診察券としての利用
マイナンバーカードは保険証としてだけでなく、診察券の代わりに利用することも可能です。従来の手順では、患者が窓口で健康保険証と診察券の両方を提示し、受付を行っていました。
しかしオンライン資格確認を導入すれば、マイナンバーカードをICリーダーで読み取るだけでスムーズに受付業務が完了します。病院側の業務負担が軽減されるだけでなく、患者側側もメリットを得られるのがオンライン資格確認です。
ただしマイナンバーカードを診察券として用いるためには、医事会計システムなどの改修が必要です。
オンライン資格確認の仕組みを知り、2023年4月までに運用イメージを確認しよう
2023年4月より、マイナンバーカードを保険証として利用する「オンライン資格確認」が原則義務化されます。オンライン資格確認の導入により、受付業務の簡略化やデータに基づいた診療の導入など、医療現場は大きく変わります。オンライン資格確認の仕組みを知り、2023年4月までに運用イメージをつかんでおきましょう。
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