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医員とは?医師のキャリアを左右する医員というフェーズの役割と働き方、転職の可能性を徹底解説

更新日: 2025/10/07
医員とは?医師のキャリアを左右する医員というフェーズの役割と働き方、転職の可能性を徹底解説
医師としてキャリアを積み重ねる中で、「医員」という肩書きを目にする機会は少なくありません。ただ、その定義や役割、そして自身のキャリアにどう関わってくるのかを、明確に理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。

本記事では、医師向けの人材紹介サービス(転職・アルバイト紹介)を提供するMRTが、「医員とは何か」という基本的な内容から、その役割や働き方、そしてキャリア形成における重要性までを、丁寧に解説していきます。

特に、医師の働き方改革や新専門医制度といった最新の動向を踏まえながら、医員として働く中で直面する課題や、それを乗り越えるための具体的な方法、そして転職という選択肢についても深掘りしていきます。医員としてキャリアアップを目指したい方や、働き方を見直したいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

医員とは?キャリアにおける位置づけと役割

「医員」とは「研修を終えた一般の勤務医」を指します。一般的には、2年間の初期臨床研修を終えた後、専門医研修中または専門医資格取得後の勤務医を意味します。大学病院や総合病院などでよく使われる呼称です。
※「医員」という言葉には、法的な定義はありませんが、多くの医療機関や医局で長年使われてきた職位であり、ある程度共通した意味合いがあります。

医師のキャリアにおける医員の立ち位置

■初期臨床研修医(研修医)
医師免許取得後、まず2年間の初期臨床研修を行います。この期間中は、指導医のもとで複数の診療科をローテーションしながら、幅広い臨床経験を積み、医師としての基礎的な診療能力を身につけます。患者との接し方や診断・治療の流れを実践的に学ぶ重要なステージです。

■医員(専攻医・後期研修医)
初期研修を修了した医師は、次のステップとして特定の診療科に進み、専門医資格の取得を目指します。この段階では「専攻医」や「後期研修医」と呼ばれ、大学病院や基幹病院などで「医員」として勤務することが一般的です。医員は、専門的な知識と技術を深めながら、診療の中心的な役割を担う存在であり、医師としての専門性を確立するための重要な移行期に位置づけられます。

■助教・講師・准教授・教授
専門医資格を取得した後は、大学病院などで教育・研究に携わる道も開かれます。医員としての経験を積んだ後、助教や講師などの教育職に就き、さらに准教授・教授へとキャリアアップしていくことが可能です。これらの役職では、診療だけでなく後進の育成や医学研究にも深く関わることになります。

このように、「医員」は医師のキャリアパスの中で、初期研修医から専門医、そして指導医・教育者へと成長していく過程において、専門性を磨くための中核的なポジションを担っています。

 

「医員」という肩書きの曖昧さと多様性

「医員」という言葉が少し曖昧に感じられるのは、医療機関の規模や運営母体、さらには医局の慣習によって、その意味合いや役割が大きく異なるためです。これは、医師のキャリア形成において柔軟性と多様性が求められる現状を反映しています。

大学病院の場合

大学病院では、医員は日本専門医機構が定める専門研修プログラムに沿って研修を行う専攻医や専門医取得後の一般勤務医を指すことが一般的です。専攻医は、特定の診療科で専門性を深めながら、診療・研究・教育の三本柱に携わることが求められます。専門医資格を取得した後も、すぐに助教や助手などのポストに就くとは限らず、一定期間は医員として臨床や研究に従事するケースも多く見られます。

このように、大学病院では医員が教育・研究のキャリアパスの中間地点として機能しているのです。

市中病院の場合

一方、市中病院では大学病院ほど明確な上下関係や医局制度が存在しないこともあり、医員という肩書きがより実務的な意味合いを持つことがあります。
専門医資格を取得したばかりの若手医師が「医員」として診療を任されるケースも多く、大学病院に比べてより独立した形で診療を行う傾向があります。診療の現場で即戦力として期待されることが多く、医師としての自律性が試される場面も増えてきます。

このように、「医員」という肩書きは一律に定義できるものではなく、所属する医療機関の文化や制度によってその役割が変化します。

しかし、だからこそ医員という立場は、医師が自身の専門性を磨きながら、将来のキャリアの方向性を模索するための柔軟なステージとも言えます。肩書きの曖昧さは、働き方の多様性を示すものであり、医師としての可能性を広げる契機にもなり得るのです。

 

医員が担う役割と働き方のリアル

医員は、病院の診療を支える中心的な存在です。日々どのような業務を担い、どのような働き方をしているのか、具体的に見ていきましょう。

医員の主な役割:臨床・研究・教育の3本柱

医員の役割は、所属する医療機関や医局によって多少異なりますが、主に以下の3つの分野に分けられます。

①臨床業務

  • 外来・病棟診療:患者さんの診察、診断、治療方針の決定、処方、病棟管理など、日々の診療業務を幅広く担当します。
  • 手術・処置:外科系では手術の執刀や助手、内科系では内視鏡検査やカテーテル治療などの手技を行います。
  • 当直・オンコール:夜間や休日の救急対応、病棟患者さんの急変時の対応なども含まれます。

②研究・学会活動

  • 論文作成・発表:専門領域の研究成果をまとめ、学術誌への投稿や学会での発表を行います。
  • 学会参加:最新の知見を学び、臨床や研究に活かす機会となります。
  • 研究支援:教授や上級医の研究をサポートすることもあります。

③教育活動

  • 研修医の指導:初期臨床研修医に対して、診療の基本や手技を教える役割を担います。
  • 学生の教育:医学部学生の臨床実習や講義を担当することもあります。

特に大学病院では、臨床だけでなく研究や教育にも力を入れる必要があり、バランスの取れた働き方が求められます。

 

医員の給与水準はどのくらい?

医員の給与は、勤務先の医療機関の規模、地域、当直手当の有無、さらには医局の慣習などによって大きく異なります。特に大学病院と市中病院では、給与体系や手当の支給方法に差があるため、同じ「医員」という肩書きでも収入に大きな開きが生じることがあります。

初期研修医・専攻医の平均年収(厚労省統計より)

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、

  • 初期研修医(1年目)の平均年収は、大学病院で約307万円、市中病院で約451万円。
  • 2年目では、大学病院が約312万円、市中病院が約502万円と、病院の種類によって大きな差があります。

また、初期研修を終えた後の専攻医(後期研修医)については、経験年数1~4年の医師を対象とした統計から、平均年収は約833万円と算出されています。この金額には、基本給のほか、時間外手当や当直手当、賞与などが含まれています。

勤務医全体の平均年収

同じく厚生労働省の統計によれば、勤務医全体の平均年収は約1,436万円(平均年齢46.1歳、勤続年数8.4年)となっており、医員期を経てキャリアを積み重ねることで、収入も着実に上昇していく傾向が見られます。

医員の給与に関する課題

とはいえ、医員としての給与だけでは生活が厳しいと感じる医師も少なくありません。特に家族を持つ医師の場合、住宅ローンや教育費、将来の資金準備などが重なり、収入面での不安を抱えることもあります。専攻医の段階ではアルバイト(外勤)が可能な場合もあり、非常勤勤務を通じて収入を補うケースも増えています。

このように、医員の給与は一律ではなく、勤務先や地域、キャリアの段階によって大きく異なります。医師としての専門性を高める重要な時期である医員期には、収入と生活のバランスをどう取るかが、キャリア設計においても重要なポイントとなります。

令和5年賃金構造基本統計調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/index.html

 

医員として知っておくべき重要な2つの変化

医員として働く上で、キャリアに大きな影響を与える2つの重要な制度改革があります。それが「医師の働き方改革」と「新専門医制度」です。

1. 働き方改革と医員の労働時間

2024年4月から、医師にも時間外労働の上限規制が導入されました。これは、長時間労働が常態化していた医師の働き方を見直し、医師自身の健康を守るとともに、医療の質と安全を高めるための重要な取り組みです。

【時間外・休日労働時間の上限規制】

  • A水準:年間960時間(月平均80時間)
  • B・C水準:年間1,860時間(月平均155時間)※特定の医療機関・医師に適用される特例水準

多くの医員には、A水準の年間960時間(月80時間)の上限が適用されます。しかし、厚生労働省の調査によると、この上限をすでに超えている医師が37.8%にのぼることが明らかになっています。

<厚生労働省の調査データ>

勤務医の労働時間 割合
年間960時間以上の時間外勤務 37.8%
週60時間以上の勤務 男性医師 41%、女性医師 28%
厚生労働省「医師の勤務実態について」
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001232021.pdf

この結果は、働き方改革が始まった今もなお、多くの医員が厳しい労働環境に置かれていることを示しています。こうした課題を乗り越えるためには、タスク・シフト/シェアの推進、ICTの活用、地域医療連携の強化などが求められています。

 

2. 新専門医制度と医員というキャリア

新専門医制度は、医師の専門性を客観的に評価し、国民に質の高い医療を提供することを目的として、2018年度から導入されました。医員として専門医を目指す医師にとって、この制度はキャリア形成の基盤となります。

【新専門医制度の主なポイント】

  • 基本領域(19領域):内科、外科、小児科、整形外科など、専門医の土台となる領域。医員はこの基本領域の専門医資格取得を目指します。
  • 専攻医:初期研修を終えた後、基本領域の専門研修プログラムを履修する医師。
  • 研修プログラム:日本専門医機構が認定した研修施設群で、3年以上の専門研修を積む必要があります。

この制度により、医員は「専攻医」という明確な立場で、体系的な専門研修を受けることが可能になりました。これは将来のキャリアを見据える上で大きなメリットですが、一方で「医員」という肩書きの曖昧さがさらに複雑になっている面もあります。

 

医員としての働き方を多角的に考える|アルバイトと転職

医員がアルバイトをすることは、単なる収入面の補強にとどまらず、医師としてのスキルアップやキャリア形成においても非常に有効な手段です。特に専攻医の段階では、外勤や非常勤勤務を通じて多様な医療現場を経験することができ、将来の進路選択にも役立ちます。ただし、いくつか注意すべきポイントもあるため、計画的な働き方が求められます。

医員のアルバイト(非常勤勤務)|収入と経験両方手に入れる選択肢

医員がアルバイトをすることは、収入面の補強だけでなく、スキルアップや視野の拡大にもつながる有効な手段です。ただし、いくつか注意すべきポイントもあります。

アルバイトのメリット

■収入アップ
本務先の給与だけでは生活費や将来の資金準備に不安を感じる医師も多く、アルバイトによって安定した収入を得ることが可能です。特に当直や外来業務は時給が高く、効率的に収入を増やす手段となります。

■スキルアップ
普段の診療科とは異なる分野での診療経験や、手技の数をこなすことで、技術の向上につながります。例えば、救急外来や健診業務などは、幅広い症例に触れる機会となり、臨床力の底上げに貢献します。

■多様な経験
地域のクリニックや中小病院、健診センターなど、異なる医療現場で働くことで、医師としての視野が広がります。患者層や医療ニーズの違いを肌で感じることができ、将来的な開業や転職の参考にもなります。

アルバイトの注意点

■本務先との規定
大学病院や医局に所属している場合、アルバイトには事前の許可が必要なケースがあります。就業規則や医局のルールを必ず確認し、無断での外勤は避けましょう。

■働き方改革の影響
2024年4月以降、医師の働き方改革により、アルバイト先での労働時間も本務先と合算して管理されるようになりました。これにより、年間の労働時間上限(原則960時間)を超えないよう、勤務時間の記録と調整が重要になります。

■体力・精神的負担
本務の業務に加えてアルバイトを行うことで、心身の負担が増す可能性があります。特に当直明けの連勤や、移動時間の長い外勤は疲労の蓄積につながり、バーンアウトのリスクも高まります。無理のないスケジュール管理が不可欠です。

医員期は、専門性を高めると同時に、医師としての働き方を模索する重要な時期です。アルバイトを通じて得られる経験や収入は、今後のキャリア形成において大きな意味を持ちますが、制度や体調面への配慮も忘れず、バランスの取れた働き方を心がけることが大切です。

 

医員の転職:キャリアを再構築する選択肢

医員として働く中で、医局の人間関係、給与、労働時間、将来性など、さまざまな理由から転職を考える医師は少なくありません。医員というフェーズは、専門性を磨きながらも、将来の方向性を見直すことができる柔軟な時期であり、転職を前向きに検討するには非常に適したタイミングと言えます。

転職を考える主な理由

■給与・待遇の改善
大学病院では教育・研究の比重が高く、臨床業務に対する報酬が市中病院に比べて低い傾向があります。そのため、より高収入を求めて市中病院や民間医療機関への転職を希望するケースが増えています。特に家庭を持つ医師にとっては、生活の安定や将来の資金計画を考える上で、収入面の改善は重要な要素です。

■労働環境の改善
長時間労働や頻繁な当直、休日出勤などが続くと、心身の負担が蓄積され、QOL(生活の質)に影響を及ぼします。ワークライフバランスを重視する医師が増える中で、勤務時間が比較的安定している職場や、当直の少ない環境を求めて転職する動きも活発化しています。

■専門性の深化・変更
現在所属している医局では扱う症例が限られていたり、希望する専門分野へのアクセスが難しい場合、より専門性の高い医療機関への転職を通じて、スキルの向上やキャリアの方向転換を図る医師もいます。特定の疾患に特化した病院や、先進医療を扱う施設などが選択肢となります。

人間関係の改善
医局特有の上下関係や派閥、閉鎖的な人間関係に悩む医師も少なくありません。風通しの良い職場環境や、フラットな組織文化を求めて転職を決断するケースもあります。人間関係のストレスは、医師としてのパフォーマンスやモチベーションにも大きく影響するため、職場の雰囲気は転職先選びの重要なポイントです。

転職を成功させるためのポイント

■キャリアプランの明確化
まずは、「なぜ転職したいのか」「転職によって何を実現したいのか」を明確にすることが重要です。

  • 給与アップを目指すのか
  • 労働環境の改善を求めているのか
  • 専門性を深めたいのか
  • 人間関係のストレスから解放されたいのか

目的が曖昧なまま転職活動を始めると、入職後に「思っていた職場と違った」と感じるリスクが高まります。自分の価値観やライフスタイルに合った職場を選ぶためにも、キャリアの棚卸しを行い、優先順位を整理しておきましょう。

■情報収集の徹底
求人票に記載されている情報だけでは、職場の実態は見えてきません。

  • 実際の勤務時間や当直の頻度
  • 職場の雰囲気や人間関係
  • 医局の体制や教育方針

こうした「リアルな情報」を得るためには、医師専門の転職エージェントの活用が有効です。非公開求人の紹介だけでなく、過去に転職した医師の声や内部事情を教えてもらえることもあります。複数のエージェントに相談することで、情報の偏りを防ぐこともできます。
転職のタイミング
医療機関では、年度替わりの4月や下期の10月に入職者を受け入れるケースが多く、これらの時期に合わせて転職活動を進めるのが理想的です。

  • 4月入職を目指す場合:前年の10月〜12月頃から準備を始める
  • 10月入職を目指す場合:4月〜6月頃から動き出す

医局との調整や退職手続きにも時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールで進めることが成功の鍵です。

 

まとめ:医員という時期を最高のキャリアチャンスに!

「医員とは?」という問いは、単なる肩書きの意味を探るだけでなく、医師としてどんなキャリアを歩んでいくかという、より本質的な問いかけでもあります。

医員というフェーズは、初期臨床研修で培った基礎を土台に、専門性を確立していく大切な時期です。この期間に、「どんな医師になりたいか」「どんな働き方をしたいか」を真剣に考えることが、後悔のないキャリア選択につながります。

忙しい日々の中で、自分のキャリアと向き合う時間を確保するのは簡単ではありません。でも、働き方改革によって労働時間が見直された今こそ、キャリアを見つめ直すチャンスが増えています。

もし今の働き方やキャリアに少しでも不安を感じているなら、一度立ち止まって考えてみてください。そして、次のステップを見つけるために、医師専門のキャリアアドバイザーに相談してみるのも一つの有効な方法です。MRTでは医師向けのアルバイト(スポット・定期非常勤)求人紹介、転職支援を行っております。創業20年以上の実績や全国各地の医療機関様とのつながりを活かし、先生方が理想とする働き方のお手伝いをさせていただきます。(完全無料)ぜひお気軽にご活用ください。

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