【研修医必見】知られざる研修医のキャリア形成戦略

目次
- 研修医を取り巻く現状と、キャリア形成における3つの壁
- 1. 研修医の労働時間の実態|「働き方改革」は本当に進んでいるのか?
- 2. 専門医取得までの道のり|年々厳しくなる専門医制度
- 3. 「専門科選び」の落とし穴|自分の理想と現実のギャップ
- 「なんとなく」で決めてしまう危険性
- 働き方のミスマッチ
- 将来性の見通し不足
- 研修医のキャリア形成を成功させるための4つの戦略
- 戦略1:多角的な視点で情報収集をする|研修医の「知らない」をなくす
- よくある情報収集方法とその弱点
- キャリアプランに特化した情報収集のすすめ
- 戦略2:アルバイトで多様な経験を積む|「理想の医師像」を見つけるための実践的アプローチ
- アルバイトで得られるメリット
- アルバイトを選ぶ際の注意点
- 戦略3:メンターを見つける|一人で悩まない、頼れる存在の重要性
- メンターとは?
- メンターを見つけるコツ
- 戦略4:転職も視野に入れる|キャリアの可能性を広げる選択肢
- 【参考】日本の「研修医」は、なぜこんなに忙しいのか?
- 世界から見た日本の医療制度の課題
- 1. 医師の絶対数不足
- 2. 「無償の労働」がまかり通る日本の医療現場
- キャリアを考えながら研修医時代を過ごそう
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実際、多くの研修医の先生方は、日々の忙しさの中で、自分のキャリアについてじっくり考える時間を持てずにいます。専門科の選び方、病院の選び方、そしてその後の働き方…。選択肢が多すぎて、何から手をつければいいのか分からない、そんな声もよく耳にします。
本記事では、そうした悩みを抱える研修医の先生方に寄り添いながら、将来の選択肢を広げるための具体的なヒントをお届けします。
研修医を取り巻く現状と、キャリア形成における3つの壁
まずは、研修医の先生方が置かれている現状を客観的なデータから見ていきましょう。そして、多くの先生方が直面する、「キャリア形成における3つの壁」について解説します。
1. 研修医の労働時間の実態|「働き方改革」は本当に進んでいるのか?
2024年の「医師の働き方改革」により、研修医の労働時間は本当に改善されているのでしょうか?
厚生労働省が発表した「令和4年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、研修医を含む医師全体の平均勤務時間は、依然として高い水準にあります。
医師の1週間あたりの労働時間(令和4年) | 時間 |
主勤務先における労働時間(平均) | 約50.4時間 |
宿日直時間(平均) | 約12.6時間 |
合計 | 約63.0時間 |
これはあくまで平均値であり、診療科や病院によってはさらに長時間労働を強いられているケースもあります。
特に救急外来や外科系診療科では、当直や緊急手術などが重なり、心身ともに休まる暇がないという声も聞かれます。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/22/index.html
2. 専門医取得までの道のり|年々厳しくなる専門医制度
研修医にとって、専門医資格の取得はキャリア形成における大きな目標の一つです。しかし、2018年に専門医制度が新しくなって以来、その道のりはより厳しくなっています。
新制度では、原則として基幹施設と連携施設を組み合わせた「専門研修プログラム」の修了が求められます。これは、特定の病院だけでなく、地域の中核病院や中小病院での研修も経験することで、より広い視野を持った専門医を育てることを目的としています。
ただし、この制度には課題もあります。特に地方の病院では、専門研修プログラムに参加できる施設が限られており、希望する診療科の研修を受けるために遠方への異動を余儀なくされるケースも出てきています。
3. 「専門科選び」の落とし穴|自分の理想と現実のギャップ
研修医のキャリア形成において、最も重要な決断の一つが「専門科選び」です。しかし、この選択では注意点がいくつかあります。
「なんとなく」で決めてしまう危険性
医学生時代に憧れていた、教授に勧められた、同期が多く進むから…といった理由で専門科を選ぶと、実際に働いてみて「思っていたのと違った」と感じることがあります。
働き方のミスマッチ
外科系のように長時間労働が常態化している診療科や、内科のように急患対応が多い診療科など、診療科によって働き方は大きく異なります。自分のライフスタイルや価値観に合わない選択は、将来的なキャリアに影響を及ぼす可能性があります。
将来性の見通し不足
特定の診療科は、将来的にAIに代替される可能性が高いとも言われています。また、診療報酬改定によって収入が変動することもあるため、短期的な視点だけでなく、中長期的な視点で専門科を選ぶことが大切です。
研修医のキャリア形成を成功させるための4つの戦略
研修医が直面する壁を乗り越え、理想の医師像に近づくためには、どのような戦略が必要なのでしょうか。ここでは、研修医のうちから実践できる4つの具体的な戦略をご紹介します。
戦略1:多角的な視点で情報収集をする|研修医の「知らない」をなくす
専門科選びや病院選びで後悔しないためには、まずは徹底した情報収集が欠かせません。ただし、情報の集め方を間違えると、偏った情報に振り回されてしまうこともあるため注意が必要です。
よくある情報収集方法とその弱点
■指導医や上級医からの情報
身近で信頼できる存在ですが、その先生の個人的な経験に基づく話が中心になりがちで、客観性に欠けることがあります。
■同期からの情報
同じ立場で話せる貴重な存在ですが、情報の幅が限られていることも。
■病院の公式サイトや説明会
病院のPRが中心となるため、実際の職場の雰囲気や働き方など「リアルな内情」を知るのは難しい場合もあります。
キャリアプランに特化した情報収集のすすめ
これまでの情報収集に加えて、ぜひ取り入れていただきたいのが「研修医のキャリアプランに特化した情報収集」です。
具体的には、医師専門のキャリアコンサルタントや、医師向けの転職・アルバイト情報サイトの活用です。
これらのサービスは、数多くの医師のキャリア支援を行ってきた実績があり、病院の内部事情や診療科ごとの働き方、将来性などについて、客観的かつ実践的なアドバイスを受けることができます。
戦略2:アルバイトで多様な経験を積む|「理想の医師像」を見つけるための実践的アプローチ
研修医は原則としてアルバイトが禁止されていますが、専攻医になるとアルバイトが可能になるケースが増えてきます。
アルバイトは、単なる収入補填の手段ではなく、キャリア形成において非常に有効な手段となり得ます。
アルバイトで得られるメリットは主に以下です。
アルバイトで得られるメリット
メリット | 具体的な効果 |
具体的な効果 | 自分の専門科以外の知識やスキルを習得し、視野を広げることができます。 |
将来の勤務先の見極め | 転職を考えている病院でスポット的にアルバイトをすることで、職場の雰囲気や人間関係を事前に知ることができます。 |
自分の専門外のスキルアップ | 健診や予防接種など、普段の研修では経験しない分野のスキルを身につけることができます。 |
医師としての自信 | 自分の力で患者さんを診る経験を積むことで、自信をつけることができます。 |
アルバイトを選ぶ際の注意点
アルバイトをする際はいくつか注意が必要です。
■研修プログラムとの両立
本業である研修に支障が出ないよう、無理のない範囲で行うことが大切です。
■雇用契約の確認
アルバイト先の病院が、研修中の医師のアルバイトを認めているか事前に確認しましょう。
■医師専門の紹介会社を活用する
研修医向けのアルバイト案件は、一般の求人サイトには掲載されていないことが多いため、医師専門の紹介会社を利用することで、安全かつ効率的に探すことができます。
戦略3:メンターを見つける|一人で悩まない、頼れる存在の重要性
研修医のキャリアは選択肢が多く、不安もつきものです。そんな時心から信頼できるメンターの存在は、あなたのキャリア形成にとって大きな支えになります。
メンターとは?
メンターとは、あなたのキャリアや人生について、親身になって相談に乗ってくれる経験豊富な先輩医師のことです。指導医や上級医、出身大学の教授など、身近なところにメンターになり得る方がいるかもしれません。
メンターを見つけるコツ
■普段から積極的にコミュニケーションを取る
研修先の指導医や、学会で出会った先輩医師など、興味のある分野の先生に積極的に話しかけてみましょう。
■医師専門のキャリアコンサルタントを活用する
メンターになり得る医師が身近にいない場合は、医師のキャリア支援に特化した専門サービスをメンターとして活用するのもおすすめです。多くの医師のキャリア支援をしてきた実績と客観的な視点から、あなたに合ったキャリアプランの提案を受けることができます。
戦略4:転職も視野に入れる|キャリアの可能性を広げる選択肢
「研修医が転職?」と驚かれるかもしれませんが、キャリア形成の選択肢として転職を視野に入れておくことは、非常に重要です。
特に、以下のようなケースでは、転職が有効な選択肢となることがあります。
■専門医取得が難しい
現在の病院では希望する診療科の専門医プログラムがなかったり、取得が難しかったりする場合
■働き方に不満がある
労働環境や人間関係が合わないと感じる場合
■特定のスキルを習得したい
現在の病院では得られないスキルや経験を積みたい場合
■転職を成功させるためには?
研修医が転職を成功させるためには、情報収集を早めに始めることが重要です。転職を考え始めた段階で、早めに医師専門の転職サイトに登録し、情報収集を始めましょう。
転職サイトへ登録した後は、担当の転職エージェントを活用しましょう。エージェントは希望やスキルに合った求人を紹介してくれるだけでなく、面接対策や条件交渉まで多くのサポートをしてくれます。
【参考】日本の「研修医」は、なぜこんなに忙しいのか?
世界から見た日本の医療制度の課題
ここでは、他の記事ではあまり語られない、少し踏み込んだ視点をご紹介します。
なぜ日本の研修医は、これほどまでに長時間労働を強いられているのでしょうか?その背景には、日本の医療制度が抱える構造的な課題があります。
1. 医師の絶対数不足
日本では、人口1000人あたりの医師数がOECD加盟国の平均と比べて少ないという現状があります。
国名 | 人口1000人あたりの医師数(2021年) |
日本 | 2.5人 |
OECD平均 | 3.7人 |
ドイツ | 4.5人 |
フランス | 3.3人 |
https://doi.org/10.1787/9f24c36f-en
このような医師不足の状況では、一人の医師が担う業務量がどうしても多くなりがちです。特に若手である研修医に、そのしわ寄せが集中してしまうケースも少なくありません。
2. 「無償の労働」がまかり通る日本の医療現場
日本の医療現場では、「若手医師は教育の一環として働くもの」という文化が根強く残っています。その結果、指導医のもとでの研修が、実質的には無償の労働になるケースがあるのが現実です。
本来であれば、労働にはそれに見合った対価が支払われるべきです。しかし現実には、「サービス残業」や「無給の当直」が暗黙の了解として行われている病院も存在します。
これは、医師の働き方改革を進めるうえで、最も早急に見直すべき課題の一つと言えるでしょう。
キャリアを考えながら研修医時代を過ごそう
この記事では、研修医の先生方が直面する課題と、それを乗り越えるための具体的な戦略についてご紹介しました。
研修医として過ごす時間は、医師としての土台を築く非常に重要な時期です。だからこそ、その貴重な時間を「なんとなく」過ごすのではなく、意識的にキャリアをデザインしていくことが、将来の選択肢を広げる鍵になります。
- 専門科選びに悩んだら、アルバイトで実際の現場を体験してみる
- 職場の人間関係や今後のキャリアに不安を感じたら、医師専門のキャリアエージェントに相談してみる
- 自分の理想の働き方が見えないときは、メンターに話を聞いてみる
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