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地方開業医の年収は高額になりやすい?地域や診療科別の傾向と合わせて解説

更新日: 2025/04/28
地方開業医の年収は高額になりやすい?地域や診療科別の傾向と合わせて解説
一般的に医師の年収は都心よりも地方の方が高く、この傾向は開業医にも当てはまります。 医師不足が深刻な地域は、都心のように患者の取り合いになることが少ないためです。さらに都心と比較して人件費などのコストを抑えられるため、収益性を上げられることも地方開業医の年収が高額になりやすい要因の一つとなっています。

地方開業医の平均年収は3,300万円程度とされています。一般的な開業医の年収は約2,763万円のため、500万~600万円ほど高くなることもあるでしょう。地方都市の開業医の年収が高い理由として考えられるのが、医師の不足です。また、地方は都心のように患者の取り合いにならないため、安定した集患も見込めます。

本記事では、最初に開業医と勤務の働き方の違いを確認し、次に地方で開業する医師の年収やメリット・デメリットを解説します。

開業医の年収は約2,763万円

開業医と勤務医では約1.8倍の年収の差があります。厚生労働省の『第22回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告』によると、勤務医の平均年収が約1,491万円であるのに対し、開業医の平均年収は約2,763万円でした。(※)

また、開業医の平均年収も地方になるほど高額となる傾向にあるため、都心で開業するより、地方で開業した方が年収を上げやすい場合があります。

※参考:厚生労働省. 「第22回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告- 令和元年 実施 -」P273. 276. https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/jittaityousa/dl/22_houkoku_iryoukikan.pdf

開業医と勤務医の違い

厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師統計によると、病院・診療所を合わせた開業医の数は2020年時点で77,728人、開業率(開業医÷医療施設に従事する医師数)は24%です。(※)
ここでは、開業医・勤務医それぞれの働き方の違いを改めて解説します。

※参考:厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師統計」
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450026&tstat=000001135683&cycle=7&tclass1=000001163706&tclass2=000001163708&tclass3val=0

開業医とは個人で病院やクリニックを経営する医師のこと

開業医とは、個人で病院やクリニックを開業する医師のことです。なお、開業方法には、新規開業と承継開業の2つの方法があります。
新規開業とは一から病院を作っていく方法で、開業地や建物の選定、資金調達、人材採用など全て行うため難易度が高くなります。一方、承継開業とは親族や他の医師から病院経営を引き継ぐ方法です。設備やスタッフが揃っているため、新規開業よりは開業しやすい点が特徴です。

開業医であれば自分の理想とする治療を提供でき、働き方もコントロールできます。経営が順調であれば勤務医以上の年収を得られる点もメリットです。一方デメリットは、医師だけでなく経営者としての手腕も問われる点です。開業したものの、病院経営が軌道に乗らなければ多額の負債を背負う可能性もあります。

勤務医とは病院などに雇用され働く医師のこと

勤務医とは国立病院や一般病院など、すでに存在する医療機関に勤務する医師のことです。同じ勤務医でも勤め先により立場が異なり、国や地方自治体などが運営する公的機関に勤務するときは公務員、それ以外の病院などに勤務するときは会社員という扱いになります。

勤務医の場合、組織に属するため雇用や収入面で安定を国や地方自治体などが運営する公的機関点がメリットです。また、社会保障や福利厚生が充実しており、学会参加補助など勉強を続ける仕組みも充実しています。給与保証や託児所の完備など、生活と両立できる仕組みもメリットの一つです。

一方で、年収は勤め先により上限が決まることが多く、大幅な増額を目指すなら転職や開業が必要です。また、雇用されている以上、勤務時間や曜日は就業規則に従う必要があります。さらに当直や急な呼び出しへの対応も簡単に断れるものではありません。人間関係に気を使う面も多く、上司や同僚と合わなければ職場環境にストレスを抱える可能性もあります。

 

地方開業医の平均年収は開業医の平均年収より500万円以上高い

地方開業医の平均年収は3,300万円程度といわれています。開業医全体の平均年収が約2,763万円のため、500万円以上高額です。なお、開業地や診療科次第では1,000万円近い差が生じる場合もあります。

【地域・診療科別】医師の年収傾向

医師の年収は地域や診療科によっても異なります。そのため、開業に当たって年収を重視するときは、医師の平均年収が高い地域や診療科を選ぶのがおすすめです。ここでは、地域や診療科別の医師の平均年収をご紹介します。

地域別の傾向:地方都市ほど年収が高い

一般的に、医師の年収は医師が集中する都心よりも、医師不足が深刻な地方都市の方が高くなります。例えば、勤務医の年収は岩手県が約1,750万円、鹿児島県が約1,650万円です。勤務医全体の平均年収は約1,491万のため、160万~260万程度上回っています。これは、地方の医療機関では年収や待遇などを上げてでも、医師を確保したい狙いがあるためです。

また、慢性的に医師の不足する地方都市では、開業しても都心のように患者の奪い合いになる可能性は低い傾向にあります。奪い合いが少ない分、収益率を高められるため、開業医も勤務医と同様に地方の方が高給与であると考えられます。

診療科別の傾向:自由診療分野が広い診療科ほど高い傾向

医師の年収は医師自身の経験だけでなく、診療報酬や自由診療など病院の収入にも左右されます。特に、開業医の場合は自由診療分野への対応が広い診療科ほど、年収が高額になる傾向です。例えば、一般的な内科開業医の平均年収は2,300万円程度とされています。一方、自由診療分野への対応が広い眼科開業医や美容皮膚科開業医の平均年収は3,000万~3,300万円前後です。眼科であればレーシック手術、美容皮膚科であればレーザー脱毛やHIFU、AGA治療など、自由診療の対応分野は多岐にわたります。自由診療では患者一人当たりの単価が保険診療以上に高くなるため、自由診療率が高いほど医療機関の収入が上がり、医療機関の収入が上がるほど、医師の年収も上がります。

ただし、最先端治療や美容医療などの自由診療は、地方都市よりも都市部で需要が高いと想定されます。そのため、自由診療分野で開業をする場合は、地方というだけではなく需要を加味した立地選びが重要です。

 

医師が地方で病院を開業するメリット

地方での病院開業では、競合や費用負担が少ないため、収入を上げつつコストを抑えられる点がメリットです。

メリット1. 競合が少ない

医師不足が深刻な地域では、患者の人数に対し医師の数が圧倒的に不足しています。特に車社会の地方都市では、別の市区町村から病院のある地域まで車で通院するケースもあり、かかりつけ医を必要とする患者も多くいます。

都市部のように病院同士で患者を取り合うことが少ないため、患者数が安定しやすいでしょう。

メリット2. 費用負担が少ない

地方の場合、家賃や地価、人件費など、病院経営に必要なコストが低い傾向です。また、都心のように好立地の物件が飽和状態ということも少ないため、都心と比べて比較的集客しやすい立地で経営することができます。

保険診療の場合、保険点数の算定方法は地域による変動がないため、収益を上げつつ費用を減らすことが可能です。そのため、高い収益性、ひいては高い年収が期待できるでしょう。

メリット3. 補助金や助成金を活用しやすい

国や地方自治体では、地方創生や地域経済活性化のため、UターンやI・Jターン後の起業に対し、補助金や助成金を交付しています。これらの仕組みは一般的な起業だけでなく、医師が病院やクリニックを開くときにも利用可能です。

また、開業だけでなく、事業承継時に使える補助金もあり、これらの仕組みは資金調達の方法としても有効です。

メリット4.地方医療に貢献できる

診療科により異なるものの、内科などでは希望すれば子どもから高齢者、軽症から急性期、プライマリケアなど幅広い対応が可能です。医師が少ない分、地域貢献性が高く医師としての働き方や存在意義を実感しやすくなります。

また、地方では良くも悪くも人とのつながりが濃い点も特徴です。そのため、機械的に患者を診るのではなく、交流しながら診察を進めるなど、1人1人の患者と向き合って医療を提供できる点もメリットです。

 

医師が地方で病院を開業するデメリット

一方、慢性的に人口が減少している地域では、人材採用が難航しやすい、将来的な収益性に影響するなどのデメリットが考えられます。

デメリット1. 採用が難航しやすい

地方は都心と比較して働ける病院が少ないため、医療スタッフの人数も少なくなります。特に、全国的に人材不足が深刻な看護師などは、余裕をもって採用活動を進めるのがおすすめです。

また、都市部と異なり交通網が整備されていないため、遠方の人材を採用しづらい点にも注意しましょう。

デメリット2. 人口減少の懸念

人口減少が著しい地方都市では、開業したものの将来的に収入が減り続ける可能性も否めません。開業予定地域が決まっている場合は、移住支援や少子化対策など、今後の人口増加に繋がる対策を講じているかも合わせて確認するとよいでしょう。

また、診療圏をどの程度広げるか、医師自身が訪問診療などを行うかなど、経営上の対策も検討する必要があります。

デメリット3. 学会などな出席しづらい

地方都市の立地によっては、駅や空港から遠いため学会や出張などで不便を感じやすいでしょう。立地によっては前泊が必要になることもあります。
また、地方は都心と異なり、医師向けの勉強会やセミナーなどがあまり開催されておらず、同業の医師との意見交換が難しいかもしれません。さらに、専門書を扱う書店なども少ないため、地方開業を考える医師は、インターネットやSNSなどを利用し、学び続ける方法を模索する必要があります。

 

開業医の年収は地方都市の方が高額になりやすい!

勤務医の年収が約1,491万円なのに対し、開業医の年収は約2,763万円と約1.8倍の年収の差ががあります。さらに、開業医の中でも、医師不足が深刻な地方都市では、都心よりも年収を上げやすい傾向です。地方開業では競合が少なくコストが低いなどのメリットがある反面、人材を確保しづらい、移動手段が乏しいなどのデメリットがある点に注意しましょう。

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