医師の仕事はストレスが多い?原因やメンタルヘルスを保つ方法を解説

目次
- 医師の8割がストレスを感じている
- 医師の厳しい勤務実態
- 医師の仕事はストレスや負担が大きい
- ストレスとは、過剰な負荷により心身にゆがみが生じている状態
- ストレスを抱え続けることの問題点
- ストレスを抱え続けたときの症状
- 医師がストレスを感じる要因
- 業務の多忙さ
- 責務の重さ
- 労働時間の長さ
- 休みの少なさ
- 職場の対人関係
- 医師がメンタルヘルスを健全に保つ方法
- 睡眠時間を確保する
- 悩みは抱え込まず相談する
- コミュニケーションを積極的に取る
- 改善が難しい場合は転職も考える
- ストレス過多のときは環境を変えることも大切
- <医師アルバイト・転職(常勤)求人はこちら>
- <MRTアプリ「MRTWORK」>
- <LINEで医師アルバイト・転職(常勤)求人を受け取る>
医師は業務の多忙さや人間関係の複雑さから、ストレスが溜まりやすい仕事の一つです。過度なストレスは心身に不調をきたすだけでなく、メンタルヘルスの悪化にもつながります。ストレスの溜まりやすさは個人の体質や勤務する診療科によっても異なるものの、既にストレスを自覚している医師は早めの対処を心掛けましょう。
本記事では、医師のストレスについて解説した上で、医師がストレスを感じる要因と対処法を解説します。
医師の8割がストレスを感じている
厚生労働省が全国の病院勤務医に対し勤務実態とストレスの自己評価を調査・分析した結果、週60時間以上勤務している医師の約8割が高ストレスを感じていることが分かりました。
また調査では、勤務時間が長くなるほど「高ストレス」と回答する割合が増加する傾向も見られました。
長時間労働が医師のメンタルヘルスに大きな影響を与えていることが分かります。
多忙で不規則な勤務に加え、人命に関わる業務に携わっている多くの医師にとって、ストレスは切り離せない問題となっています。
医師の厳しい勤務実態
「医師の働き方改革に関する検討会」では、週 60 時間以上勤務している雇用者の割合は平均 14%のところ、医師は 41.8%と最も高い割合となっています。
また、地域医療基盤開発推進研究事業「大学病院で勤務する医師に高いストレスを及ぼすイベントの現状把握に関する研究」によると、医師は勤務時間が長いことに加えて、生命を預かるという重責を有しているだけでなく、患者の権利意識の高まりからクレームやコンビニ受診の増加など、医師が抱えるストレスは高くなる一方と述べられています。
特に大学附属病院では、求められる医療技術の水準も非常に高く、日々診療に携わる医師の仕事は強い精神的緊張を伴います。長時間勤務はストレスが高く、バーンアウト(心身ともに燃え尽きる)に陥りやすくストレスの高い状態が続くことにより医療ミス発生に影響を及ぼすことが報告されています。(※)
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000496522.pdf
※参考:地域医療基盤開発推進研究事業「大学病院で勤務する医師に高いストレスを及ぼすイベントの現状把握に関する研究」
https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/28039
医師の仕事はストレスや負担が大きい
患者の痛みと向き合い、時には人の命を預かる医師の仕事はストレスや負担が大きい仕事の一つです。さらに、職場の人間関係や長時間労働、休日の少なさから、疲労や健康不安を常に感じていることも珍しくはありません。ここでは、そもそもストレスとはどのような状態かを確認し、診療科別の医師の疲労感やストレスについて確認します。
ストレスとは、過剰な負荷により心身にゆがみが生じている状態
ストレスとは、心身に過剰な負荷がかかり、ゆがみや変調が生じることとされており、人間とストレッサー(ストレスの原因となる刺激)の関係は、ボールと圧力の関係に例えられます。
外部からボールにかかる圧力が適度であれば、ボール自体の弾力で跳ね返すことが可能です。しかし、耐えきれないほどの圧力が長時間かかり続けると、変形し最悪の場合、破裂してしまいます。また、どの程度の圧力に耐えられるかは、それぞれのボールの大きさや置かれた環境、材質によっても異なります。
人間であっても、過剰なストレスがかかれば、上記のボールと同様の結果を招くでしょう。そのため、自身がどの程度のストレスに耐えられるか、何をストレッサーと感じるかを把握し、正しい方法により対処する必要があります。
ストレスを抱え続けることの問題点
ストレスといっても、全てのストレスが悪い訳ではありません。現在の辛さが将来の夢や目標達成の励みとなることもあります。これは、良いストレスに分類され、人生に程良い刺激を与えてくれる存在です。
しかし、長期間続く疲労感や睡眠不足、人間関係の悪化など、やる気を阻害するストレスは悪いストレスとなり心身を蝕みます。悪いストレスの原因となる代表的なストレッサーは以下のとおりです。
物理的ストレッサー:極端な温度(高温・低温)、騒音、混雑など
化学的ストレッサー:栄養不足、酸素欠乏、薬害、公害物質など
生物的ストレッサー:睡眠不足、過労、疲労、ウイルス感染など
心理・社会的ストレッサー:仕事の量、職場環境、人間関係、離婚など
ストレスを抱え続けたときの症状
悪いストレスを抱え続けると、以下のようにさまざまな不健全な行動や心身の症状として現れます。
行動の問題:暴飲暴食、ギャンブル、過度の飲酒喫煙など
体の問題:頭痛、めまい、強い疲労感、動機、便秘、下痢、肩こりなど
心の問題:憂鬱感や不安感の持続、絶望感、イライラ、無関心など
ストレスが限界に達すると、体の不調だけでなく、心にも不調をきたします。過度にイライラしたり、今まで楽しめたことにも興味がわかなくなったりと、考え方や行動自体も変わるため、仕事や人間関係にも問題が生じることもあるでしょう。
医師がストレスを感じる要因
当直や夜勤など業務負担が重い割に給料に反映されない、職場・患者、双方の人間関係に気を使う必要があるなど、医師によりストレスに感じる要因に差はあります。ここでは、医師が仕事上、ストレスに感じる主な要因を紹介します。
業務の多忙さ
業務の多忙さはストレス要因の一つです。医師の業務は単に患者を診るだけではありません。病院業務が終わった後は、カンファレンスや学会準備、論文の確認など、医療に関する勉強も必要です。
また、急患対応や入院患者対応のある病院では、定時が過ぎた後でも患者の容態が急変すればすぐに対応しなければいけません。病院から昼夜・休日問わず連絡があれば、休まる時間がないと感じることもあるでしょう。
責務の重さ
責務の重さもストレス要因の一つです。医師の仕事上、患者が回復して元の生活に戻れる場合もあれば、手を尽くしても助からないこともあります。また、医療チームのリーダーを任されていれば、管理者としての責任も加わります。
多くの診療科で医師の判断により患者の将来や生命を左右するため、責務の重さをストレスに感じることも多いでしょう。
労働時間の長さ
医師の働き方改革に関する検討会報告書によれば、医師の勤務時間(「指示なし」時間を除く)の分布を分析した結果、年間の時間外労働が1,860時間を超える医師は約1割に上ることが明らかになりました。特に、20代・30代の若手医師においては、他の職種と比較しても顕著な長時間労働の状況が見受けられています。(※)
長時間労働の医師への健康確保措置に関するマニュアルでは、我が国の医療は、医師の自己犠牲的な長時間労働により支えられている面がある指摘されています。医師の年の上限時間数の水準を踏まえ、医師の健康を確保することが、重要な課題であると述べられています。(※)
※参考:第9回 医師の働き方改革の推進に関する検討会「長時間労働の医師への健康確保措置に関するマニュアル」
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000677260.pdf
休みの少なさ
医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査によると、2024年度から適用されている罰則付き時間外労働時間の上限規制において、基準となるA水準(休日を含め年間960時間)を超えて勤務している医師は37.8%に上ることが確認されています。さらに、回答者の上位10%は年間1,824時間以上の時間外労働を行っており、週100時間以上働く医師も依然として多数存在している状況です。
医師不足や業務量の多さから「休みが取れない」と訴える医師も多く見られる為、長時間労働に加え、休みの少なさもストレスや疲労の下人と考えられます。
職場の対人関係
職場の対人関係もストレスの要因になり得ます。医師の場合、上司や同僚、後輩など同じ診療科の医師だけでなく、他の診療科の医師とも関わりがあります。看護師、薬剤師、理学療法士など、仕事上多くの職種の方とのコミュニケーションも必要です。
それぞれの立場を尊重し、チームワークを築きながら仕事を進めなくてはいけないため、コミュニケーションコストもかかりやすくなります。
また、治療を円滑に進めるためには、患者や患者家族との信頼関係も不可欠です。しかしながら、気を付けていても理不尽なクレームを受けることもあります。
以上のようにあらゆる立場の人間関係への配慮の必要性は、精神的なストレスの要因になることがあります。
医師がメンタルヘルスを健全に保つ方法
医師がメンタルヘルスを健全に保つ方法を紹介します。医師がストレスに負けず、心身の健康を保って働くためには、まず十分な睡眠が欠かせません。なお、睡眠時間を確保できないほど多忙な職場であれば、心身の健康のためにも転職を視野に入れましょう。
睡眠時間を確保する
メンタルヘルスを健全に保つために、睡眠時間を確保することは大切です。睡眠不足は、疲れが取れない、頭が働かないなど、心身のさまざまな不調の原因となります。
特に、睡眠時間が少なくなると、うつ病の発症リスクは高まります。睡眠不足は心身の健康を害し、業務効率も悪化させるためしっかりと睡眠時間を確保できるようにしましょう。
悩みは抱え込まず相談する
メンタルヘルスを健全に保つために、悩みは抱え込まず相談することも大切です。医師は職業柄悩みを相談しづらいものの、一人で抱え込めばメンタルヘルスにも悪影響です。上司や同僚、家族など、身近に相談できる人を確保しましょう。
また、心身の不調を感じたときは、ためらわずに医療機関を受診することも大切です。
コミュニケーションを積極的に取る
職場の人間関係がストレスの場合は、あえて積極的にコミュニケーションを取ることも方法の一つです。挨拶をする、感謝を伝えるなど、些細なコミュニケーションでも信頼関係の構築につながります。話しをしやすい雰囲気になれば、それだけ仕事も進めやすくなります。
改善が難しい場合は転職も考える
業務が多忙すぎて睡眠を取る暇もない、派閥争いが強く人間関係の改善も見込めないなど、個人の努力だけではストレスの回避が難しい場合、転職も視野に入れましょう。
転職を検討する際は、現在何がストレスになっているか原因を把握し、そのストレスを解消できる職場を選ぶことがポイントです。
例えば、長時間労働で心身共に休まる暇がない場合は、当直の有無がポイントになります。当直は外部の医師が担当する、または当直翌日は休日とするなどの制度が整った病院であれば、ストレスの軽減につながるでしょう。
ストレス過多のときは環境を変えることも大切
医師の仕事は人間関係が複雑になりやすいだけでなく、患者の将来を左右する責任の重さから、ストレスが溜まりやすい傾向があります。加えて、長時間労働や休日の少なさが重なれば、ストレスがピークに達し、心身の不調となって現れるのも時間の問題です。自身の努力だけでストレス原因の解消が難しい場合は、働く環境を変えるのも方法の一つです。
医師のための転職・アルバイト紹介を行ってるMRTでは、常勤求人からスポットや定期非常勤などのアルバイト求人まで豊富な医師求人を掲載しています。週4日勤務や当直なしなど、 条件に応じた求人検索も可能です。ご利用は無料のため、ぜひ働きやすい職場探し・アルバイト探しにご活用ください。
<医師アルバイト・転職(常勤)求人はこちら>
◆医師のアルバイト・スポットバイト求人一覧
◆医師のアルバイト・バイト(定期非常勤)求人一覧
◆医師の転職(常勤)求人一覧
<MRTアプリ「MRTWORK」>
「お気に入り機能」「求人閲覧履歴」「地図検索」など、WEBよりも医師アルバイト求人検索が簡単に!
ダウンロードはこちら
<LINEで医師アルバイト・転職(常勤)求人を受け取る>
MRT公式LINEでは最新の医師アルバイト(スポット/定期非常勤)求人と転職(常勤)求人を配信中!
友だち追加はこちら







