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「専攻医」とは?その後の医師キャリアはどう描く?|「専攻医」のすべてと、その後の働き方を徹底解説

更新日: 2025/09/17
「専攻医」とは?その後の医師キャリアはどう描く?|「専攻医」のすべてと、その後の働き方を徹底解説
初期研修を終え、いよいよ専門領域へと進むタイミング。医師として誰もが通る「専攻医」というステージですが、「専攻医とは何か?」をきちんと理解し、その先のキャリアまで見据えている方は、意外と少ないかもしれません。「とりあえず医局に残る」「専門医を取れば安心」といった漠然とした考えのままでは、変化の激しい医療業界の中で、自分らしいキャリアを築くのは難しくなってしまう可能性もあります。

  • 「このままの働き方でいいのだろうか?」
  • 「働き方改革で何が変わるの?」
  • 「専門医を取った後、どんな道があるの?」

そんな疑問を抱えている先生方に向け、本記事では、医師向けの人材紹介サービスを提供する私たちが「専攻医」の定義や役割から、最新の制度動向、キャリアの課題と展望まで、専門家の視点からわかりやすく解説します。

 

そもそも「専攻医」とは?初期研修医・専門医との違い

まずは基本から確認していきましょう。混同されがちな「初期研修医」「専門医」との違いをしっかり理解することが、キャリアを考える第一歩です。

「専攻医」の定義と役割

専攻医(せんこうい)とは、2年間の初期臨床研修を終えた後、特定の診療科で専門医資格の取得を目指して研修を行っている医師のことです。2018年4月にスタートした「新専門医制度」により、従来の「後期研修医」に代わって導入された名称となります。

専攻医は、所属する専門研修プログラム(基幹施設・連携施設)に沿って、専門的な知識や技能、そして患者さんとのコミュニケーション力などを体系的に身につけていきます。初期研修医の頃よりも、より深く専門分野に特化した診療に携わることになります。

初期研修医・専門医との明確な違い

医師としてのキャリアは、以下の3つの段階に分けられます。

  • 初期研修医(医師1~2年目):医師免許取得後、2年間で幅広い診療科をローテーションし、医師としての基本的な知識や技能を身につける期間。
  • 専攻医(医師3年目~専門医取得まで):初期研修を終え、特定の診療科で専門医資格の取得を目指して研修を行う期間。診療科によって異なりますが、概ね3〜5年程度。
  • 専門医(専攻医プログラム修了後):専門医資格試験に合格し、特定の診療科の専門家として認定された医師。

簡単に言えば、初期研修医は「広く浅く」学ぶ期間、専攻医は「狭く深く」専門性を磨く期間、そして専門医は「その分野のプロフェッショナル」として認定された段階です。
新制度では、専攻医として特定のプログラムに登録し、所定の要件を満たすことが、専門医資格取得のための必須ルートとなっています。

 

専攻医制度の現状:データで見る医師のキャリアパス

新専門医制度が始まってから約7年。専攻医を取り巻く環境は、この間にどのように変化してきたのでしょうか。国の公式データをもとに、現状を見ていきましょう。

専攻医登録数の推移と診療科別の偏在

日本専門医機構の公開データによると、2025年度の専攻医採用数は9,762名。前年から308名増加しており、医師国家試験の合格者数(9,486名)とほぼ同数であることから、ほとんどの医師が専攻医プログラムに登録していることがわかります。

また、2023年に発表された「今後の専門研修制度に向けた検討について」では、2020〜2023年度に専攻医として登録した15,876名を対象にアンケート調査が行われました。
この調査からは、専攻医がプログラムを選ぶ際に重視するポイントや、地域・診療科の偏在といった課題が浮き彫りになっています。

特に注目すべきは、「制約がない場合、16.4%が別の都道府県や基本領域を希望した」という回答。これは、理想のキャリアと現実との間にギャップを感じている専攻医が一定数いることを示しています。

出典元:
日本専門医機構 2025年度専攻医採用数一覧 https://jmsb.or.jp/wp-content/uploads/2025/03/recruit_2025_03.pdf
厚生労働省 今後の専門研修制度に向けた検討について https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/001400192.pdf

 

新専門医制度における専攻医のキャリアパスの多様化

新制度のもとでは、専門医資格取得後のキャリアパスがより多様になりました。サブスペシャルティ領域の専門医を目指す、大学院で研究に取り組むなど、選択肢も広がっています。
専門医機構が認定する19の基本領域を修了した専攻医は、以下のような道を検討することができます。

  • 臨床医としてのキャリアを深める
  • 研究医として基礎研究に専念する
  • 教育医として後進の育成に携わる
  • 行政や企業など、臨床以外の分野で活躍する

 

専攻医を取り巻く「働き方改革」の波

2024年4月1日から「医師の働き方改革」が本格的に施行され、専攻医の働き方にも大きな影響を与えています。

働き方改革の概要と専攻医への影響

この制度により、すべての医師に時間外労働の上限が設けられました。専攻医が研修を行う医療機関の多くは「C-1水準」(集中的技能向上水準)に該当します。
C-1水準では、時間外・休日労働の上限が年間1,860時間。一般労働者の上限(年960時間)と比べると長時間ですが、医療現場の実態を踏まえ、「修練のための時間」として特別に認められています。

この制度は、長時間労働の是正を目指す一方で、専攻医が必要な研修時間をどう確保するかという課題も抱えています。

 

働き方改革が「専攻医の転職・アルバイト」に与える影響

働き方改革は、専攻医のキャリア選択に新たな視点をもたらしています。特に「アルバイト」と「転職」の2つの側面から、その変化を見ていきましょう。

1. アルバイト事情の変化と有効活用

専攻医は、所属プログラムや病院の規定で認められていれば、アルバイトが可能です。働き方改革によって労働時間の管理が厳しくなったことで、アルバイトの位置づけにも変化が生まれています。

厚生労働省の資料によると、大学病院勤務の医師の9割以上がアルバイト先を持っており、理由として最も多いのは「収入の確保・増加」(約89%)。それ以外にも「スキルの維持・研鑽」「医局や勤務先・知人からの要請」などが挙げられていました。

専攻医にとって、アルバイトは単なる収入源ではなく、以下のような意味を持ちます。

  • 異なる医療機関での経験:専門外の手技や知識を学ぶ機会に。
  • 専門外のスキル習得:健診や美容外科など、通常の研修では得られない経験を積む場に。
  • 多様な働き方の試行:将来の開業や自由診療を見据えた準備にも。

働き方改革により、常勤先での労働時間が管理されるようになったことで、アルバイトも計画的に組み込む必要が出てきました。これは、キャリアを真剣に考えるきっかけにもなります。

出典元:
厚生労働省 医師の働き方改革の推進に関する検討会(第18回)資料 https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001232021.pdf

2. 専攻医期間中に「転職」を考えるケース

「専門医取得までは今のプログラムにいるべき」と考える方も多いですが、実際には専攻医期間中に転職を検討する医師も増えています。主な理由は以下の通りです。

  • プログラム内容への不満:期待していた研修内容と違う、症例が少ないなど。
  • 人間関係の悩み:医局や指導医との関係に悩み、環境を変えたいと考えるケース。
  • ワークライフバランスの見直し:体力的・精神的な負担を考慮し、転科や転職を検討。

これは「キャリアの再検討」とも言えます。専門医取得という目標があっても、その過程が自分に合っていないと感じたら、一度立ち止まって見直すことも大切です。

 

専攻医が知っておくべき「専門医取得後」のキャリア戦略

専攻医として専門医取得を目指す日々は、医師としてのキャリアの土台を築く大切な期間。そして、その先にどんな選択肢があるのか、具体的にイメージしながら過ごすことが重要です。
専門医取得後のキャリアは、大きく分けて以下の3つの軸で考えることができます。

1. 臨床医としての専門性を極めるキャリア

臨床医としての専門性を極めるのは、最も一般的なキャリアパスです。専門医取得後、大学病院や市中病院でさらに経験を積み、その領域のスペシャリストを目指します。

▼キャリアパスイメージ

  • 大学病院での勤務:医局に所属し、高度な医療や研究、後進の育成に携わります。
  • 市中病院への転職:大学医局を離れ、地域医療の現場で多くの症例を経験し、臨床力を高めます。
  • 開業:専門医として培った知識と経験を活かし、自身のクリニックを開業する道もあります。

2. 臨床以外のキャリアへ挑戦する選択肢

専門医資格は、臨床現場以外でも高く評価されます。医師としての知見を活かし、社会のさまざまな分野で活躍する道もあります。

  • 製薬会社・医療機器メーカー:メディカル・アフェアーズや治験担当医として、新薬や技術開発に貢献。
  • 行政機関・官公庁:公衆衛生や医療政策の立案に携わり、社会全体の医療向上を目指します。
  • コンサルティングファーム:医療機関の経営改善や、医療関連企業の事業戦略を支援。

3. アルバイト・非常勤勤務をメインにする働き方

専門医資格を取得し、一定の経験を積んだ後、ワークライフバランスを重視して非常勤勤務にシフトする医師も増えています。

  • 複数の非常勤先で勤務:週に数日ずつ複数の病院で働くことで、柔軟な働き方を実現できます。
  • 当直・健診専門医:専門性を活かしながら、効率的に収入を得て自由な時間を確保しやすいスタイルです。

 

あなただけのキャリアをどう描くか?

大切なのは、これらの選択肢を「どれか1つ」に絞る必要はないということです。
たとえば、「専門医を取得して市中病院に転職し、並行して自由診療のアルバイトで副収入を得ながら、将来的な開業に向けて準備を進める」といったように、複合的なキャリアプランを描くことも可能です。

 

専攻医期間中のキャリア相談と転職のタイミング

専攻医として忙しい日々を送る中で、自分のキャリアとじっくり向き合う時間を持つのは難しいかもしれません。だからこそ、専門家のサポートを活用することをお勧めします。

専門のキャリアコンサルタントに相談するメリット

医師専門の人材紹介サービスを利用することで、以下のようなメリットがあります。

  • 客観的な視点を得られる:現在の働き方や悩みを、第三者の専門家が分析することで、現在の自分を客観的に把握することができる
  • 好条件・限定公開の求人情報が得られる:医局や知人経由にはない好条件の求人情報や、限定公開の求人情報を得られる
  • 面接対策・条件交渉の代行をしてもらえる:履歴書・職務経歴書の作成支援や、年収・勤務条件の交渉も代行してもらえる

専攻医の転職におけるベストなタイミングとは?

「専攻医」という期間は、専門医取得という明確な目標があるため、転職のタイミングは慎重に考える必要があります。

  • プログラム変更:現在の研修内容が合わないと感じた場合。ただし、専門医機構の規定に沿って変更可能か確認が必要です。
  • 専門医取得直後:資格取得後、新たな環境でキャリアを築きたいと考えた場合。このタイミングは選択肢が広がります。
  • キャリアの方向性が見えた時:開業や研究医への転向など、具体的なプランが固まった場合。

ご自身の状況に合わせて、最適なタイミングを見極めることが大切です。

 

専攻医として、その先のキャリアを戦略的に描こう

本記事では、専攻医という期間の意義と、その先のキャリアを考えるうえでの重要なポイントをお伝えしました。

▼まとめ

  • 専攻医とは、2年間の初期臨床研修を終えた後、特定の診療科で専門医資格の取得を目指して研修を行っている医師を指します。
  • 働き方改革により、専攻医の労働環境は大きく変化しました。アルバイトは単なる収入源ではなく、スキルアップやキャリア探索の機会として活用可能です。
  • 専門医取得後のキャリアは多様化しており、臨床医・企業勤務・非常勤中心など、選択肢は広がっています。
  • キャリアの悩みは一人で抱え込まず、専門のキャリアコンサルタントに相談するのも有効です。

専門医取得はゴールではなく、新たなスタートです。どんな医師として、どんな人生を歩みたいのか。その答えを探す旅が、専攻医としての日々なのです。

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