医師採用の面接を控える人の多くは、面接で何を聞かれるか頭を悩ませているようです。しかし、医師の面接で聞かれる質問にはある傾向があります。本記事では、医師の面接でよく聞かれる質問や回答のポイント、面接時の服装などについて解説します。あらかじめ聞かれる質問を想定できれば落ち着いで面接に臨めるので、ぜひご一読ください。
医師の採用では面接が重視されます。これから面接を受ける方は聞かれる質問の傾向を知り、自分らしい回答を用意しておくことが大切です。
本記事では、医師の面接でよく聞かれる質問と、望ましい回答方法を紹介します。また面接時の服装も解説するので、面接の準備にお役立てください。
医師の面接で聞かれる質問として、次の8つが挙げられます。
これら以外にも給与や労働条件について質問されることもあります。
医師の面接で必ずといっていいほど聞かれるのが自己紹介です。面接の冒頭で聞かれることが多いので、しっかりと準備をして明るくハキハキ回答すると面接官によい印象を与えられます。
自己紹介は名前にはじまり、以下の項目を含めた内容にしましょう。
特に重視されるのが、医師としての略歴や手術実績などです。転職の場合は入職後に即戦力としての働きを期待されるので、これまでの実績をアピールしましょう。
ただし面接は時間が限られているため、自己紹介は1分程度に抑えます。また自分が優れていることをアピールしすぎると、横柄な人物に見えてしまうので注意が必要です。
転職者の場合は必ず退職理由を聞かれます。採用する側は長く働いてくれることを期待しているので、どのような理由で辞めたかを知りたいと思うのは当然でしょう。
この質問にはポジティブな理由を述べるのが鉄則です。ネガティブな理由だと、「また同じような理由で辞めてしまうのでは」と思われてしまいます。
具体的には以下のような表現は避け、ポジティブな言葉で言い換えるようにしましょう。
初めての転職であれば前職の退職理由に留まりますが、何度も転職をしていると過去の職場の退職理由を聞かれる可能性があります。もし転職回数が多かったとしても素直に退職理由を伝えて、今後は長く勤務する意思があることも伝えましょう。
医師の面接で志望動機を聞かれるのは、以下の2つの点を確認するためです。
そのため、志望動機の回答を準備する際には応募先の情報を集める必要があります。方法としては応募先のWebサイトやパンフレット、医師の知人などからの評判などがあります。面接では、集めた情報と自分の医療に対する考え方や、実績を絡めた回答にするのが望ましいでしょう。
志望動機で気をつけることは待遇面を強調しないことです。残業が少ないから、給与が高いからなどと回答すると、待遇のよさだけで志望したと思われるため気をつけましょう。
応募した病院や企業を選んだ理由だけではなく、医師になった動機を聞かれることもあります。応募先は医師になった動機を聞くことで応募者の人となりを知ろうとしているため、エピソードを交えながら医師になった理由を伝えましょう。
一般企業の面接でも聞かれる将来の展望は、医師の面接においても質問されるケースがあります。医師のキャリアプランの一つとして将来的な開業が挙げられますが、面接では伝えないほうがよいでしょう。開業の意思を伝えてしまうと、将来退職してしまうのではないかと面接官に思われてしまうかもしれません。そのため、将来の展望を尋ねられたら、転職先でどのような経験を積みたいか、どのような専門性を高めたいかを伝えましょう。
即戦力となる医師を探している病院の場合、応募者に実務経験や専門的な知識を求めるでしょう。このような病院の面接を受けた場合は、これまで培ってきた経験や知識を基に、どのようなスキルが活かせるかを答える必要があります。回答する際は以下のように、医師としてのスキル以外にもチームマネジメント能力など、ビジネスマインドについても伝えるとよいでしょう。
医療の細分化によって、医師や看護師、管理栄養士など医療従事者が一体となって医療にあたるチーム医療が求められてきています。そのため、面接でチームを束ねるマネジメント能力の有無を聞かれることがあります。もしマネジメント経験がない場合は、素直にその旨を伝えましょう。ただし単に経験がないことを伝えるのではなく、後輩を指導していたエピソードなどを織り交ぜることで、印象がぐっと良くなります。
患者さんの健康や命を守る医師の仕事はプレッシャーと隣り合わせです。そのため、ストレス耐性について質問されることがあります。ストレスを感じた場合の対処法を問われた場合は、ただストレス解消法を答えるのではなく、ストレスを感じた原因とどう向き合って解決に動いたかを答えましょう。
他の病院や企業に応募しているかを聞かれることがあります。応募先がこのような質問をする理由は、選考スケジュールの調整や応募者の志望先がぶれていないかを確認するためです。
このような質問に対して、実際は応募しているにもかかわらず、応募先に配慮して応募していないと答える方もいます。しかし、この質問には素直に応募状況と選考状況を回答しましょう。他の病院や企業の選考状況を答えない場合、選考の見通しが立てづらくなったり、応募者と選考先のミスマッチが起こる可能性があるためです。
医師の面接の最後に「何か質問はありますか?」と応募者が質問する機会が与えられることがあり、これは逆質問と呼ばれています。逆質問は、自分をアピールできる最後のチャンスと考えましょう。そのため、入職した場合の業務や働き方に関する質問をすると、より前向きな姿勢を伝えることができます。
また、質問がなければ「今回の面接の中で、疑問点は解消されたので質問は特にありません」と回答しても大丈夫です。逆質問ではある程度何を聞いても問題ありませんが、待遇面についてしつこく質問するのは控えましょう。
医師の面接では服装も重要なポイントです。優れた応募者が複数いた場合、服装が決め手になることもあります。医師の面接ではフォーマルな服装が無難です。服装における注意点を以下の表にまとめたので確認しましょう。
男性の場合 | |
スーツ |
● 体にフィットするサイズのもの
● 黒やグレーなどの落ち着いた色のもの ● 汚れやシワのないもの |
ワイシャツ |
● 基本は白色のもの
● シワがないもの ● 襟や袖口の汚れに注意 |
ネクタイ |
● 紺などの落ち着いた色のもの
● 細すぎないもの |
女性の場合 | |
スーツ |
● 黒やグレーなどの落ち着いた色のもの
● パンツタイプでもスカートでもどちらでも可 ● スカートの場合、座った時の丈の長さに注意 |
ワイシャツ |
● 基本は白色のもの
● カットソーでも可 ● リボンやフリルなどは最低限に |
また服装以外にも髪型や化粧、爪などにも注意し、清潔感のある身だしなみとなるよう心がけましょう。
男性、女性ともに髪色は明るすぎないようにしましょう。また男性であれば髪は清潔感のある長さまで切り、寝ぐせは整える必要があります。一方、女性の場合、肩よりも髪が長いのであれば、結ぶかまとめます。前髪が目にかかってしまうようであれば、ピンで止めるようにしましょう。
爪は男女ともに面接前に短く切りそろえます。必要以上に伸びていると、医師としての資質を疑われるかもしれません。また女性の場合、ネイルは避けておくとよいでしょう。
女性はメイクをして面接に臨む可能性がありますが、ナチュラルなメイクを心がけましょう。派手な色使いのメイクは、医療現場では敬遠される傾向があります。
アクセサリーは過度につけないようにしましょう。男性であれば結婚指輪に留めておき、女性であればドロップタイプのピアスや大きなネックレスは避けるのが無難です。また、腕時計も派手な装飾が施されているものではなく、シンプルなデザインのものを選ぶとよいでしょう。
かばんはA4サイズが入り、床に置いたときに自立するものにしましょう。トートバッグのなかで口が閉まらないタイプは、セキュリティ意識の低さを疑われてしまうので避けるのがおすすめです。また、リュックも面接の時点では避けておくのがよいです。
面接に臨む際は足元も意識します。男性の場合、靴下は黒か濃紺の無地のものが無難です。また靴はレザーのひも靴を選びましょう。レザーであっても、スウェードはカジュアルになりすぎてしまいます。
一方、女性の場合タイツはカジュアルになってしまうため、ナチュラルストッキングを選びます。靴はヒールが高さ5~7cmほどのシンプルな黒のパンプスであるとスーツが映えるでしょう。
医師の面接では服装や髪型だけではなく、匂いにも気を配りましょう。匂いのなかでも、たばこや汗といった臭いには特に気をつける必要があります。そのため、喫煙習慣があれば携帯用の消臭剤を持ち歩きましょう。夏場であればボディシートやウェットティッシュのように、汗を消臭するグッズを持ち歩くこともおすすめです。
また人によっては香水の匂いにも不快感を覚えてしまうこともあります。そのため、香水のつけすぎにも注意しましょう。
面接に臨むうえでは、服装以外にも気をつけておきたいポイントがあります。事前の情報収集が肝心であり、応募先ごとに求める医師像や面接時間が異なる可能性があることを、よく理解しておきましょう。
面接に臨む前に、応募先の病院の情報を収集しておきましょう。例えば応募先が総合病院であれば経営理念、ビジョンなどを確認しておきます。
一方、クリニックであれば診療内容、院長の理念や社会貢献活動などを確認しましょう。情報収集をしっかり行うことで、志望動機がより具体的になってくる可能性があります。
面接は応募先が応募者を選ぶだけではありません。応募者も応募先がどのような病院であるかを把握して、お互いが理解を深めたうえで内定につながるのが理想です。事前の収集で得た情報を面接の場で伝えることで、前向きな姿勢が面接官にも伝わるでしょう。
医師が活躍する場所は病院やクリニックだけではありません。製薬会社であれば保険査定医として、企業であれば産業医としても活躍可能です。このように医師の活躍する場所は広くあり、応募先がどこであるかによって求める医師像が異なります。
例えば、応募先がクリニックであれば外来業務がメインとなるため、対応可能な科目の確認や臨床経験が求められます。一方、応募先が企業である場合、その企業が求める人物像に近い医師を、応募者にも求めている傾向があります。
求める医師像が応募先によって異なるように、面接時間も応募先によって異なります。例えば、応募先が総合病院であれば、施設の案内や医療従事者との顔合わせが実施される可能性があります。自分の予定で施設案内などを切り上げてしまわないように、余裕のあるスケジュール組みを心がけましょう。
医師の面接で応募先が第一にみるのが、医師として戦力になるかどうかです。不足している人員を補うスキルや経験があるか、専門医や指導医の資格があるかなどが判断材料となるでしょう。
しかし、医師としてのスキルや経験以外にも、人柄や意気込みも応募先がみているポイントの一つになります。
スキルや経験に加えて、コミュニケーションの取り方をはじめとした人柄も、応募先は重視しています。例えば、病院であれば医師だけでなく、看護師や作業療法士などさまざまな医療従事者が勤務しています。病院に勤務する医療従事者と協調しながら仕事にあたるためにも、コミュニケーション能力は欠かせません。また、コミュニケーション能力は患者さんと触れ合う際にも求められます。
他にも、緊急事態であっても落ち着いて対応できる冷静さなど、医師として求められる人柄をアピールしていく必要があります。
スキルや経験や人柄に加えて、そこで働きたいという意気込みも面接で評価されるポイントです。どれだけスキルや経験が豊富で医師としての人柄を満たしていても、意気込みに欠けるのであれば、応募先は採用に躊躇(ちゅうちょ)してしまうでしょう。面接では意気込みもしっかりと伝えることが大切です。
医師の面接で聞かれやすい質問と回答の注意点を解説しました。面接前にこれらの質問に対する回答を自分の言葉で準備しておき、実際の面接では落ち着いてハキハキと回答しましょう。
また服装にも注意し、自分のやる気や入職したいという気持ちを感じ取ってもらいましょう。
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