医師は初期臨床研修が終わると、次に専攻医として知識や技能を習得します。専攻医になるとアルバイトが認められようになるため、アルバイト先を探している方もいるかもしれません。
まずは、専攻医の年収がどれくらいなのか知っておきましょう。
本記事では、専攻医の平均年収と、アルバイトをスタートする際のポイントや注意点について解説します。
参考サイト:資産運用3.0
専攻医は2年間の初期臨床研修の後、3年以上の専門研修を通して各基本領域学会で定められた知識や技能を習得する必要があります。(※)例えば、24歳で医師国家試験に合格して、2年の臨床研修を得た後に専門研修を行うとすると、29歳から30代前半が専攻医の年齢にあたります。
厚生労働省の『令和3年賃金構造基本統計調査』によれば、専攻医の年齢にあたる29歳から30代前半で企業規模計10人以上の病院やクリニックなどに勤務する医師の平均年収(ボーナスなど含む)は次のとおりです。(※)
年齢層 | 男女合計 | 男性 | 女性 |
25歳~29歳 | 約654.7万円 | 約697.1万円 | 約581.5万円 |
30歳~34歳 | 約939.2万円 | 約1,007.2万円 | 約781.6万円 |
なお、25歳から29歳には臨床研修医も含まれているため、専攻医だけの年収でみると上記よりも高くなる可能性があります。また、35歳以降に専攻医になるケースもあるため、上記の平均年収は参考として捉えておきましょう。
専攻医にあたる25歳から34歳の年収はどれくらいなのでしょうか。厚生労働省の『令和3年賃金構造基本統計調査』が発表した、5人以上の常用従業員を雇用する民営事業所、10人以上の常用労働者を雇用する公営事業に勤務する一般職の25歳から29歳、30歳から34歳の平均月収をもとに年収を計算すると、次のようになります。(※)
年齢層 | 男女合計 | 男性 | 女性 |
25歳~29歳 | 約295.4万円(平均月収:約24万6,200円) | 約303.9万円(平均月収:約25万3,300円) | 約283.4万円(平均月収:約23万6,200円) |
30歳~34歳 | 約330.9万円(平均月収:約27万5,800円) | 約348万円(平均月収:約29万5,000円) | 約298.2万円(平均月収:約24万8,500円) |
先述の専攻医の年収はボーナスなども含まれているため、ボーナスを抜いた専攻医の年収は次のとおりです。
年齢層 | 男女合計 | 男性 | 女性 |
25歳~29歳 | 約634.9万円 | 約678.3万円 | 約559.8万円 |
30歳~34歳 | 約886.5万円 | 約952.6万円 | 約733.4万円 |
ボーナスを抜いた年収であっても、専攻医の平均年収は同年代の平均年収と比較すると25歳から29歳では約339.5万円、30歳から34歳では約555.6万円ほど高くなっています。
初期臨床研修を終え専攻医になる際には、内科、小児科、皮膚科、精神科など、その後にスキルを高めたい基本領域を選択します。独行政法人 労働政策研究・研修機構は『勤務医の就労実態と意識に関する調査』によると、基本領域となる科の平均年収は次のとおりです。(※)
基本領域 | 平均年収 |
内科 | 1247.4万円 |
小児科 | 1220.5万円 |
皮膚科 | 1078.7万円 |
精神科 | 1230.2万円 |
外科 | 1374.2万円 |
整形外科 | 1289.9万円 |
産婦人科 | 1466.3万円 |
眼科 | 1078.7万円 |
耳鼻咽喉科 | 1078.7万円 |
泌尿器科 | 1078.7万円 |
脳神経外科 | 1480.3万円 |
放射線科 | 1103.3万円 |
麻酔科 | 1335.2万円 |
救急科 | 1215.3万円 |
なお基本領域には病理、臨床検査、形成外科、リハビリテーション科、総合診療も含まれます。『勤務医の就労実態と意識に関する調査』では病理、臨床検査などの平均年収を発表していません。その他の科として1,171.5万円を平均年収とし、眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科は一括りで発表されています。
このように、同じ専攻医であっても選択した基本領域によって収入が異なる可能性があります。『勤務医の就労実態と意識に関する調査』に基づくと、最も平均年収が高いのは脳神経外科です。(※)これは非常時の病院召集や手術などでの拘束時間が長いためと考えられます。専攻医になると、対応する診療業務も幅広くなり、手術や処置を担当する場合もあります。
専攻医は大学病院以外の病院で研修を受けるケースもあります。研修先の経営形態によっても次のとおり年収が異なります。(※)
経営形態 | 平均年収 |
国立 | 882.4万円 |
公立 | 1347.1万円 |
公約 | 1353.4万円 |
社会保険関係団体 | 1280.7万円 |
医療法人 | 1443.8万円 |
専攻医の中でも医療法人が勤務先である場合、平均年収は最多の1443.8万円です。一方、最も平均年収が低かったのは国立の病院でした。(※)
専門研修プログラムを経て専門医取得を取得した後、医師として活躍を続けると年収はどのように推移するのでしょうか。34歳まで専攻医としてスキルを積んだ場合の、企業規模計10人以上の病院やクリニックなどに勤務する35歳以降の年収推移(ボーナスなど含む)は次のとおりです。(※)
年齢層 | 男女合計 | 男性 | 女性 |
35~39歳 | 約1259.4万円 | 約1297.3万円 | 約1136.6万円 |
40歳~44歳 | 約1478.1万円 | 約1521万円 | 約1307.5万円 |
45歳~49歳 | 約1655.7万円 | 約1738.8万円 | 約1342万円 |
50歳~54歳 | 約1908.6万円 | 約1927.1万円 | 約1829.6万円 |
55歳~59歳 | 約1701.2万円 | 約1760.2万円 | 約1400.9万円 |
60歳~64歳 | 約1833万円 | 約1861.3万円 | 約1381万円 |
65歳~69歳 | 約1783.4万円 | 約1812.9万円 | 約1585万円 |
70歳~ | 約1607.2万円 | 約1672.1万円 | 約786.5万 |
男女合計でみると、50歳から54歳の平均年収は約1908.6万円と最も多いです。また、男性、女性どちらも50歳から54歳の平均年収が最多という結果になっています。(※)
専攻医は臨床研修医を終えているため、一定のスキルや経験を積んでいる状態です。そのため、現場でも貴重な戦力として重宝されるでしょう。しかし、病院によっては専攻医を正規の職員とは別の給与体系にしているケースがあります。このようなケースでは業務に対しての給与に不満を抱いてしまうかもしれません。専攻医としての給与や年収を上げるには、外勤と呼ばれるアルバイトに取り組むのがおすすめです。
専攻医は原則アルバイトが認められています。しかし、専攻医の前段階である臨床研修医はアルバイトが認められていません。2年間の臨床研修医中に収入に不安を覚えたとしても、アルバイトはできません。アルバイトをするのであれば研修終了後の専攻医の段階まで待つのが大切です。
医師の属性がよく、年収を上げたい方は、不動産投資もぜひご検討ください。
医師は融資の条件がいいだけではなく、本業で忙しくても、不動産が家賃を稼いでくれます。不動産投資で効率よく資産増やしたい方は、ぜひ実績がある専門家が登録されているEstate Luvから信頼できるパートナーを選びましょう。
医師のアルバイトには、決まった曜日や周期で定期的に勤務する定期非常勤と単発で勤務するスポットがあります。専攻医は日中に忙しくなる可能性があるため、アルバイトをスタートするのであれば、単発で勤務可能なスポットバイトから始めてみましょう。
スポットバイトに慣れてきたら、定期非常勤のアルバイトにもチャレンジしてみることがおすすめです。
専攻医はスポットのアルバイト(スポットバイト)からスタートするのがおすすめです。スポットバイトの中でも次のようなアルバイトを検討してみましょう。
寝当直とは、待機時間が多く睡眠がとれる当直のことをいいます。比較的余裕を持って勤務できる当直で担う業務は、主に次のとおりです。
ただし寝当直は一般的な当直と比較すると身体的な負担が少ないという特徴があります。そのため、日中の専門研修で疲れている場合も、体力を使わずにダブルワークが可能です。
寝当直は他の当直と比べると給与が低い傾向にあります。一般的に当直のアルバイトの給与は医師にかかる負担に左右されるため、比較的負担の少ない寝当直は給与が低いとされています。
もし寝当直の求人で他の当直と変わりのない給与のものがあれば、業務負担が大きい可能性があるため、事前に業務内容を確認しておきましょう。
健診アルバイトの中でも、一般健診は基本的な身体診察がメインのため、科目を問わず対応可能です。健診アルバイトが未経験という場合は一般健診からスタートしてみましょう。
中には胸部X線の読影や内視鏡など専門的なスキルが求められる健診もあるため、アルバイトの応募前にどのような健診内容なのかをしっかりと把握しておくことが大切です。
健診の中でも企業を対象にした出張健診は始業前に行われるケースがあるため、仕事開始が早朝になる可能性があります。また、出張健診は現地集合のケースが多いため、事前に会場までのルートを把握しておきましょう。さらに企業や学校への訪問となると、服装を始め、医師として丁寧な対応が求められます。
専攻医がアルバイトをする際は次のような注意点を押さえておきましょう。
専攻医のアルバイトは原則認められています。しかし、研修先によってはアルバイトを禁止している可能性もあります。そのため、アルバイト先を探す前に、研修先がアルバイトを許可しているかどうかを確認しておきましょう。
専攻医がアルバイトをする場合は、勤務条件を確認しておきましょう。確認を怠ったまま応募をして採用されてしまうと、想像よりも勤務時間が長かった、1回あたりの給与が異なったといった結果になりかねません。
そのため、アルバイト先には次のような条件を確認しておくようにしましょう。
アルバイト先によっては、研修先と異なる電子カルテやシステムを使用している可能性があります。人材紹介会社を経由してアルバイトに応募した場合、アルバイト先で使用しているシステムやルールについて事前に人材紹介会社に確認できる可能性があります。
普段使用していないシステムだったために対応が遅れたということがないように、事前にしっかりと確認しておきましょう。
専攻医は一定のスキルや経験を有していますが、不慣れなアルバイト先では自身で判断を下せないケースも出てくるでしょう。このような際の相談先・連絡先を事前に確認しておく必要があります。トラブルが発生した際の相談先だけでなく、対応が難しい症例の紹介先も確認しておきましょう。
専攻医がアルバイトをする際は確定申告を忘れずに行うようにしましょう。確定申告をする必要があるのは、アルバイトでの収入が20万円を超える場合です。(※)
専攻医のアルバイトは給与が高い傾向にあるため、すぐに20万円を超える可能性があります。
確定申告を行わなかった場合は加算税や延滞税が発生してしまうため、忘れずに確定申告を行いましょう。
専攻医は臨床研修医を経て、3年以上の専門研修を行う必要があります。24歳で医師国家試験に合格して2年の臨床研修を経験している場合、専攻医の年齢は29歳から30代前半です。この年齢の医師の年収は25歳~29歳であれば、約654.7万円、30歳~34歳であれば約939.2万円とされています。
ただし、専攻医は選択した診療科によって年収が変わる可能性があるため、注意しましょう。
一部の医療機関では、専攻医を正規職員とは別の給与体系にしているケースがあります。そのため、専攻医としての収入に不安を感じてしまうこともあるかもしれません。今よりも年収を上げたい場合は、アルバイトがおすすめです。中でも寝当直や健診のスポットバイトは、初めてのアルバイトでも取り組みやすいでしょう。
専攻医がアルバイトをする際は、研修先がアルバイトを認めているか、アルバイト先の勤務条件、トラブル発生時に連絡先などを確認しておくことが大切です。
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