収入を理由にアルバイトを行っている医師のリアルな声をご紹介いたします。
以前は開業していたのですが、だんだんとジリ貧になってきて、
開業日を減らして空いた日はアルバイトに当てました。
最初は訪問診療や健診センターなどの定期非常勤勤務を主としていましたが、
開業を辞めてからは健診のスポットを中心にし、もう10年以上になります。
旅行に行ったり、趣味の時間に当てたり、時間を自由にするにはスポットが最適です。
夏休みは自分で好きに10日間位取ったりできます。スポットは上手く探すと割の良い仕事が取れます。
求人はネットで探せるので、受診人数・給料・拘束時間・通勤時間などを勘案して、コスパの良いアルバイトを選ぶようにしています。
遠い地方の出張健診は、交通費やホテル代も出る上にコストも良い事が多く、旅行がてらに行くのは最高です。
趣味の写真を撮っていた頃は、このお陰で稼ぎながら日本中の観光スポットを回ったものです。
最近は、年齢的にもきついバイトはしたくないので、受診者の少ない楽な案件を中心にしています。
胃健診の立ち合いなどは、給与は少なめですが、すごく楽です。
時間を持て余すので、何か時間つぶしのネタが必要です。
スマホやパソコンは禁止の事が多いので、読書や考え事にあてています。
春と秋の健診シーズンは、Dr.の人数より健診求人の方が多いようで、
直前になっても決まっていない案件も多いです。
ネットで見ていると毎日1万円位ずつ値が上がって行くので、オークションのようで見ていて楽しいです。
私も何回か恩恵に預からせていただきました。健診と言う仕事は、私には合っているようです。
収入だけでバイトを決めると、とんでもなく忙しい案件だったりします。
どうりで残っていた訳だと納得です。
また、場所もよく調べておかないと、駅からとんでもなく遠かったり、
駅からタクシーと書いてあっても、タクシーの全くいない駅だったりします。
電話で呼んでも車がいないので行けませんと断られたりします。
田舎のバイトは、よくよく下調べしないといけません。
健診は、患者では無く客商売と考えていることもあり、
いつもの診療のつもりで行くとビックリさせられる事が多いです。
診察も手早く終わらせて、待たせない事が重要です。
最初の頃はわからなくて、じっくり診察していたら何十人も並んでしまい怒られた事があります。
また、2人の医師で診察した時のことです。
隣の医師は整形外科の人でした。聴診は最低4か所以上当てましょうと決まっていたのですが、
どう想像しても1ヶ所しか聴いていないようでした。
ところが、受診者が腰が痛いなどと整形関係の訴えをすると、
とたんに丁寧な診察が始まり、最後は床に寝転んで腰痛体操まで教えていました。
もうビックリです。
お陰で、その間私は溜まった受診者を何十人も捌くはめになりました。
健診は低く見られているので、何も知らない若手が行かされる事が多いのですが、医学部では健診の方法は教えてくれません。
見よう見まねで覚えて行くことばかりですが、ちゃんと教育することが必要では無いかと思います。
いかに素早く診察しても、重要な病気だけは見逃さないテクニックが必要だと考えます。
やっぱり体験してみないと分からないですかね。
一日に300人も聴診するような学生健診はあまりお勧めではないです。