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医師のキャリア迷子…誰に相談したらいいの?本当に自分がやりたいことをみつけてキャリア形成していくには?若手医師キャリア座談会(前編)

更新日: 2025/04/21
医師のキャリア迷子…誰に相談したらいいの?本当に自分がやりたいことをみつけてキャリア形成していくには?若手医師キャリア座談会(前編)
2004年4月1日に開始された初期研修制度から約20年が経った現在、医師の教育体制が整えられた事で幅広い選択肢が生まれた反面、沢山の選択肢を前にキャリアに悩む若手医師も多いのではないでしょうか。
本記事では、医師10年目を超えて家庭と仕事を両立する3名の医師から聞いた「若手医師時代の過ごし方」や「キャリアの相談方法」等の座談会の様子をお伝えします。
座談会参加医師の紹介
lemon(15年目男性医師/感染症専門)
500床以上の急性期総合病院勤務。妻は非医療者で子ども2人。基本的に定時退勤を目指すが、時間外に海外との会議なども行う。
あらた(10年目男性医師/呼吸器外科)
500床以上の大学病院勤務。妻は非医療者で子ども2人。帰宅後は子供たちの入浴と寝かしつけを担当。
サン(12年目女性医師/内科系専門)
800床以上の急性期総合病院勤務。夫は非医療者で子ども2人。子供たちのお迎えがあるため定時退勤。

 

若手医師時代の過ごし方について

――若手医師は色々とキャリアに悩んでいることと思います。ご自身のことを振り返った時、先生方の若手時代の過ごし方はいかがでしたか? 具体的にキャリアを考えたタイミングなどはありますか?

サン:もともと再入学組だったこともあり、医学生時代に志望科をほぼ絞っていました。そういう意味では早めのキャリアスタートを切っていたかなと。しかし、大学には2名ほどしか担当科の医師がいなかったため、志望科専攻医ながら広く発信している方と直接コンタクトをとったりしていました。学会の若手医師セミナーにも参加し、「将来的にこのようなキャラとスタンスで仕事をすることになる」という空気感と自分のキャラ・イメージに大きく違いがないことを確認しつつ最終的に進路を決めたような気がします。初期研修医の時は業務に忙殺されてあんまりキャリアを悩む時間はなかったですね。

医学生の時に大枠の進路(まず総合内科専門医は最低とる)を決めておいたため、後期研修は内科専門医を最短で取れそうな市中病院にしました。

Lemon:私は、医学部5年生の時の病院見学で知り合った1つ上の他大医学生から色々と話を聞いて感染症に興味をもちました。感染症に興味をもったのは「臓器に限定されないという点」と「まだ当時は臨床感染症が日本で普及していなかったという点」からでした。

その後、セミナーなどに参加して、多くの先生方から話を聞き、初期研修先は感染症に強い医療機関に。教育体制があって、経験を沢山つめるような施設であることを重視しました。
私が後期研修医に進んだ時は、いわゆる米国式の教育システムを取り入れた流派しかありませんでしたが、今はそこから派生した流派ができ、教育システムも施設ごとに異なるなどしてやや不十分な施設も出てきていますね。現在、感染症分野は、内科の二階建て部分に相当するため、内科後期研修のあとにフェロー期間が必要となります。

あらた:医学部後半から外科系に進みたいと、ほぼ進路を決めていました。私も学生研修医の時に学会のサマースクールなどに参加して……。大学病院での初期研修のときに出会った呼吸器外科の教授がとても紳士的で憧れて呼吸器外科に進路を決めました。

――内科系のサン先生、Lemon先生は初期研修を終えて専門研修にスムーズに移られたんですね。外科系のあらた先生は、内科が主体の初期研修期間をどのように過ごされましたか。

あらた:大学病院での初期研修の時は、「最も苦手な内科系を学ぼう。相談できる人を探そう」ということを意識していました。この先20年も30年も外科医として働くとなると、研修医の頃の縫合の回数が多いか少ないかなどは些細な差で、それよりも「苦手分野を学べるのは今だけだ」という気持ちで内科は腎臓、神経、呼吸器をローテーションしました。

また、様々な疾患の初期対応やコンサルの肝を学びたかったため、3次救急と総合診療部は2年次に半年以上ローテーションしました。今も専門外のことで困った時は当時のまとめノートも参考にしています。

今の外科若手は初期研修、後期研修とずっとローテーションをさせられて「早く専門を学んで独り立ちしたいのに!」と焦っている人が多いように思いますね。しかし、卒後10年目ともなると裾野の広い引き出しの重要性に気付きますよ。ローテートで培った他科との交流により研究や臨床の幅も広がると思うので、ぜひ1つ2つでよいのでそれぞれの科で一生ものの知識を得ながら、ローテも頑張ってほしいなと思います。

――素晴らしい心がけですね。頭が下がります。

あらた:ちょっと真面目な人のように書きすぎてしまいましたが、学生の時の成績が芳しくなく、不安すぎたので、なんとか色々と工夫して人並みになろうとしていただけだったことを補足しておきます笑

 

キャリア迷子に陥った時期と脱却方法

――後期研修へ進んでからの道のりはいかがでしたか? 途中でキャリアに迷うことなどはありましたか?

サン:何を軸にキャリア構築するかって重要だと思います。私は、年齢重ねてから医師になり、結婚も子どももほしいと研修医30歳時点で思っていた人間でしたので、「子育てマミートラック内でも食いっぱぐれないように、かつやりたいこと諦めずに済むように、専門医を最短で取る」ということがキャリア構築における軸でした。

そして、希望の専門医取得には「筆頭論文が必須」だったため、論文指導をしっかりしてもらえるよう施設という点を重要視しました。しかし、後期研修の最初で行き詰まってしまい、キャリアのメンターに助けを求めました。

あらた:自分の1番のキャリア迷子は外科専門医を取得し、一般的な肺葉切除をひと通りこなせるようになった頃でしたね。私の医局は少人数で、上司から丁寧な指導を受けていたものの、専門性を高め、強みをつくって情報発信していくことについて相談できるような人がいなかったのも事実でした。「大学でキャリアを積んでもお金にならない」という先輩の愚痴を聞いていると、子どもが生まれたタイミングと重なったこともあり、このまま外科ひと筋でいくかどうかに本気で悩んだのです。転職サイトや書籍を読み、開業や美容外科への転科も考え、いくつかの面接にも行きましたよ。

そんな悩みを抱えていた2024年、SNSでオフ会や勉強会に参加するようになったのは大きな転機でした。そこで外との交流に自信をつけ、学会でQOLなどの発表があれば積極的に質問をして名刺交換し、継続的に情報交換やご指導を受けるようになり、自分に大きな変化が生まれたと思います。SNS経由で外科スキルアップの半年コースにも参加しました。手術ビデオのプレゼンを通じて手技の甘さを厳しく叱咤され、毎回泣きそうになりながらも本当に成長できたと感じますね。自分から環境を変えることの大切さを実感しました。

Lemon:自分が初期研修医から後期研修医に進んだ時は、日本国内で臨床感染症を学ぶことができる施設が限られていたため、あまり迷わなかったんですよね。現在のほうが認定施設も増え、施設選びを迷う人が多いと思います。

また、感染症分野を目指すならば、総合内科力が必要です。私もそうでしたし、これから目指す人も内科力をつけてから専門に入るほうがよいと思っています。しかし、今の若手は早くから専門性を磨きたいという人が多いイメージですね。

――サン先生のような計画的なキャリア構築は効率を求める今の若手にもフィットしますね。あらた先生は、悩んで自ら動かれた結果、新たな視座を切り開いてこられたのですね。lemon先生は学生の時の見学がきっかけになったとのこと、早くから積極的に動き出すことの重要性を改めて感じます。

 

医師キャリアの相談相手は?

――キャリアの相談についてはどなたにされましたか? 話してよかったという相手はいましたか?

Lemon:上司やちょっと上の先輩、同僚、他施設の先輩・同僚などに色々と話を聞きました。海外の知見も豊富でアカデミアでも活躍されているICN(感染管理専門看護師)の方にも、現時点での日本の感染症領域に何が不足していて、今後どうしていくべきかなどについて相談して……。仲間と話しながら自分の道を進めることは心強いですね。

サン:私は、多忙すぎた後期研修の施設が合わずにいったん中断して施設を変更することにしました。そのときは、社会人経験が長くて論点整理できる非医療者の友人が相談に乗ってくれて……。キャリアに必要な優先順位を整理しながら話をしてくれたので、次の施設をどう選ぶかなどが整理されてキャリア迷子を脱出できました。相談相手は非医師でも大丈夫でしたし、何なら医師のキャリア経験を踏まえない分、視点がフラットだったのかなと感じます。

あらた:今の大学にキャリアマネジメント室があり、国際キャリアコンサルタントの資格を持った職員がフラットな立場でキャリアの相談に乗ってくれます。外科医としての具体的なキャリアプランを提案するというよりは、強みや目標をヒアリングしながら整理して定期的に目標達成の進捗を確認してアドバイスをしてくれる形ですね。自分は昨年から毎月相談しおり、医局や家族にも言いにくいこともフラットに相談できるのが助かってます。

 

キャリア迷子の際は『誰かに相談』がおすすめ。相談で希望のキャリアが明確になることも!

若手医師として日々の診療に追われていると、「本当に自分がやりたいこと」が見えなくなったり、相談できなかったりすることも多いかと思います。もし今「キャリア迷子」に陥っている場合は、先生方のように誰かに相談して、自分の優先したいことを整理したり、思い切ったチャレンジを試してみたりするのも良いかもしれませんね。後編では、若手医師のプライベートとキャリアのバランスについて語ってもらいます。

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