子どもを医師へ育てるには?準備必須!教育、費用の戦略(前編)

目次
今回は、子育てと仕事を両立する現役医師3名にお集まりいただきました。お子様を医師へと導くための具体的な教育方針や、避けては通れない費用の現実まで、リアルな声を座談会形式でお届けします。
さっちっち:13年目女性医師/産婦人科・婦人科
子ども2人(小1、小3)
しま:17年目女性医師/腎臓内科
子ども3人(小3、小1、3歳)
kotatsu:18年目男性医師/内分泌糖尿病内科
子ども2人(中1、小2)
医師が子どもを医師にしたい理由とは?
——まず、先生方がお子さんを医師にしたいと考えられた理由を聞かせてください。
さっちっち:自分が医師となり、その素晴らしさを実感したからこそ、子どもにも勧めたい、というのが率直なところです。もともと、私が医師を目指した理由は、人の体のしくみに興味があったのと、自分の手で外科的に病気を治したかったからです。実際に医師になるとやはり学問として面白く、人の命に関わることを私が判断し、決定することにやりがいを感じています。
しま:親が「この仕事を選んで良かったと思える」というのは子どもにとっては一番説得力があり、かつ憧れにもなりそうですね。私自身も、医学という学問は奥深く、常に進歩し続ける分野での学び、一生涯にわたって成長し続けられる専門性もあり、非常にやりがいがあると感じています。
さっちっち:さらに、素晴らしい先生方もたくさんいらっしゃいます。そうした方々と一緒に仕事をする、というのもひとつの魅力ですね。
kotatsu:私の場合は両親が医師だった影響があると思います。小さい頃から漠然と医師になるのかな、というイメージでした。勉強の面でも、医学部が最難関であること、すればするほどきちんと自分に返ってくるというやりがいがあったこともあります。また、患者さんから評価していただいたり、感謝されたりするのも医師ならではの喜びです。
——医師の仕事はハードなイメージもありますが、そういった点からはどうお考えでしょうか?
さっちっち:実は、医師にはさまざまな働き方があります。出産してからは、非常勤やスポットという働き方があることが、本当にありがたかったです。ほかの職業だと、いざ復帰となると0か10か、時短でも8くらいの働き方になってしまうと聞いたことがあります。
kotatsu:今後は変化するかもしれませんが、非常勤という形で、うまくワークライフバランスを組み立てられる職業ってほとんどないのではないかと思います。仕事はつらいときもありますが、働き方のバリエーションが豊富であることは、自分の無理のない範囲で働く選択ができますよね。
——ハードな勤務形態がある一方で、働き方の選択肢も多いんですね。
しま:そうですね、多様な働き方が選択できます。実際に、私は少し前までは常勤でどうにか続けていましたが、しっかり子どもと関わりたいと思い、今は常勤をやめて自由に働いております。思い立った時に割と思い通りにできるのは、医師ならではです。
さっちっち:非常勤の仕事も今のところたくさんありますし、お給料の面でも安心ですので、自分の子どもじゃなくてもおすすめします。
しま:そうですね、私は最強の国家資格なんじゃないかなと思っております。
kotatsu:給与面は今後どうなるかわかりませんが、ひとまずは安定していて、やりがいもあり、尊敬もされ、という職業はほかにあまりないと思います。やはり、可能なら医師になってほしいなと思います。
三者三様の教育方針と受験体験
——先生方の教育方針や大切にしていることについて聞かせてください。
さっちっち:ペーパーでの勉強もしてきましたが、幼少期に意識して大事にしてきたことは、実体験です。スマホでもタブレットでも一瞬でなんでも調べることができる時代です。しかし、実際に見て触って、自分で経験したこと、感じるものを大切にしてきました。どんな子でも元々は知りたがり、やりたがりだと思うのですが、親の関わり方次第でその好奇心が育つかどうか、非常に影響があるのではないかと思います。また、読み聞かせも大切にしました。
kotatsu:やはり、読み聞かせは大切ですよね。ただ、それで本が好きになるかなどは個人差もあるのかな、と感じました。また、できるだけ豊かな経験をさせたいというのは皆さんにも共通するんじゃないかと思います。我が家では、読書のほかにも運動はできるだけするように、心がけました。
しま: 我が家でもも小さい頃は運動をさせるようにしました。医師は体力も必要です。今の子は外で遊ぶ機会も減っていて体力がない気がします。読み聞かせについては、確かに個人差がありそうですが、本を好きになるためには大切かなと思います。絵本や本を読むことはなるべくするように心がけています。
kotatsu:あとは、勉強自体を好きになってほしいと思っています。小学生になると周りの友達の影響というのをすごくうけやすく、男の子はゲームなどに流れやすくなるなと感じます。そのあたりのコントロールが重要です。
——具体的な教育の仕方や受験の経験について教えてください。
さっちっち:私のところは、小学校受験をしました。中学校受験を避けて、幅広い学習をさせたいと考えています。実は、幼稚園受験もしていて、ほとんどの方が小学校受験をする幼稚園に通いました。小学校受験は親も大変でしたが、挑戦してよかったです。私立小学校が求めているのは、家庭の方針と学校の方針が一致していること。各家庭でどのように子供に向き合っているかが重要視されます。もちろん受験のために勉強もたくさんしましたが、頭の使い方の基礎となったように思います。小学校受験でも大事だったのは、実体験でした。
しま:実体験を重視されている、というのは、校風によるのかもしれませんが、とても素晴らしいです。
さっちっち:そうですね。田植えや稲刈りをしたり、季節の行事毎に食べ物や飾るものを一緒に用意したりなど。受験がなかったらどこまでやっていたかわからないことにもたくさん取り組みました。小学校受験をしなければ経験できなかったことを、親子共々できたことは本当によかったと思っています。
しま:小学校受験は「お受験お受験」という感じなのかな、とイメージしていましたが、素晴らしい体験ですね。
kotatsu:私の家庭では、小学校は校区としても人気があったため、中学校受験のことしか考えておらず、受験のために小3くらいから塾に行かせました。第一志望に受かったのですが、親子共々ストレスも大きく、かなり苦労しました。運動についても、毎朝テニスに連れ出して頑張りました。
しま:受験は大変ですよね。第一志望に受かられて本当に良かったです。我が家は、知り合いの先生が小学校2年生から塾に通わせたと聞いて、3年生になる直前の小2の春休みから慌てて塾に行き始めました。
さっちっち:私のところは小学校受験後の次は大学受験になるんですが、塾は小学校1年生から通っています。
子どもの教育にかかる費用の現実
——それでは、多くの先生方が最も気になっていると思われる費用について、具体的にお聞きしたいと思います。
しま:私なりに一般的なデータを調べてみました。大学までを含めると、医学部の場合は国立か私立かで大きな差が出るため、まずは高校までの学費を検討してみることとしました。日本政策金融公庫のデータにはすべて公立のケース、すべて私立のケースが記載されています。小学校まで公立で中学以降私立もパターンとしては多いだろうと考え私なりに推計してあります。下記費用には塾などの学習にかかる費用や習い事も含まれた費用です。なお、医師家庭における塾や習い事にかける費用は、一般家庭よりも多いと予想され、仮に月に1万円余計に支出するとすれば12年間で約150万円ほどは上乗せになります。
【子どもの高校までの教育にかかる費用の内訳と総額】
| 幼稚園から高校まですべて公立 | 約574万円 ※1 |
| 幼稚園から高校まですべて私立 | 約1,838.5万円 ※1 |
| 幼稚園、小学校が公立で中学校、高校が私立 | 約1,004.5万円 ※2 |
https://www.jfc.go.jp/n/finance/ippan/kyoikuhi/cost.html
※2日本政策金融公庫のデータより執筆者が推計
https://www.jfc.go.jp/n/finance/ippan/kyoikuhi/cost.html
kotatsu:おっしゃるとおり塾代なども含めると、上乗せになりそうです。もしかしたら300万くらいは余計にかかるかもしれません。
——大学入学前までに、公立、私立を選択するかで幅がありますが、約1000万~2000万円弱かかりそうですね。実際の習い事の費用や学校の費用を具体的に教えてください。
kotatsu:就学前は英語・テニス・スイミングで年間約30〜40万くらい、中学受験のために、小4〜6の3年間で約200〜300万円くらいでした。学校の費用として、私立の中高一貫では最低でも授業料など含め500〜700万となります。受験の準備と学校の費用で1,000万はかかるのかと考えるとかなりの支出ですね。習い事代なども含めると1,300万程です。中学校入学後、塾に行く家庭もあるかと思います。そうなるとさらに費用がかかり、大変ですね。
さっちっち:娘たちの小学校の授業料は6年間でざっくり700万くらいです。このほかに制服や教材費などが別にかかります。私立小学校の平均は900万超えるようなので、私のところはやや安めです。習い事は年間100万超です。長期休みは講習やサマースクールに行くので、そこから年20万くらいプラスになります。今まで見ないようにしていましたが、大変です。
しま:私もこうやって改めて数字におこしていくと驚愕しました。やはり小学校が私立だと、6年間という長さも効いてかなりの金額が必要になりますね……。データで算出した1,800万というのも近そうです、実際は2,000万円前後といったところでしょうか。小学校が公立だとしても、今は少ししか働いてないので、働き方の見直しが必要かもしれません。
——先生方の実際にかけられている費用から考えると、中学から私立で1,300万円ほど、小学校から私立で2000万円ほど必要そうですね。高校までにかかる費用のお話が出ましたが、医学部入学の後の学費についてはいかがでしょうか?
しま:これも調べてみましたが、国立大学の2024年時点の標準額は、下記のとおりです。しかし、文部科学省の定める標準額の20%増を上限として、各大学が学費を決定できるため、一部の大学では標準額を上回る学費を設定しているケースが見られます。例えばある国立大学では642,960円に設定されており、標準額を上回っています。
【国立大学 学費の標準額】※2024年時点
| 費用の内訳 | 国立大学 |
| 入学金 | 282,000円 |
| 授業料 | 535,800円 |
| 初年度納入金 | 817,000円 |
| 6年間の学費の合計金額 | 3,496,800円 |
https://laws.e-gov.go.jp/law/416M60000080016
公立もほぼ国立に準じているおり、6年間で大体350〜400万円ほどかかる計算です。私立はそれぞれの大学で違いますが、6年間の総学費は1,850万円〜4,621万円ほどかかるようです。
kotatsu:公立大学では、県内生か県外生かによって、入学金が違うなどの学校もあるようです。私立大学の授業料は大体それであっているとおもいます。もっとかかるような話を聞いたこともありますが、授業料以外の費用がかかるのかもしれません。私が調べたところ、私立の大学では学費の値下げがされているところもあるようです。
さっちっち:私も夫も私立大学の出身なので、偉そうに言えないのですが、子どもたちには医学部なら国立を目指してほしいと、心から思います。私は元々国立志望で、浪人してやや学費の安い私立に入学したのですが、親には苦労をかけたと思います。
しま:先生がおっしゃる通り、費用の面からは、可能だったら国立がいいですね。そのほかにも実際は教科書代などがかかります。医学書は結構高く地味に負担でした。また、生活費もあります。
さっちっち:はい、数字ではっきり出てくる金額以上に、部活にかかるお金など、周辺のお金がだいぶ必要になります。
しま:私のところは夫が普通の会社員ですので、二人で頑張っても国立じゃないと厳しそうです。一人暮らしする場合、その費用もトータルすると700~1000万くらいかかりそうですし、子どもが3人いることなど考えると、国立に行けない場合は医学部を諦めてもらう選択肢になるかもしれません。自宅から通う形だとまだ可能性ありそうですが、二人が重なるとやっぱり厳しそうです。ただ、今改めてお話しながら、もし子どもが本当に行きたいと言っている場合に「諦めて」というのもつらいなとも感じます。
費用の面でも計画的な準備が必要
医学部入学後の学費は、入学金も併せて国立では350〜400万円ほど、私立では1,850万円〜4,600万円ほどかかることがわかりました。
大学入学前までで、一人当たり約1,300~2,000万円必要だったので、仮に一番費用が抑えられたとしても1,700万円かかる計算です。一番費用がかかる場合は、6,600万円となります。大学が国立か私立かで非常に幅はありますが、いずれにしても多大な費用が必要です。更に、大学入学後は生活費も発生します。子どもを医師にするためには、費用の面でも計画的に準備をする必要があることがわかりました。
後編では、これらの莫大な費用をどのように用意するかについて、具体的な戦略をお聞きします。
▼後編はこちら
子どもを医師へ育てるには?準備必須!教育、費用の戦略(後編)
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