精神科スーパー救急病棟とは急性期の患者を受け入れ、できるだけ早く元の生活に戻れるように治療を行いながら、退院後の生活を見据えた支援を行う精神科の専門病棟です。本記事では精神科スーパー救急病棟の概要や認可条件、目的や治療方法などを解説します。本記事を参考にして精神科スーパー救急病棟に対する理解を深めましょう。
精神科スーパー救急病棟とは、精神科救急医療を主に行う精神科の専門病棟のことで、精神科救急入院料病棟とも呼ばれます。2002年に診療報酬表に掲載され、1996年に設定された精神科急性期治療病棟をしのぐという意味から、精神科スーパー救急病棟と呼ばれるようになりました。(※1)
精神科スーパー救急病棟の診療報酬は、精神科の入院料において最上位の区分となっています。高い入院料がかかりますが、その分多くの医師・看護師が配置されており、手厚い治療が可能です。
救急というと24時間体制で重症患者を受け入れる2次救急や、高度な救命救急医療を提供する3次救急など、急患を受け入れることをイメージする方が多いかもしれません。精神科スーパー救急病棟は重症患者を受け入れるのではなく、病気になりはじめの時期や急に症状が現れる急性期において、集中的な治療が必要となる患者を対象としています。
精神科スーパー救急病棟は質の高い治療を行う必要があることから、認可を受けるには厳しい条件があります。そのため、精神科スーパー救急病棟の認可を受けている病院はごく一部となっています。2017年6月に日本精神科救急学会が示した認可施設一覧では、この病棟の認可を受けた施設は全国で127施設(合併症型を除く)しかなく、認可を受けた施設がない県もあります。(※2)
高規格の精神科病棟である精神科スーパー救急病棟の認可を受けるためには、次のような条件が定められています。どのような条件があるのか知っておきましょう。(※)
精神科スーパー救急病棟の目的は、社会的要請が強い超急性期の精神疾患を抱える患者の精神科入院治療を充実させることです。入院患者16名に対し1名以上の医師、入院患者10名に対し1名以上の看護師を配置しており、設備も充実しています。
精神的な部分だけでなく身体的救急としての部分も持っているため、患者に対して心身ともに配慮した治療を行います。更に治療を行いながら退院後の支援体制を整備し、一日も早く退院して元の生活に戻れるようバックアップすることも目的のひとつです。
かつて精神科といえば、長期入院になることが一般的でした。しかし、精神科スーパー救急病棟では急性期に治療を開始することで、患者の早期回復・早期退院を目指しています。
精神科スーパー救急病棟で行われる治療は、患者の症状によって異なりますが、薬物療法・心理療法・服薬指導・作業療法・生活技能訓練・栄養食事指導などが中心です。また、退院後の生活がスムーズになるよう、入院後の早い段階で精神保健福祉士によるサポートが開始されます。こういった入院治療を急性期の段階で適切に行うことで、治療効果向上を目指します。
本記事では精神科スーパー救急病棟の概要や認可条件、目的、行われる治療について解説しました。急性期の患者を対象とした精神科スーパー救急病棟は、スタッフや設備を充実させることで質の高い治療を実現し、患者の早期回復と退院後の早期社会復帰を目指しています。厳しい条件が設定されているため、認可を受けている施設はまだ少ないのが現状ですが、これからの時代に高いニーズがある専門病棟といえるでしょう。
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