医師の働き方は、医療機関で正規雇用として契約を結ぶことだけではありません。
個人事業主のフリーランス医師として決まった職場を持たない働き方もあり、正規雇用で働く場合とは異なったメリットやデメリットがあります。
本記事ではフリーランス医師について、メリットやデメリットを詳しく紹介します。
フリーランス医師とは、常勤医として特定の医療機関と正規雇用として契約を結ぶのではなく、個人事業主として複数の職場で働く医師のことです。スケジュールの調整や給与の交渉も自ら行います。
常勤医の定義については医療法で、原則として病院で定めた医師の勤務時間の全てを勤務する者とされています。(※)
上記のように勤務時間が決められている常勤医と異なり、フリーランス医師は自分の都合に合わせて自由な働き方が選べます。
一方で、個人事業主であるため自分自身で帳簿の作成や確定申告を行わなければいけません。
フリーランス医師は、働き方を自由に選べるのがポイントです。働き方は人によって異なりますが、代表的な例として2つの働き方を紹介します。
週3日や1日6時間など時間や曜日を決めて、一定の期間、定期的に働くのが定期非常勤です。働き先によって提示されている条件は異なるため、自分の条件に合った働き先を見つけて働きます。
フルタイムで勤務しなくてもよいため、子育て中で常勤医として働くのが難しい方でも働きやすいでしょう。その他にも、開業医として独立を検討している方が開業前に定期非常勤として働くなど、定期非常勤で働くフリーランス医師には様々なケースがあります。
正規雇用ではありませんが、定期的に働く機会があることから、フリーランス医師の働き方としては比較的給与は安定しています。
1日のうち数時間のみといった契約で働くのが、スポットバイトです。基本的には単発の仕事であるため、まとまった給与を得るためには工夫が必要です。
一方、スポットバイトは繁忙期の人手不足などを理由に臨時で募集されることも多く、給与は高い傾向にあります。隙間時間で働けるため、時間を有効活用できる点もポイントです。
人によっては、定期非常勤と組み合わせて働いていることもあります。数をこなせば、それだけ収入や経験値アップにつながるでしょう。
フリーランス医師には、常勤医にはないメリットが4つあります。それぞれみていきましょう。
フリーランス医師は、働く日時や場所を自身で自由に決められるため、自分の都合に合わせた働き方が可能です。
特定の曜日だけ・日によって2〜3時間といった短時間、のような働き方も選べるため、育児や介護と仕事の両立や、ワークライフバランスの充実といった目的にも適した働き方といえるでしょう。
定期非常勤やスポット勤務は、働く側にとってだけでなく、人手不足の医療機関などにとっても欠かせない存在です。働き方次第では、常勤医として働くよりも収入アップが見込める可能性もあります。
例えば、定期非常勤として複数の勤務先を持ったり、空いた時間をスポット勤務で有効活用するなど、働き先をうまく組み合わせることで高収入が期待できるでしょう。
どのような職場にも人間関係のトラブルはあります。決まった職場で働き続ける常勤医と比べて、フリーランス医師は特定の組織に属していないため、人間関係での悩みが少なくなる傾向にあります。
業務上コミュニケーションは必要ですが、常勤医よりもビジネスライクな関係を築きやすいのはフリーランス医師ならではのメリットです。
フリーランス医師は、複数の職場で働くという点で常勤医と大きく異なります。さまざまな職場で働きながら、自然と人脈を広げていくことが可能です。
働く上で人脈作りはとても重要です。開業医として働くことを検討していたり、医療ビジネスを展開する予定がある場合は、作った人脈が役立つかもしれません。
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フリーランス医師としての働き方にはメリットがある一方で、覚えておきたい5つのデメリットもあります。フリーランス医師として働く前に、あらかじめ確認しておきましょう。
フリーランス医師は、常勤医と比べると収入が不安定なことが多いです。正規雇用ではないため、いつ仕事がなくなるか分かりません。
定期的に仕事がもらえている方であっても、勤務先の都合で事情が変わる可能性は十分にあります。
また、正規雇用ではないため、福利厚生や各種手当が適用されません。例えば、厚生年金に加入しないため、老後に受け取れる年金の額も大きく違うでしょう。
長い目でみたときに、収入などの面で不安定であることは一つのデメリットです。
常勤医として特定の医療機関で働いていれば、何かトラブルがあった場合でも雇用主である医療機関が守ってくれます。しかし、フリーランス医師の場合、自分の身は自分で守らなければいけません。
仕事の中で発生した責任は全て自分で負う必要があります。また、スキルアップのための研修やセミナーの受講や、保険料の支払いの手続きといったことも自分で行う必要があります。
個人事業主として働く上で、帳簿の作成や確定申告といった事務作業は必須です。事務作業の時間がとれない場合は税理士に依頼することもできますが、費用が発生する点が懸念点です。
常勤医として働いていれば、経験に合わせて難しい症例を任せられたり、学会に出席したりとキャリアアップのサポートが受けられます。しかし、フリーランス医師の場合は、主に労働力不足の解消目的で募集されることが多く、責任ある仕事を任されるケースは少ないです。
常勤医と比べキャリアアップにつながりにくいことは、フリーランス医師として働くデメリットのひとつといえるでしょう。
常勤医と比べて、フリーランス医師は時間や場所にとらわれない働き方を選べるのがポイントです。周囲の人間関係に悩まされることも少ないでしょう。
一方で、職場環境が短いスパンで変わるのは、上司とのトラブルや左遷よりもストレスの原因になることもあり、人によっては大きなストレスに感じる場合もあるでしょう。
フリーランス医師として働く際に、あらかじめ覚えておきたいことを紹介します。
フリーランス医師は常勤医と違い、自分の都合に合わせた働き方ができるメリットがあります。ただし、そのためには自分の条件に合った求人を探す必要があり、条件によってはすぐ見つかるとも限りません。
しかし、専門的な知識や技術を持った医師のニーズがなくなることはありません。フリーランス医師として求人を探す際は、働く日時や業務内容など、自分の条件を踏まえた上で、根気強く求人情報を探してみましょう。
フリーランス医師として働きたいのであれば、転職エージェントや求人情報サイトの活用がおすすめです。条件に合った求人情報を効率よく探すことができるでしょう。
医師といっても、求められる知識や技術は多岐にわたります。診療科によってはフリーランス医師として働きやすい場合、逆にハードルが高い場合があります。
フリーランス医師でも働きやすい診療科の特徴は、以下の5点です。
例えば麻酔科医や放射線科医は人手不足の病院が多く、かつ引き継ぎ作業がシンプルなため、フリーランス医師として働きやすいとされています。
ただし、麻酔科医については注意が必要です。新専門医制度により、麻酔科専門医としての条件として、週3回は同じ施設に勤務することが義務化されたためです。(※)
一方、手術や入院対応はフリーランス医師には向いていないとされています。診療から手術、アフターフォローまで、ある程度まとまった期間をチームで担当するため、短期間や単発で働くフリーランス医師には難しいでしょう。
フリーランス医師としての働き方には、常勤医にはないメリットがあります。特に、自分の都合に合わせて自由に働き方を選べるのは、フリーランス医師ならではのメリットです。また、場合によっては常勤医として働くよりも高い収入が得られる可能性もあります。
一方で、正規雇用であれば適用される福利厚生や各種手当は受けられません。他にも、キャリアアップが難しい、確定申告などの事務作業も自身で行わなければならないといったデメリットもあります。メリットとデメリットを踏まえ、条件に合った働き方を探しましょう。
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