産婦人科医の年収は高水準!業務内容や働く環境と合わせて解説

目次
産婦人科医は他の診療科の医師と比べても年収が高く、働き方やスキルによっては30代で2,000万円を目指すことも可能です。しかし、働く地域や医療機関により年収に大きな差があり、当直や夜勤など労働時間が長い一面もあります。
本記事では、産婦人科医の年収事情や高給与の理由、働きやすさや仕事の満足度についてご紹介します。
産科・婦人科医の平均年収は高水準
産婦人科医の年収は病院・一般診療所によっても異なります。
妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会によると、分娩取扱施設における産婦人科の平均年収は、病院では、平均給与が1800万円以上となっており、一般診療所では、平均給与が2400万以上と高額な傾向です。(※)
ただし、分娩を取扱っている施設のみへの調査であることに留意が必要です。(※)
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001476650.pdf
産婦人科医の年収が高い理由
産婦人科医の年収が高いことには以下の理由があります。
産科の高給与理由①:当直や時間外勤務が多い
産科の場合、当直や時間外勤務が多いために年収が高いことが考えられます。出産は24時間365日いつ始まるか分からず、タイミングによっては夜間に重なることもあります。
産科の医師はオンコール待機や当直などで、すぐに対応できるように準備しなければいけません。
さらに、医師の人数が少ない施設であれば、勤務回数や対応数も多いでしょう。産科では割増賃金や手当の対象となる勤務が多いことから、年収も高くなる傾向があります。
産科の高給与理由②:慢性的な人で不足
産科は、人手不足で給与水準が高いことも挙げられます。前述のとおり産科はその特性上、激務になりやすい診療科の一つです。妊婦本人や胎児の生命を左右する判断や処置が必要なため、訴訟のリスクも高くなりがちです。そのため、若手医師は分娩が必要な産科医を敬遠する傾向にあります。
また、産科は診療科の中では女性医師の割合が高く、医師自身の結婚・妊娠出産・子育ての必要性から現場を離れることで、人材が不足するケースもあります。諸条件が重なり産科医が不足する施設や地域では、給与水準を上げてでも医師を確保したいため高給与となっている状況です。
婦人科の高給与理由③:不妊治療には専門技術が必要
婦人科の場合、女性特有の一般的な症状・病気の治療を行う病院と、不妊治療を専門に行うクリニックがあります。
不妊治療を専門で行うクリニックでは、自由診療分野も多く、医師には高い技術力が求められます。評判の良いクリニックでは、妊娠を望む夫婦が他県から来院することもあり、クリニックの収入も大きい点が特徴です。そのため、婦人科の医師は夜勤や当直がなくとも、高給与になるケースが多くあります。
産婦人科医の仕事内容
産婦人科医の仕事内容を見てみましょう。産婦人科とは、産科・婦人科どちらも対応する医療機関のことです。それぞれの領域で専門性が異なるため、どちらも対応している医療機関であっても、医師の業務内容は分かれていることがほとんどです。ここでは、産科と婦人科に分けて医師の仕事内容を解説します。
産科医
産科医は女性の妊娠から出産、産後のケアに必要な医療を提供する医師です。妊娠中の母子の健診や危険度の高い妊婦の管理、分娩施設のある病院では出産の介助も行います。自然分娩だけでなく帝王切開など、緊急時には手術を行う点も特徴です。
人工妊娠中絶も産科医の仕事の一つです。なお、中絶手術はどの産婦人科医でもできる訳ではなく、母体保護法指定医でなければ執刀できません。
婦人科医
婦人科医は月経の悩みや子宮の病気、更年期障害など、女性特有の症状全般を幅広く診療します。また、不妊治療を専門に行うクリニックなど専門性に特化した医療機関もあり、産科以上に患者の年齢幅が広い点が特徴です。
実際の仕事内容は、外来ではがん検診を始めとする各種健診、性病検査、月経管理のためのピル処方などがメインとなります。また、更年期症状などには、漢方を処方して対応するクリニックもあります。
婦人科でも手術をすることがあり、卵巣の良性腫瘍や子宮筋腫など、婦人科系の腫瘍が対象です。その際は、腹部か膣のどちらかからのアプローチとなります。
産婦人科医の働く環境
勤務医に関する各学会等による実態調査のデータを元に、高給激務とされる産婦人科医の働く環境に関して、実際の労働時間や医師自身の仕事の満足度を紹介します。
週当たりの労働時間
当直を除く1週間の勤務時間は平均48.4 時間。(※)大学の53.7 時間を筆頭に、都道府県立など帝王切開率・母体搬送受入数の多い施設で長時間で、総合周産期母子医療センターは一般医療施設より約7時間長い結果(※)となっています。 1カ月の当直回数は5.7 回他科と比較では依然トップです。(※)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000181816.pdf
訴訟リスクに対する認識
産婦人科は、他の診療科と比べると、比較的訴訟を起こされる確率が高くなっています。令和4年についてみると、産婦人科医の中で、自身が関係する医療過誤裁判が終結した医師の割合は、おおよそ、医師1000人に対して3.6人と比較的多くなっていました。(※)
産婦人科の場合、データからも訴訟リスクに対する不安がうかがえるため、働くときは産婦人科診療ガイドラインの尊寿や、インフォームドコンセントの実施によりトラブルを事前に回避することが大切になります。産婦人科診療ガイドラインとは、日本産科婦人科学会が発行する妊産婦の診療や症状別の安全な取り扱いを目指すためにまとめた資料です。
また、インフォームドコンセントとは、医師が検査や治療の方針を患者に説明し、同意を受けた上で開始する方法です。どちらも患者と医師、双方を守る取り組みのため、これらの仕組みが整った病院で働くとよいでしょう。
仕事の満足度
産婦人科医の仕事の満足度をご紹介します。産婦人科医の勤務先における仕事の質・内容に対する満足度(「満足している」「まあ満足」の合計)は68.7%と、全診療科中、麻酔科(69.3%)に次いで高い割合です。(※)なお、全診療科の平均は58.6%になります。(※)
また、賃金の満足度は47.6%と、全診療科中2番目に高いです。(全体平均は40.3%)(※)
産婦人科では、勤務時間も長く訴訟リスクの懸念はあるものの、全体的には自身の仕事にも給与にも満足している医師が多いことがうかがえます。高給激務というだけではなく、有給が取れる環境である場合も少なくない上、仕事自体にやりがいや満足感が多い点は産婦人科医の仕事の魅力でしょう。
首都圏の産婦人科医なら年収2,000万円以上も目指せる!
産婦人科医の年収相場は1800万~2400万と、他の診療科と比べても高額な傾向です。また、働く地域によっても差があり、都市部ほど年収が高い点も特徴です。高給激務とされるものの、産婦人科医自身の仕事に対する満足度は高いことから、やりがいのある仕事でもあります。
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