研修医(初期研修医・専攻医)の平均年収は?

目次
医師国家試験に合格した場合、指定された病院で経験を積み、研修医(臨床研修医)として働く必要があります。皆さんは研修医(初期研修医・専攻医)の平均年収はどのくらいなのか、研修期間中の医師と比べて研修を終えた専攻医の給料はどれくらい増えるのかご存じでしょうか。本記事では、初期研修医・専攻医の平均年収や、スポットや定期非常勤などのアルバイトで働く場合の給料の目安、研修医の給料の内訳を分かりやすく解説します。
初期研修医の平均年収
研修医といっても、医学部卒業後2年間の初期臨床研修を受講するの初期研修医と臨床研修を終えてから専門研修プログラムに参加する専攻医とでは、平均年収に大きな差があります。一般的に研修医は年収が低いというイメージがありますが、実際はどのくらいの給料がもらえるのでしょうか。ここでは、研修医の平均年収や民間企業との差を解説します。
研修医(臨床研修医)の平均年収は約450万円
研修医(初期研修医)の平均年収は約450万円程度と言われております。一方で、一般企業に勤める20代の平均年収は330~400万円程度となり、一般企業に勤める同年代よりは高い傾向です。
初期研修医に年収が低いというイメージがある理由
一部では、初期研修医は年収が低いというイメージがあります。一方で、医師には高給取りの職種というイメージがありますが、1年次の初期研修医が年収1,000万円を超えるケースは少ないでしょう。しかし、後の項目で紹介するとおり、医師の年収は年齢を重ねるにつれて大きく上昇していきます。また、初期研修医と同年代(25~29歳、大卒)の一般労働者の推計年収と比較すると、初期研修医の年収は高い水準にあります。一般労働者の平均年収を以下の表にまとめました。(※)
性別 | 賃金 | 平均年収 |
男 | 272,800円 | 3,273,600円 |
女 | 255,900円 | 3,070,800円 |
男女計 | 265,200円 | 3,182,400円 |
※平均年収は賃金に12カ月を掛けて計算
専攻医の平均給料
専攻医とは、2年間の初期臨床研修を終えて、日本専門医機構の専門研修プログラムに参加する医師を指す言葉です。専門研修プログラムへの参加は任意のため、専攻医にならなくても、医師として働くことができます。しかし、専攻医になるとより深く専門分野の医療を学ぶことができるため、ほとんどの医師は専門研修プログラムに参加しています。
以下の表は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和4年度)に基づいて作成された、年齢階級別の医師の給料です。(※)
年齢 | きまって支給する現金給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | 平均年収 |
20~24歳 | 420,300円 | 52,900円 | 5,096,500円 |
25~29歳 | 560,700円 | 233,300円 | 6,961,700円 |
30~34歳 | 770,000円 | 451,700円 | 9,691,700円 |
35~39歳 | 1,103,400円 | 968,500円 | 14,209,300円 |
40~44歳 | 1,117,700円 | 1,333,200円 | 14,745,600円 |
45~49歳 | 1,534,000円 | 1,642,000円 | 20,050,000円 |
50~54歳 | 1,353,500円 | 1,929,300円 | 18,171,300円 |
55~59歳 | 1,419,700円 | 1,780,400円 | 18,816,800円 |
60~64歳 | 1,360,700円 | 1,920,800円 | 18,249,200円 |
65~69歳 | 1,423,500円 | 1,382,200円 | 18,464,200円 |
70歳~ | 1,265,400円 | 703,200円 | 15,888,000円 |
※平均年収はきまって支給する現金給料額に12カ月を掛け、年間賞与その他特別給料額を合計して計算
2年間の初期臨床研修を終えた専攻医は、上記の表で25~29歳の年齢階層に当たります。個人差はありますが、専攻医なら平均6,961,700円の年収を得ることが可能です。また、医師の給料は年齢とともに上昇し、45歳から49歳にかけての平均年収については2,000万円の大台を突破しています。その後は年齢とともに平均年収は下がっていきますが、それでも1,000万円を下回ることはありません。
アルバイトの給料の目安は?
医師によっては、スポットや定期非常勤などのアルバイトをする場合もあります。
医師のアルバイト給料の目安は以下のとおりです。(※)
アルバイト | 給料相場 |
当直 | 3.5~4.5万円ほど |
当直(救急対応あり) | 6~9万円ほど |
健診(半日) | 1~4万円前後 |
健診(日勤) | 6~7万円前後 |
例えば、週1回、半日で健診のアルバイトをした場合、毎月4~16万円前後の収入を得られる計算です。研修期間の副収入として、アルバイトも一つの選択肢に入れましょう。
ただし、アルバイトをする際に注意が必要なのが、初期研修医は診療に関わるアルバイトができないという点です。厚生労働省によると、以下のように明記されています。
医師法第16条の2第1項では、「診療に従事しようとする医師は、臨床研修を受けなければならない。」、同法第16条の5で「臨床研修を受けている医師は、臨床研修に専念し、その資質の向上を図るように努めなければならない。」と規定されています。また、臨床研修に関する省令第10条において、「臨床研修病院は、届け出た研修プログラム以外の研修プログラムに基づいて臨床研修を行ってはならない。」と規定されています。
したがって、臨床研修期間中に診療のアルバイトをすることはできません。
医師法の規定によると、研修中の医師は臨床研修に専念しなければならず、届け出た研修プログラム以外の診療行為を行うことも認められていません。副業やアルバイトは、専攻医になってから認められます。
また、専攻医になっても所属先の大学病院や臨床研修病院の規定により、副業そのものが禁じられているケースもあります。副業やアルバイトをする際は、事前に病院側のルールを確認することが大切です。
https://www.jns2012.jp/
※参考:医師の健診アルバイトの正しい探し方.「医師 健診アルバイト」.https://www.jns2012.jp/
研修医の給料の内訳
研修医の給料の内訳は以下のとおりです。
- 基本給
- 当直手当
- 賞与
基本給、当直手当、賞与、それぞれの内容や仕組みを解説します。
基本給
基本給とは、病院から支給される給料のベースとなる部分で、一定期間働くともらえるものを指します。基本給には、時間外労働手当(残業代)、休日勤務手当、通勤手当や役職手当などの各種手当は含まれません。
一般的に、基本給は病院の給料テーブルを根拠として、年齢、能力、資格、勤続年数、役職などの要素によって変動します。30代や40代の医師で、年収が1,000万円を超えている人が多いのは、基本給が年齢とともに昇給していくためです。基本給は手取りではなく、基本給から税金や社会保険料、年金保険料などが控除された金額が手元に残ります。
当直手当
当直手当は医師にみられる手当の一つです。医師の中でも、当直医は診療時間外の病院で待機し、夜間の急患などに対応しています。夜間や休日の勤務は、労働基準法に基づいて、基本賃金の1/3以上の割増賃金の支払いが義務づけられているため、当直勤務をした場合は当直手当などの名目で手当を受け取ることができます。
賞与
賞与(ボーナス)は、医師の成果や実績(人事考課)に基づいて、基本給とは別に臨時で支給される給料です。一般的には、年1回または年2回(夏、冬)、賞与が支給されます。病院によっては賞与制度がないケースもありますが、ほとんどの病院が賞与を支給しているでしょう。
このように医師の給料は、大きく分けて基本給、当直手当、賞与の3つで構成されています。研修中の給料に不満がある場合は、当直手当が発生する当直勤務に従事することで、支給額を増やすことが可能です。
研修医の平均年収を知り、自分に合った求人情報を探そう
研修医の平均年収は、一般的な医師の給料よりも少なく、およそ320万円~420万円の範囲がボリュームゾーンです。また研修医の給料は、勤務先の勤務形態や都道府県によって変わります。大学病院ではなく、臨床研修病院の指定を受けた一般病院で働く場合、給料体系の差が大きいため事前に研修先の病院についての情報収集を行いましょう。
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