スキルアップを理由にアルバイトを行っている医師のリアルな声をご紹介いたします。
開業に際して、訪問診療の経験を得るためにアルバイトをはじめました。
今後、内科医として開業し、訪問診療をやっていく可能性があると考えましたが、
大学医局の外勤ではしたことがありませんでした。
一日がっつりと回るのは負担だったので、当直帯でのみ訪問診療の待機バイトを始めてみました。
何かしら訪問診療に携わってみたいと考え、バイトに応募しました。
待機であれば呼ばれないときは呼ばれないため、
救急外来の当直と比べて自分の時間もできるのも魅力の一つでした。
自分が経験のないことをさせてもらうので、雇う側にとっては当然不安な雇用になります。
できないことは誰にでもあるので、できないことはそこまでマイナスではないと思います。
ただその医療機関にはその医療機関のやり方や文化があるので、柔軟に対応することが大切です。
その医療機関の経営者のビジョンを理解して、
経営者と同じ目線で患者さんに接するよう努めることが信頼につながると思います。
「誰が自分を評価しているか」には目を配った方が良いと思います。
クリニック勤務の場合は事務長や院長はもちろんですが、
彼らに入ってくる一番の情報源は診察室にいる看護師です。
また訪問診療の場合は一緒に患者さんの自宅へ訪問する看護師やドライバーになります。
長く雇ってもらえるように、できることを増やすことは大切ですが礼節やコミュニケーションは、
どなたに対してもきちんとした方が良いですね。
小さなことでも、慣れてないと戸惑うこともあります。
訪問診療へ行き、自宅で死亡確認した際に剖検の話を家族にしてしまいました。
大学病院勤務の癖で話しておいた方が良いのかな、と思い家族に伝えましたが、
その医療機関ではそういった話は全てついた患者さんが在宅で終末期のケアを受けていました。
どういった流れで医療が提供されているのか、
非常勤ではわからないことも多いのでこういった小さなこともすべて経験だなと思いました。
どんな仕事をしていても、常に誰かから評価されています。
今後医者の数が増えていくことはわかりきっており、医療機関は「良いお医者さん」を求めています。
どんなことも自分の市場価値を高めるための経験だと思って、
謙虚に誠実に仕事をされた方がきっと自分にとっても実りが多いと思います。