年代別の医師のキャリアプランの考え方、医師のキャリアプランが重要な理由、自分に合ったキャリアプランを立てる方法についてまとめました。医師の選択肢は多様化しているため、理想とする医師を目指すにはしっかりキャリアプランを立てることが大切です。
医師としてのキャリアをスタートしたと同時に、先輩ドクターからキャリアプランを考えるようにとアドバイスをもらったことがある方も多いのではないでしょうか。医師のキャリアは年々多様化しており、病院で働く以外にもさまざまな活躍の場が広がっています。
自分が理想に描く医師として生涯活躍し続けるためには、しっかりとキャリアプランを決めておくことが大切です。
そこで今回は、年代別のキャリアプランの考え方について解説します。医師にキャリアプランが重要な理由や、自分に合ったキャリアプランを立てる方法も紹介するので、この記事を参考に、自分なりのキャリアプランを明確にしてみましょう。
昨今医師のキャリアプランの重要さが謳われていますが、どうして医師のキャリアプランが重要なのでしょうか。その理由から解説します。
従来医師のキャリアには医局の意向が大きく反映されており、出身大学の大学病院や関連病院での研修、出向によってキャリア形成が自動的に行われてきました。医局の影響力がかなり大きかったため、医師が自分でキャリアを考えるのは、開業するかどうかという点にほとんど絞られていたのが実情です。
しかし、2004年に新医師臨床研修制度が導入されました。この変更により、医学部卒業後に行う初期研修・後期研修をはじめ、その後の勤務先を自由に選択できるようになっています。
選択肢が増えることは医師にとってもメリットがありますが、自分の理想とする働き方を実現するには、しっかりとしたキャリアプランを練っておく必要があるのです。
現在日本は少子高齢化社会で、医療へのニーズは高いです。しかし、この先日本の人口は減少していくと考えられているため、将来医師が供給過多になることも懸念されています。厚生労働省の発表によると、2024年には需要に対して、約18,000〜40,000人の医師が余ってしまうとされています。
少し先のことに思えるかもしれませんが、現在30歳の人なら2040年は47歳で、まだまだ医師として現役です。来るべきときが来たとき、世の中から求められる医師として活躍するためには、今の時点でキャリアプランを考えておかなければなりません。
医師が余ってしまうと考えられている原因は、日本の人口減少だけではありません。現在国をあげて働き方改革が推進されており、その波は医療業界にも押し寄せています。医師の過重労働に対応するためAIやIoTが積極的に導入されており、医師の業務負担は少しずつ減少傾向に向かっています。
人材不足の今は、AIやIoTによる業務代替は、医師にとってもメリットが多いです。しかし、それは医師として働く人材の需要が減ることにも繋がります。一度導入されたAIやIoTがなくなるということは考えづらく、人口の減少が加速してもAIやIoTが担当していた業務を人間に戻すことは恐らく行われないでしょう。
医師の需要が大きく減る時代が来ても医師として生き抜くためには、キャリアプランをしっかり考え、AIやIoTには代替できない知識や技術を身につけておかなければなりません。
ここからは、年代別に20〜50代にかけての医師のキャリアプランの考え方を紹介します。自分が思い描く医師として活躍し続けられるよう、参考にしながら考えてみてください。
医師にとっての20代は、将来に向けて土台作りをする期間です。まず2年間の初期臨床研修で基礎なる臨床経験を積んだ後、3〜5年間の後期研修で専門性を身につけていきます。専門医取得を目指し始める人も多いです。
知識やスキルをどんどん身につけて多くの医療機関で研鑽を積むことが、将来の可能性を広げていきます。この時期にしっかりと経験を積まなければ、医師として成長していくことはできません。
また、学生時代に思い描いていたキャリアプランが自分に合っているのか、実際に働きながら再考する時期でもあります。日々経験しながら、自分の方向性を決めていきましょう。
20代は転科をする医師も多いです。ただ、後期研修中に安易な理由で転職するのは注意しましょう。正当な理由があれば問題ありませんが、最悪の場合はキャリアに大きく影響してしまいます。
30代はさらに経験を積み、専門性を磨く時期です。専門医・認定医の資格を取得するのも30代が多いでしょう。また、同時に指導やマネジメントにも携わる医師も増えます。
専門医・認定医資格を取得した後は、医師にとって転職の大きなターニングポイントです。大学医局に入局している医師の中には、今の職場を離れて他の医療機関で働き始める人、フリーランスになる人も少なくありません。この時期までに、自分が将来進む道を明確にしておきましょう。
30代は仕事のターニングポイントだけでなく、人生のターニングポイントを迎える人も多いです。結婚や出産、育児などのライフステージの変化にどう対応していくかも考えなくてはなりません。
ライフステージの変化は自分でコントロールできない部分もあります。これまで思い描いてきたキャリアプランに固執するのではなく、現状に合わせて柔軟にキャリアを考えることも大切です。医師として働き続けたいと考えるのであれば、長く現場を離れるのではなく、非常勤やスポットで現場に携わり続けるとその後のキャリア形成がしやすくなるでしょう。
医師としてさまざまな経験をし、実力もついてくる40代。実績が評価される医師は市場価値が高く、転職を有利に進められます。高待遇なオファーを受けることもあるでしょう。この時期は、生涯年収を左右し、50代以降どのような医師として働き続けるかを決定づける重要なタイミングです。
これまで医局で働き続けた医師であれば、この先自分がどのような道を進むのかがある程度見えてきます。自分が望んだ方向に進めないのであれば、他の医療機関への転職を考えるのも一つの選択です。
市中病院で働いている場合は、生涯現役で医師として働き続けるのか、指導する立場として医師を育てていくのかを決める段階といえます。スペシャリストを目指すのか、ジェネラリストを目指すのかの分かれ目にもなるでしょう。
40代は転職に有利なタイミングですが、すでに自分のスタイルが確立されている年代でもあります。高待遇を求めて転職したものの、転職先のスタイルに合わせられなければ、評価が下がる可能性もゼロではありません。自分のスタイルを大切にしつつも、新しい職場で柔軟に対応することも大切です。
開業を目標としてきた場合は、40代が開業のタイミングです。もちろん40代以降の開業が無理なわけではありませんが、この時期を過ぎると銀行などから融資を思うように受けられないこともあります。また、働いている医療機関で責任が増していくにつれて、開業のタイミングを逃す可能性もあるでしょう。
また子どもがいる場合、40代は教育費の負担が大きくなる年代です。それと同時に老後資金のこともしっかり考えなければなりません。今の職場で働き続けた場合、必要な資金を確保できるかも踏まえ、キャリアを考える必要があります。
医師としてのハイピークを迎え、責任も大きくなるのが50代です。これまで経験してきたことを活かして、今後どのように医療に貢献していくのかを追求するタイミングになります。
勤務医として働いている場合は、定年も見えてくる年代です。今までの方向性のまま最後まで働くのか、ここで新たなキャリアを目指すのか決断しなければなりません。早めにリタイアして、セカンドキャリアを始めるという決断をする人も出てきます。また、ハードな勤務が求められる診療科の場合、このタイミングで施設内でマイナーなキャリアチェンジをする人も少なくありません。
50代は転職には遅いと考える方も多いかもしれませんが、50代はまだまだ転職が可能なタイミングです。逆にここを過ぎると、転職のハードルはかなり高くなります。経験を活かしたキャリアチェンジはもちろんのこと、ワークライフバランスを重視したゆとりのある働き方ができるキャリアチェンジも可能です。
生涯現役を目指している場合は、この先無理なく働き続けるかどうかを念頭に置いて、転職を考えてみるとよいでしょう。
自分に合ったキャリアプランを立てるためには、自分が目指す姿のロールモデルとなる人から話を聞いてみましょう。自分だけで試行錯誤していくことが悪いわけではありませんが、すでに似たような道を歩んでいる人からは貴重な話が聞けます。参考にすべき点や自分自身の課題も見えてくるでしょう。
また、自分が目指すキャリアプランと合致していない先輩ドクターの話も、積極的に聞いてみるとよいでしょう。キャリアプランを練ることは大切ですが、必ずしも思い描いたように進んでいけるわけではありません。他の医師がどのようなキャリアプランを描きどのような選択をしてきたか聞くことで、今よりもさらに視野が広がります。
今回紹介したように、医師にとってキャリアプランは医師としてのキャリアだけでなく人生も左右するものです。医師の選択肢は多様化しているので自分がどの道に進みたいのかを明確にし、そのために何をしなければならないかを考えてみましょう。また、キャリアプランはその都度見直しも大切です。ライフステージの変化や価値観の変化に合わせて、柔軟に考えてみましょう。
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